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目が覚めた。
もちろん、私は毎日朝起きて、目が覚めているわけだけれども、そういうことではない。
私、転生してるー!!!!
私、小笠原ゆうなはある日ひょいとコンビニへお水を買いに行ったら、交通事故に遭って死んでしまった。それを今、思い出した。
では、思い出すまでの私は何をしていたのかと言うと??
そっと自分の体を見た。
手が小さい。体も小さい。
鏡を見よう。
服?なのか、すごいめちゃくちゃ軽いワンピースみたいな服を着ている。
意を決して鏡を見たら、日本人形みたいに髪の毛がぱっつん。黒髪の女の子が映っていた。
感想は、
めちゃくちゃ可愛い。
そこには、めちゃくちゃ、声を出ないような、とか、つややかな黒髪が眩しい、とか輝くような、とかそんな代名詞がつく様な美少女に転生していた。
よかった!!!! これで、人生イージーモードだ。こんなに可愛かったら何をしてもみんな許してくれる!!
やったー。
とりあえず、自分の顔をぺたぺたと触る。
「麗華様。起きられましたか?? 」
びっくりした。すぐ側におじいさんがいた。本当に、なんの音も鳴らさずにこんなに近くにいるなんて!
コクリとうなづく。
私はとにかく今までの記憶とゆうなとしての記憶がごちゃごちゃになったので、とりあえず落ち着いて、大人しくしようと思う。
そんなことを思っていたのだけれど、
「こっちに来なさい。」
そう言っておじいさんが扉に向けて手招きして、
「失礼します。」
誰かが入ってきた。
「私の名前は瀧崎海人と申します。これから、麗華様のお世話係として、お仕え致します。」
そういう声を聞いて、ぱっと顔を上げると、そこには。
物凄くかっこいい男の子がいた。
男の子と言っても麗華が10歳で、海人は17,8歳ぐらいである。
見た瞬間
「は!」
と言って鼻血を出して倒れてしまった。
もちろん、その場にいたおじいさんも海人も慌てていたのであろうが、麗華はその事は知らない。