表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/22

戦争

「じゃあ、僕は引き続き潜入するということで、、、」

ベースがそれとなく話し始めた。

「え?そのまま?私のこと殺さないよね?」

アリカはずっと気になっていたことを言う。 今回被害者のはずのベースがなぜなかったことにしてくれたのか。自分は殺されないのかと。

「すべて忘れろ 全てだ」

マイクが言う。

「そうだ すべてこのままで さっきは何もなかった いいな?」

ベースもそれに続き言う。

「オケまる!! もちのロンロン」

余裕ができたからかリカコの口調になるアリカである。それどころか王族にタメ口なわけだが、今回は見逃されたようだ。

それからというものアリカは裏通りに「ここは不幸の地だ 我がこの不幸を無き者にしてくれるわ!!」と言いながら、毎日塩をまき、皆を救った(マイクのサボり場)は三人の憩いの(サボり)場となったのであった。

次の日、ヤベーマス=ヤマナシ(ベース)は貴族学校に行くためアリカたちの学校は休みである。

「昨日あれからどうなったの?」

リカコが聞く。アリカはもちろん何も考えてなかったので、

「ナ、ナンのことかな?  ナンのこと…」

などと、まるで頭のネジが二十本とれた人のような謎の供述しており

「ナン? アリカちゃん、もともと外れていた頭のネジがぶっ飛んだのかな? ウケる~」

とリカコに言われる。アリカがピクッと反応すると

「あ、もしかしてアリカちゃんまた誰かのしゃべり方パクった?なんかのロボット的なww」

とさらに付け加える。

「いやぁ 昨日のことは、、、普通だった!!特に何もなくただ教えて終わり」

これがアリカのできるかぎりの嘘の大義名分だった。

だが、リカコに怪しまれ最終的にアリカは土下座し

「それ以上はきかないでくださいいいい」と言うことになるのだった。


その頃貴族学校では昼休みだった。マイクとベースはがらがらのレストランの端に座ると話し始める。

「で結局昨日のは何だったのよ」

マイクはベースに聞いてみる。ふつう何もないなら、なかったことになどベースの性格上しないだろうと思ったからである。

「いや、聞くな 黒歴史になりつつあるんだ 恥ずかしいから教えない」

「余計気になる~ てかなんで気を失ってたの?」

「聞かないでくれ~~~」

ベースは正体がバレたからと、半分パニックになり口封じしようとして失敗した。

思い出すだけでも恥ずかしく、マイクから顔を背ける。

「もしかしてアリカに―――」

ベースはそれ以上マイクが言う前にマイクの口をおさえる。

「びゃあじょうじゅうぎょとにゃんだね」※訳:じゃあそういうことなんだね

「恥ずかしい恥ずかしい///」

「なんでやられたの?女だし、お前は油断なんかしないだろ?」

「ああ、刀で首をおさえるところまで行ったんだけど、急に雰囲気が変わって 何ていうか あれはマイクよりも強そうだったよ」

「俺よりも!? 気になるな すごい魔法は使えたが俺よりもとなると ※ナルシスト 明日調べて来てよ」

「オッケー 僕も気になってたし、明日ザソイ戦闘訓練所に行かせてみるか」


そして次の日になる

アリカは学校が終わった後ベースに呼ばれ、ザソイ戦闘訓練所に行くことになった。

裏通りを通ってザソイ戦闘訓練所に向かう途中、アリカは恐る恐る話しかける。

「あの、、、やっぱり殺すとかナシですからね!!!」

「当たり前だ 前、お前が弱いとか言っていた軍の訓練所でお前の実力を見せてもらうからな」

そういえば、アリカが刀を突き付けられるきっかけとなった言葉で『弱いこの国の軍育成所』と言っていた。 

実はベースは、アーベルカ王国の兵士たちの努力を知っていたから「弱い」という言葉は聞き捨てならなかったのだ。

そんなこんなでザソイ戦闘訓練所についた。

前来たときから雰囲気は変わり、また兵士たちは生き生きと訓練している。

「ここでは僕は街の、戦いに興味のある一般人としているから話の内容は合せろ」

と小さくベースが言う。どこも抜き目がないのだ。この男は。

「お、ベータ―君 ※ベースの偽名 今日もよく来たね そこの嬢ちゃんは?」

「こいつも訓練見てみたいらしくて 連れて来たんだ」

「そ、そうです」

口調まで変わるベースと、カチコチのアリカ。 アリカ、これが戦いなら真っ先にKOである。

そしてアリカが敷地内に入ろうとした時、、、、

          ドドドド…

そう音が聞こえたかと思うと、

「シラクス国の軍だ!!今すぐ戦闘準備を!!」

見張り役らしき兵士が声を荒らげて言う。

「な、軍、、、」

アリカは絶句する。頭ではシラクス国の軍が攻めてきたのだとわかるのに、現実味がなく理解できない。

これから戦いが始まるのだ。

「今すぐ逃げろ!!! 街の方まで行けばあとは食い止める」

「私、兵士なんです 戦いますよ それが私の仕事ですし 我の力を思い知らせてやる!!!」

アリカが言う。

「なにをー」

兵士が言う前に    ゴゴゴゴゴゴゴゴ…    となったと思うと

「俺も行かなければ 必ず逃げるんだ」

そう言って戦いに行った。

(やらないといけない  本当は魔法も使えないし  シラクス国の王女だけど)

アリカは決意を固める。そしてふと思い出した。ベースを倒したときのことを。

(あれと同じことができれば、戦える…!!!)

前の感覚を思い出す。感情を高めて強く念じる。

       ドックン

鼓動が早くなる。

(前の感覚だ  私はこれにかける!!)

「行くかしら 蹴散らしに」

自然とアリカの口から出た言葉だった。    そのままアリカは奥の戦場へ行く。

人混みの中、人の色々な阿鼻叫喚の中、一人アリカは無言のまま敵が多いシラクス国との国境に向かう。

「やあああああ」

一人のシラクス国軍がアリカめがけて銃を打つ。

「邪魔。何?目障りなんだけど?消えてくれる?」

アリカがそう言ったかとおもうとその兵士は地面に倒れた。

(何が起きの? 私が強い兵士を…) アリカは混乱しながら、兵士の安否を確認する。

どうやら気を失っただけらしい。たとえ敵といえど、アリカは人を殺したくはなかった。

兵士を倒そうと思ったのは、アリカのいしだがなぜこうなったのか。

(そうか すごく早かったけど、手刀だわ 一瞬やろうと思ったけど もう実行できていたなんて)

何かが起きているということがアリカには分かった。

「一人ひとり倒してもめんどくさいわ」

そうありかは言って魔法を発動させる。

ウォーターセンガー(水源発生)

するとアリカのまわりから水が生まれ周りの人が流されていく。

(すげぇ 私 適当な名前だしイメージしただけだけど出来た!!!)

ウォーターアップ(水流上昇)

アリカの下から水が出てきて、その水流でアリカの体が上へ持ち上がる。

(飛んだ!!!このまま指揮を取ってる人のところまで行こうかな)

すべてアリカが自分の意志で行動を行っていた。いつも中二病だからか、技名っぽい言葉のレパートリーはたくさんあったのだ。

(これ、無双だよね?間違いなく 私無双してるよね?)

しかし、アリカに向かって後ろから矢が飛ばされる。

「うわっ」

アリカが言うがその腕はしっかりと矢を掴んでいる。

(意識していないのに勝手に体が動いた  意識も自分があるのに  なんか気持ち悪い)

原因は間違いなく、今ベースを倒したときと同じ状況になっているからであろう。

言うならば「本気モード」とでもいいようか。 アリカは早くこれを解きたかったが、今解いても死ぬだけだと分かっていた。

(すぐに追い払おう)

「ビックウォーターセンガー」

たちまち国境に向けて水が波のように全体に広がり流れる。シラクスの軍は流されて、そのまま引き返した。

(追い返した…! でも、、、あっちは本気を出していない  魔法使いもいなければ将軍もいない 最低限の戦力で征服しようとしているんだわ) そのままアリカは「本気モード」を解く。

「っー   グッ  」

激痛だ。一般人ならショック死していたかもしれない。

アリカは無言で耐え続けるそして ああ、「本気モード」には大抵犠牲がつきもの。これがその犠牲なのだろうか と頭の片隅で思った。

そこにベースがやって来る。後ろにはダンラ(現国王陛下)もいる。

「大丈夫か?アリカ」 とベース。

「お前さっきの魔法すごかったな ここの兵士か?」 とダンラ。

アリカは痛みを隠して答える。

「はい ここの魔法使いとして戦っています」

と。流石に国王陛下にタメ口は使わないようだ。

「おお、これからもよろしく頼むぞ」

そう言ったあと、ダンラは気付く。

「ん?なんでアリカとベー…」

「僕達は友達だよな!!! 学校で知り合った!!!」

「え? ああ、もちろん、その通りよ!!!」

ダンラに気付かれないよう、べースとアリカが知り合いな理由を目を回しながら、すごい剣幕で伝えるアリカとベースだった。


その日アリカは(雑貨屋の一人部屋)に帰ると、今日起きたことについて考える。

(おそらくだけど、「本気モード」の長さとその後の痛みは比例しているわ これはもう使いたくないけど、私はこれじゃないと戦えない…     なら使い続けるそれだけ!!!)

アリカは痛いというだけで、自分の中二病を曲げたり、ためらったり、そんなことはしたくなかった。


*************************************************


シラクス国の裏路地でその男…セリステは言う。

「お兄ちゃん、もう魂は使わないでよ!!!! 僕をこの世界に呼ぶときも使ったのに あんな奴に力を貸したのだって… なんでなんだよ!!!」

その目には薄っすらと涙が浮かび 必死さが伝わる。 

そしてライは答える。

「全部 父さんを生き返らせる…ためだ 家族そろってなきゃ…意味ねーだろ  ベルターに力を貸したのも…な  あいつの国の魔法陣を使って、お前以外の二人も呼ばないと…」

シラクス国でセリステをこっちに呼んだからか、ライの息は荒い。

「…僕の魂を使ってよ!!!これから二人も呼んだら、お兄ちゃんはもう生き返れなくなっちゃう」

「だから…それじゃ 本末転倒なんだよ」

暗闇の中二人の間に沈黙が流れる。

セリステはすごく悲しい顔をする。しかし、セリステにはどうすることも出来なかった。


*************************************************


〜本編にはない細かな情報〜

魔法について

シラクス国には異世界から人を呼び出すことができる魔法陣があります。

そのように 木(自然)・水・地(地面)・空・異世界術、人間魔法 の魔法があり、アリカは水ですね。

同様に、雷(空)・地・森(木)・水・異世界術 の龍がこの世界には存在しています。

勇者もいます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ