序章 2
今回は担当する生徒に自己紹介。思うんですけどスオウくんはまだ学院長にアイルの静かに暮らしたいって要望話していませんね。。
競技場に入るなり彼は先のイーリスの言葉の真意に気付き驚愕していた。
と同時に疑問に思うこともあった。
どうしたらここまで魔力総量の平均が下がっているんだ?確かにエレオデントのせいで大気のマナや能力者の平均は下がった。それは変えようのない事実だ。
しかし今現在集まっている能力者たちを見て小さく言葉を零す。
「待てよ……こんなの束になられても指一本で片付けられそうなんだが……誰も基礎訓練の大切さを教えてなかったのか?」
「そうですね、実戦訓練を行える戦闘経験者がいなかったというのが問題なのかと」
アイルの小声の独り言にスオウは答える。
何とも言えない表情を浮かべるが、すぐに表情を戻し全員を観察するように数秒間見つめる。
「まず先に紹介しよう、彼はアルス。スオウくんの知り合いだ」
さすがは学院長、どこかのバカ弟子と違ってきちんと把握してくれている。
こっちに来るよう目で言われ、アイルは学院長の元まで向かった。
「紹介に上がったアイルだ。これからお前らの実戦訓練を受け持つことになった。全員に合った訓練が出来るかと言われると難しいところだが数段階は実力を上げることだけは約束しよう」
だが、彼の言葉を聞いて生徒は疑惑の目を浮かべている。
「相手の実力も正しく分からないお前らには難しいかもしれんが、まあ一興か。スオウ、朝の遊びの続きをやるぞ」
スオウを呼び掛ける声が急に遠くなり、気付いたら競技場の中央にいた。
いつの間に移動したのか分からない生徒たちは目を見開き言葉を失う。
それはイーリスやスオウも同じであり、反応が一瞬遅れる。
「アイル、僕に一撃入れることができたらみんな信用してくれると思う」
それを聞いたアイルはそうか、と簡潔に呟くとスオウが飛ばされていた。
その直後凄まじい風圧が巻き起こる。
体が言うことを聞かず飛ばされるが、壁に激突する少し前に少しずつ自由が利くようになり受け身を取ることはできた。
なぜ飛ばされたのかは理解できないが、殴られたという確証はないが頬が痛い。
「やっぱりお前訓練は怠ってなかったが自分と同等程度の奴との実戦練習はしたことがないだろ。まあ一位になるとそういう経験がないんだろうが。ま、今の喰らって意識を失わなかったのは褒めてやる」
この圧倒的な実力に誰もが理解が追い付いていなかった。
能力者第一位を一歩も動かずに吹き飛ばすなどイレギュラーもいいところだ。
「油断しているところへの一撃だからな。集中していたら防御されていただろうが、一撃入れるって約束は果たしたぞ」
スオウは頬に手を当てながらアイルの言葉に頷く。
「この力は人間に向けて使うものじゃない。変な教団とかじゃなければ、だがな。お前らも自分が持っている力を間違った使い方には決して使うなよ。とにかく一年よろしくな」
驚きすぎて反応することができない生徒たちを見ながら自己紹介が終わった。