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「麗華ちゃん。授業中何してたの?髪の毛振りかざして。」
「え? 私髪の毛振りかざしてた?」
「うん。先生も途中で悲鳴をあげてたよ……」
嘘でしょ。さっきの気のせいじゃなかったのか……。
「髪の毛を振りかざしてた記憶もないんだけど、わたし。」
「えーー。あんなにぐるんぐるん回してたのに?」
どうしよう?私授業が分からなさすぎて頭振り回してたのかな?
まぁ、いいわ
それよりも
「私、授業が全然ついていけなくて」
「え? 本当に急にどうしたの? 今まで勉強なんてしなくても生きていける。だって跡継ぎだもん! みたいな感じだったじゃん」
そうなのだ。
しかし、今の私は生まれ変わったニュー麗華よ!
このままでは駄目なのだ。
小学校の授業でつまづいているようでは、私は家から追放されしまう。
「どうしたらいいかなー?」
「うーん。分かんない。授業わからないって思ったことないもん。」
「許さん。許さん。ここで頭いいアピールか!お主!」
「違うもん。私、ずっと授業中先生の話聞いてたもん」
グサッ! グサッ!
麗華のHPが20減った。
確かに!
私今まであまり授業聞いてなかった。
どうしよう。もう1回1年生の授業から受け直すべきかなー?
家に帰ってだれか大人の人に相談しよう。
急いで帰ろう。
「じゃ、私帰るねー」
「御機嫌よう」
「御機嫌よう」
車に飛び乗る。
あ、運転手さんも大人だった。
「私ねー。勉強がついていけないの。もう1回1年生からやり直したいんだけど、どうしたらいいと思う?」
「え、麗華お嬢様。勉強したいんですか? 今まで、絶対に勉強やらないぜ☆ みたいな感じだったじゃないですか」
ぐぬぬぬぬ。
運転手さん。あなたもそんなこと言うのね。
私だってやればできる子よ!
「わたし、生まれ変わったの! 勉強もしっかりやるし、これから後継ぎの自覚をもって頑張るわ!」
「それは! 旦那様と奥様がお聞きになられたら何と言って喜ばれるか!」
えええ。そんな感動された目でこっちを見ないで。
私はこの家から追い出されないようにっていうめちゃくちゃ不順な動機で勉強するんだけど。
少し、心苦しくなるよー
「麗華お嬢さま。でしたら、新しく来た海人君に勉強を教わるといいですよ。
彼、イギリスの有名な大学の付属中高に通っていたので、頭がいいんです。」
なんと! 彼は、お顔が大変かっこいいという圧倒的ポテンシャルを秘めていながら、さらに頭までよいという。私もそうなりたーい!!!
は!
違う。私は超絶美少女六車麗華に生まれ変わったのよ!
これで、私も頭がよくなったら、顔もよくて、勉強もできるなんて!!
っていってめちゃくちゃちやほやされるにきまってる。
そうなるためにも勉強を頑張らなくちゃ。
「そしたら、帰ったら海人くんに勉強おしえてもらう」
「そうしてください。お嬢様、お勉強ファイトです!」