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ごめんなさいの6話

 学校が終わってすぐ、馬車でレナ様の家まで帰って来た。

 そして俺達は人攫いを探すことになったが……


「何から始めるのですか?」


 全くもって手がかりがない。犯人の見当もついていない。


「ユウリを攫った連中は騎士団に引き渡したから、アイツらが情報を吐いたら私に連絡が来るようにしてある」


「ユウリさんも被害に遭ったんですか!?」


「はい。ですが、レナ様が助けて下さいました」


 あの時は食堂だったから周りの人に聞かれる可能性があったので、レナ様は言わなかったのだろう。


 助けてくれた時のレナ様は、かっこよかったなぁ………


「ヨーテ、アンタ自分で捜査してたって言ってたよね。何かしら情報は掴めてないの?」


「はい。人攫いが起きた現場なら、行ったことはありませんが住所は知っています」


「じゃあとりあえずそこに行こう」


 ヨーテとレナ様が話を進めて、俺はその後をついていく。従者としては当然のことだ。


 だが俺が勇者だった時と逆だ。あの時は、俺が行き先を決めて、皆んなについて来てもらっていたが、俺がついていくことになるとはな……


 意外と気楽なんだな。



 レナ様の言えからほど近い場所だったので、歩いて向かうことになったが、前を行くこの2人が元勇者パーティだということを忘れていた。


 レナ様ほどではないが、一般学生に比べればヨーテもめっちゃ強いはずだ。


 つまり、歩くの早すぎるぅぅぅぅ!!




「ちょっとユウリ、遅いよー」


「ま、待って、下さい……わたし、これでも、全力疾走で……」


 2人は多分ゆっくり歩いているつもりなんだろうけど、それでも早い。


 俺と2人だったり他の普通の人と一緒の時はレナ様も歩くのは普通の速さだが、ヨーテみたいなのがいると、勝手に歩くのが速くなっていくらしい。


 そういえば俺達勇者パーティも、普通の人が馬車で移動するところを歩いて移動したりしてたっけ……


 周りが速いと、勝手に皆んな速くなっていくみたいだ。



「わ、わたしは何のお役にも立てませんので、どうか先に行って下さい」


「そうはいかないって何回も言わせないでよ。ユウリを1人にさせるわけにはいかないの」


 レナ様は言いながら、近づいて来た。


 あれ?レナ様、お顔がちょっと悪い笑顔なんですが……?


 レナ様が俺の前で止まった。

 じっと目が合って、ぱちくりぱちくりしていると、次の瞬間、世界がひっくり返った。


「うわぁっ!?」


 何!?何が起きた!?


 ジタバタして初めて、自分の体が宙に浮いていることに気づいた。



「バタバタしないの」


「え?え?」


 レナ様の顔が、すぐそばにある。


 どうやら、俺は今、レナ様に抱き抱えられているみたいだ。



「ちょ、これって……!恥ずかしいですって……」


「まあそう言わないの」


 せめておんぶにしてください!と叫ぶ前に、レナ様は走り出してしまった。


 それにヨーテはついてくる。


 てか、速!走るの速!そして怖い!


 落ちるのが怖かったが、俺の体に伝わってくるレナ様の力が、あまりにも安定していたので、落ちることはないんだろうと思った。




 そんなこんなで。


 人攫いの現場に着いた。


「ここです。ここが、僕の友人のメイドの人攫いが起きた現場です」


「なるほどね」


「まだ捕まってないんですよね?どうやって探すんですか?」


 現場に来たはいいけど、ここからどうやって犯人を探すというんだろう。


「ふっふっふ……よくぞ聞いてくれたねユウリちゃん」


 レナ様は凄い嬉しそうだった。そんなに聞いて欲しかったのかな。



「これを使うんだ!」


 レナ様がそう言って取り出したのは、魔法具だった。


 魔法具があれば、そこに込められている呪文を、魔力が無い人でも使えるという代物だが……


「先程はそれを取りに行かれていたのですね」


 さっきレナ様の家に帰った時、レナ様は屋敷の中に入っていって、すぐに帰って来た。



「その魔法具で、何をするんですか?」


「これを使えば、ここに残った魔法の残滓を解析して、魔力のくせを調べ、そのくせを持っている人を半径10km以内から探し出せるんだよ」


 解析魔法の上位版みたいなことか。

 確かに俺も、解析魔法を研鑽していく中で、魔力の流れからどの魔物が近くにいるか分かるようになった記憶がある。


 が、この場でヨーテだけが、目をまん丸にして驚いていた。



「そ、そんな魔法、あるんですか!?例えあったとして、それを魔法具に封じ込めるなんて、出来るわけない!」


「え?そんなに凄いの?これ」


「凄いなんてもんじゃ無いですよ!普通魔法具に込められている呪文なんて、各属性の初級魔法くらいですよ!しかも、魔法具を作れる人なんて、熟練の職人しかーーー」


 そこまでヨーテは白熱した後、戦慄するような表情を見せた。



「ーーーメルランデ様ですか」


「あ、そうそう。昔に作ってもらったの」


 メルランデ。この名前は、この世界に生きている人間ならば、知らない人はいないだろう。


 数百年も昔の大魔法時代に生まれ、人類史上最強の魔導士とまで呼ばれた人で、この人が居なければ今の時代に魔法は残っていなかったとされるほどの人だ。


 ちなみに年の話をすると勇者の俺ですら半殺しにされる。普通の人なら再来世まで殺される。



「メルランデ様なら、あり得る……あり得てしまう……そんな、無茶苦茶な魔法具……」


 まぁ、メルランデの魔法は実際めちゃくちゃだったなぁ。野宿しか無いって時、瞬間移動で帰宅してたし、時間停止魔法でずっと25歳くらいだし……



「じゃあ、使うからね」


 メルランデのことを思い出していると、レナ様はさっさと調査を進めようとしていた。


 レナ様が魔法具を振りかざすと、数秒何も起こらない時間が続いた後、淡い緑の光が、ものすごい勢いで魔法具を中心に広がっていった。



「わ、大規模だね」


 と、直後に、魔法具の中に、魔法の使用者が示された。



「何でメルランデがこれくれたか分かったね。こんなに大規模じゃあ、敵に気づかれちゃうよ。まぁ、今回は大丈夫だと思うけど」


 そうして、俺達は敵がいる場所に向かうのだった。

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