討伐道中
俺たち一行は現在、罠を張るポイントに向かって移動中である。
「魔獣捕獲用の檻なんて何のために使うんですか? 今回の討伐対象をペットにでもするんですか?」
アイシーが疑問を投げかけてくる。
「おとりの餌を入れておくんだよ」
至極当然の回答を俺はする。
「おとり用の餌ならそのまま置いておけばいいじゃない」
「アイシーさんを餌にする作戦です」
「へぇ、ずいぶん変わった作戦・・はぁ(*´Д`)?」
驚いた表情でアイシーが聞いてくる。
「ねぇ何言ってるんですか? 何言ってるんですか? 冗談ですよね?」
「作戦です。アイシーが檻の中に入って、そのままデコイをロクサーナさんにデコイをかけてもらって氷の城壁を檻の周りに造るんです。檻に加えて360度全方向全力防御の体制を取るんです。そのままおびき寄せられたところを僕が全力で火力で叩きます。撃ち漏らした中級魔獣と下級魔獣を騎士団とメアリーさんが討伐。もし何かがあったらアイシーさん以外の討伐隊全員が撤退して辺り一帯を氷漬けにする。これで完璧です」
「作戦が随分変化してるじゃないですか?!」
「何言ってるんですか? 当初の予定通り囮の餌におびき寄せられた魔獣を大火力で掃討、撃ち漏らした中級と下級魔獣を騎士団が討伐。もしものことがあったら氷漬け。何も変わってないじゃないですか?」
そう、何も変わってなどいない。
だた囮の餌が攻撃を兼ねるだけだ。
「私が餌になるってところが大きく変わってます」
「何の問題もないだろう。第一、お前の実力ならそもそもドラゴンくらい一人で討伐できるだろうが」
「流石に一人は無茶に決まってるでしょう。氷漬けにしてもすぐに復活しちゃいます」
「あの氷の塊を空から落としたらいいじゃないですか」
「この作戦で氷の塊を囮の私に向かって落としたら、私ごとつぶれちゃいます」
それはそれで天変地異の現況がいなくなって助かると思ってしまうのは俺だけだろうか?
「大丈夫です。囮のアイシーさんに接近する前に大火力を浴びせまくりますから。それで殆どの魔獣を討伐できます。あとは囮のアイシーさんが怪我をしないように氷の城壁で身を守っていればいいんです。僕が撃ち漏らしたとしても、騎士団とアイシーさんで討伐すればいいんです」
「なんだか納得してしまいそうな説明ですけど、これ私、命の危険ありますよね?」
「アイシーさんがそう簡単に死ぬとは思えないです。そろそろ作戦実行地点に到着しますよ」
「信頼はありがたいんですけど、なんだか癪です」
「攻撃力と魔力量、氷の攻撃の破壊力と防御力は信頼してます」
「しかたないわね。やりましょう。檻なんて必要がないくらいの防御力を見せつけてやりましょう!」
馬車を引く騎士団員に声をかけられた。
「そろそろ到着しますよ」




