8
最近、毎日海人君に勉強教えてもらっているから、授業についていけるようになったよ。私。
もう授業がわかって、わかって仕方がなくて、めちゃくちゃ楽しくなってきた。
「麗華ちゃん。最近楽しそうだね。授業中。」
「最近、髪の毛振り乱したり、急に眼を見開いたりしてないもんね。」
なんですと!! 私、まだそんなこと無意識にしてるの?
早急にそれをやめなければ。
こんなにかわいい子がそんなことやってたら怖いよ。
私、そんなことやってる子がいたらトラウマになっちゃうよ。
「もう、授業がわかるって素晴らしい! 今なら、勉強楽しいソングが歌えるよ」
「聞いてみたい」
作詞作曲 六車麗華
ふふふん。ふふふん。勉強って楽しい。勉強って楽しい。
今なら何でもできるるるるん。
「ストップ! 思ってた以上にへただよ。」
「そんなこと言わないでよ。今の私のありのままの気持ちなんだから。」
「麗華ちゃん。あんまり人前で歌わないほうがいいよ。」
えええ。私、歌を歌うの好きなんだけど。
「話は変わるんだけどね。となりの小学校あるでしょ。」
この学園、幼稚園から大学まであるけっこう大きな学園なんだけど、なぜか、小学校だけ男女が違う校舎で勉強することになっている。
変わってるよね。
せっかくこんなにかわいい顔をしてるのに、私、ちやほやされたいよ。
そうだ。せっかくだし、いつでもこのかわいいお顔を見るために手鏡持ち歩こうかな?
「なんか、幼稚園の時にアメリカに行った子、覚えてる?」
「覚えてる!」
「あー、よかった。 麗華ちゃんすぐ色んなことを忘れちゃうから、ずっと一緒に遊んでた凛のことも忘れちゃったのかと思った。」
幼稚園の時に、確かに、いつも遊んでる子にすごい大きな眼鏡をかけてた子がいた。
いつの間にか、いなくなったから、そういえばどうしてたんだろう?
と思っていたら、アメリカに行っていたのか!
名前は確か、熱海凛。
ううん? めっちゃくちゃ聞き覚えのある名前な気がするんだけど。
なんだっけ? そりゃ幼稚園同じだったら、聞き覚えあるよね。
「帰ってきたんだって!」
「そうなんだ。雫ちゃん、なんでその話知ってるの?
隣の小学校とはいえ、そんな話聞かないんだけど。」
「トイレに行ってたら、先生がなんか言ってた。」
え。そんな個人情報ってトイレ行ったぐらいでゲットできるの。
そしたら、私も全部の休み時間トイレ行こうっと。
え。なんで、そんな冷めた目でこっちを見てるの? 雫ちゃん。
「まあ、そんなことは置いといて、見に行こう!」
「どこに?」
「体育館。次、男子授業体育館だって。」
といったと持ったら、雫ちゃん。教室を飛び出していった。
え。私たちも授業あるじゃんか。
授業、さぼるの?
え。待ってよ。そんなにすぐに行動に移さないでよ。
おいてかないでー。