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情報収集

「エイチさん、ちょっと部屋の外で二人で話していいでしょうか?」


 アイシーに領地存続の危機に瀕した侯爵様と元騎士団長との会議中に部屋の外に連れ出される。


「今重要な会議の最中なんであとにしてほしいんだけど」


「ちょっとフェンリル討伐について気になることがあって」


 それは重要な話だ。聞こう。


「気になることとは?」


「おかしいと思いませんか? 前にエイチさん言ってたじゃないですか、この世界に来てイシュタルとかゼウスとか元居た世界の神様の名前を聞いたことがないって、フェンリルも同じです。この世界に存在すると思いますか?」


「それは・・・・確かに」


 別の世界なんだから納得である。


「何かあると思うんですが調べてみたほうがいいかと思います」

 

 これは調査しないといけない。


「調べてみましょう」


 討伐会議を行っている部屋に戻った。


 結論を言うと会議はデコイをかけた囮の餌を用意し、囮に寄ってきた魔獣達を目視で確認した瞬間に隠ぺいと潜伏スキル討伐隊と俺たち―パーティで隠れていた大火力を浴びせ、その後に残った中級下級魔獣達を騎士団が全力で討伐、それに失敗したのならするという作戦で決定した。


 さて、会議は終わったのだが。


「フェンリルについて詳しい情報が欲しいのですが、フェンリルに関する専門的な本が伯爵家になかったのでこちらにはないでしょうか? あれば読ませていただけませんか?」


 と侯爵様に願い出たところ、承諾を得たので蔵書をあさらせてもらうことになった。


「そっちの本棚にそれっぽいタイトルの本ってないか?」


 アイシーから返事が返ってきた。


「こっちにはフェンリルに関して専門的に書かれていそうな本はないですね。ただ、魔獣大全という本があります」


「こっちの本棚はなさそうだ。別の本棚を探す」

 

 俺は別の本棚に移動して探す。


 流石は元一大魔獣討伐地。


 魔獣討伐と魔獣に関する専門書だらけだ。


 それも剣士一強の世界なだけあって魔獣の急所や致命傷を与えるためにどう攻撃したらいいのかが書かれた本ばかり。


 だがフェンリルについて書かれた本はまだ見つかってない。


「あれ、これ見てください」


 アイシーが俺を呼ぶ。


「フェンリル討伐記」


 ピンポイントな本だ。


「良さげな本だな。読んでみよう」


 机の上で本を開く俺達。


「読むわよ。私はフェンリル討伐に人生の多くの時間を費やした。生きて帰りこれを記すことができたのは幸運以外の何者でもないだろう。第一にフェンリルには剣での攻撃は通用しなかった」


「剣での攻撃が通用しないって物理攻撃に耐性があるってことか相当な硬さの防御力の可能性高いのか」


「続き読むわよ。あの神々しいまでの白いオーラを纏った天使様に賜ったこの剣でさえも通用しなかった。もはやこの世にあのフェンリルを相手にできる攻撃手段が存在するかどうかさえ怪しいと思っている」


「神々しい白いオーラを纏った天使って誰だよ? アイシーさん知ってるか?」


 きっと天使にもいろいろ種類がいるのだろう。


「それはもちろん私のことです。私以外にもこの世界に人間にチート武器を渡して転生転移させた天使はいますけど、神々しいまでの白い冷気を出せる天使は私しかいません。他の天使は幸運とかそういうもっと違う分野の天使ですから。エイチさんに無理矢理ここに連れて来られなかったら、そのまま出世して大天使になれてた可能性だってある出世頭だったんですよ、それを無理矢理召喚して連れてきたんですから私に対して感謝の言葉どころか神を目の前にして祈るのと同等の敬意を表してもいいところよ。むしろそうするのが当然だと思うわ。ほら早く冷蔵庫って言ったことを懺悔し悔改め跪いて許しを乞い供物をしなさい。そうすれば聖なる存在をメイドとして使ってきたあなた達一族をほんの少しだけ僅かながら許してあげてもいいわ」


 ドヤ顔でそんなことを言い始めたアイシーさんを無視して俺はフェンリル討伐記を部屋の外に持ち出す。


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