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上司と母について

作者: ちょり

転職してからは仕事が遅くて、一度聞いたことを何回も聞いてしまう時がある。自分なりに頑張って理解しようとして、口に出して説明してみるけれど、全く的外れなことを言ってしまうことがたくさんある。そんな時、指導係である上司は、私が声をかけても無視したり、質問中に不機嫌そうにボールペンで机をトントンとたたいている。そうされるたびに、ヒュッとなってしまって、すみません、すみません、と呪文のように繰り返すようになった。手を上げてしまいそう、と言われることも増えてきたけれど、そんなことを言われても、すみませんといって口角を上げることしかできない。上司に嫌われたら何も教えてもらえなくなるので、私は、どんなことを言われてもニコニコ笑っている。周りからみたら、私は、上司のことを好いているように見えるだろう。でもすごく辛くて、上司はまるで母親のようだと思った。母親の機嫌を損ねたら、ご飯ももらえないしおうちに入れてもらえないので、逆らうことができなかった。どんな母親のもとで育つか選ぶことはできなかった。解決策としては、ひとり立ちして適度な距離感を保つことなので、私は一刻も早く仕事を覚えなければいけないけれど、しばらく一人でできそうにはない。普段あまり人のこと嫌いになることはないのだけど(苦手な人はいっぱいいる)、上司のことは本当に嫌で、早くもっとハゲてほしいと思っている。会社を出たら、ただのハゲなので。対して私は、結婚適齢期の若い女性だ。愛嬌もあって、一人暮らしだし、多趣味だし、あんまりメンヘラじゃない。最高すぎる。ああ暮らせるだけのお金がほしい。

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