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異世界転生?放浪記  作者: リン
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初めてのお仕事

第1章 5話目「あれ?もしかして俺って最強のレベル1?」




「あー、やっぱり腹立って来たわ

何のなのかね?明らかな無視みたいなの」


俺は京子のためだと思い、再びギルドの方に顔を出していた

やはりというか、想像通りだったが、ギルドの受付嬢は明らかに京子の方を見ないように、見たくないとでも言うように、俺だけに目線を合わせてきた

京子に手を握られていたので我慢したが、やはり露骨な態度であるとムッとするのを抑えられない



「うーん、まあこの世界に来てから結構あんな感じだし、もう慣れたわよ

それに、私には凛夜がいてくれるから、思ってるほどは辛くないの

改めてありがとね、あの時私を守ってくれて」

そう言って、繋いだ手に少し力を込めた

京子がここまで言うのなら俺が何がするのは、やはり違うだろう

そう思い、なるべく明るく話しを変える



「それにしても、RPGでよく見るようなわかりやすいクエストばかりだったな

村近くのゴブリンやスライムの討伐とか

深い森の奥にある薬草を取ってくるやつとか」



俺が軽く目を通した限り、どんなものか想像つかないようなものは少なく、大抵ゲームの中で見たようなクエストの数々が並んでいた

実際にやって見なければどのくらいの難易度かわからないので、とりあえず報酬の良さそうで、なおかつ1番初級の討伐クエストである、スライムの討伐クエストを受注した



すると京子は少しだけ不安そうな顔しながら

「いきなり討伐クエストにしたけど大丈夫?流石に死ぬような危険なクエストではないと思うけど、採取クエストの方でも…」

そう言って、俺の顔を見上げる

それでも俺はやはり自分の能力を確認しかったし

これを言うと京子が気を使いそうで言わないが

2人分の宿泊とお食事となるとより多くのお金が必要になる

だから、報酬の面でも討伐クエストの方が都合が良かった



「まあ、魔法とかも試してみたいからさ

攻撃とか受けそうになったら一緒に逃げるって約束するからさ

とりあえず初クエスト行ってみようぜ」

俺はそう言って、京子が安心した顔になるまで頭を撫でてあげるのであった



〜始まりの街の外 大草原〜


「いた!凛夜!スライムがあそこの岩陰の近くにいるわよ!」

京子は興奮したように、しかし小さな声で俺にスライムの存在を伝えてくれた

まあそれにしてもこの世界のスライムはあんなやつなのか?

そんな思いで見つめる先には

丸い青色の液体状の小さな塊が、岩肌に引っ付いていた

目や手足などはなく、ゲームなどでよく見るスライムよりもなお弱そうに見える



しかし、まあこれを討伐したらお金が・・・

そう気持ちを切り替えて京子を後ろに庇いながら


「見た目はかなり弱そうだけど、警戒するに越したことはない

念のために俺の後ろについて、いつでも逃げれる準備をしといてくれ」

そう言って再び警戒するようにスライムの方に目を向ける

すると

ぶぅーん

そのような音と共に、俺の視界の端にコマンド選択のメニューのようなものが現れた



レベル1 斉藤 凛夜


選択肢:戦闘

:アイテム

:逃亡

野生のスライム、レベル1が現れた!

行動を選択してください



俺は突然の選択肢の出現に混乱していた

戦闘、アイテムに逃亡?もしかして、これらの選択してを選んで行動をするってことか?

でも、なんで今のタイミングで出現?

俺はハッと思い京子の方に振り向き



「お、おい!京子!俺の視界の端に映ってるこれってなんだ?スライムみたらいきなり現れたんだが…」

俺は京子もこの端の表示が見えると思い話しかけるが



「視界の端?なんのことよ?何もないじゃない

それよりも!スライム!あなたが大きな声上げるからこっちに近づいてくるじゃない!」

京子は怪訝な顔をしてから、スライムの存在に気づくと慌てた顔で俺の後ろの方をや指差した


なんだ、なんなんだ!京子にはこれが見えていないのか?なんで俺だけ?

ええい、今は京子の言う通りスライムだ!

京子が言うように、スライムがのっそりのっそりとこちらの方に近づいてくる


そして、俺の目の前に来た瞬間

ぶわっ!

そんな音と共にスライムが巨大化した!



「「うわ!!!」」

俺達は見事にシンクロして声をあげた

ナニコレ?スライムってもっともっさりしてるんじゃないのかよ!いきなり巨大化とか聞いてないんだけど!

流石に驚いた俺は、京子の手を引いてスライムから全力で逃げるのであった







俺達は今スライムから全力で逃げ出し、大きな岩があったので、そこに2人で身を隠している


「ホントなんなのよあれ…、街の外に出たことなかったから、あんなのがいるなんて思ってなかったわ

あんなのがいるって知ってたら…」



そう言って、不安を紛らわすように俺の胸に体を寄せてくる

さっきほどの巨大化に驚いて逃げ出したが、俺には魔法があるんだった

それに京子を不安な気持ちにさせておいてはいけない

そう思い


「ま、まあ初めてみたから驚いたが、呪文が使えたらなんとかなるかもしれない

もう一度あいつの所に行こうぜ?」


先程のコマンド画面が視界の端にあり、いつのまにか逃亡の選択肢にカーソルが動いている

やはり、選択肢通りの行動を取るということらしい

なら、つぎは戦闘を選択したら、なにか攻撃手段が表示されるはずだ



しかし京子は信じられないと言った顔で

「だ、ダメよ!凛夜の魔法だってどんなものなのかわからないし、危ないかもしれないもの

ここは残念だけど、クエストを諦めて、採取クエストに変えましょう?ねぇ?」


そう言って、離さないとでもいうように、俺の腕を自分の体に引っ張ってくる

腕にとても素敵な感触が伝わってくる

こ、この柔らかさは!見た目の割に…

そんな素敵な感触が名残り惜しかったが、そんな京子のためだとと思い出して



「いや、やっぱりあいつを倒そう

京子には見えてないみたいだけど、視界の端に選択肢見たいのが見えてるんだが、そこの戦闘という選択肢を選べばあいつと闘うことができるはずなんだ

だから、どうにかすれば倒せるはずだからさ

ここは俺に任せてくれよ?なっ?」

そう言って、笑顔で京子の顔を覗き込むように見ると

京子はハッと顔を少し赤くして、うんっと頷くのであった






「よし、さっきのやつだな

さっき通りのサイズに戻っているな」

俺は再び京子と共にあのスライムのもとに戻って、岩陰から奴の様子を伺っていた

先ほどのスライムは最初に見たぐらいのサイズに戻っており、呑気な様子で岩場でフルフルしている



しかし、その見た目に騙されてはいけない、次こそは奴を仕留める!

そう意気込んで俺は京子に目配せしてから岩場から飛び出した


「よし!コマンドで、うん!これだ!」


俺は視界の端のコマンドの戦闘の選択肢を選択した

そうするうちにこちらに気づいたスライムがムニムニとこちらに近づいてくる

俺はそれを警戒しながらコマンド画面を見ると


「ん?なんだこれ?サンダーボルト?インヘェルノ?ニブルヘイム?」


俺の選択肢には沢山の呪文らしき選択肢が展開されていた

それにしても多くないか?これは…

普通にRPGでの初期状態のコマンドはこんなに多いはずがない、しかもなんが強そうな呪文も何個か表示されている

にしても、インヘェルノか…

もしかしたら俺がゲームで見たことあるインヘェルノのことなのか?もしそうなら、オーバーキルもいいところだけど、案外ショボい初期魔法かもしれない

名前だけの呪文でないことを祈りたいが、今は気にしてる場合じゃない

しょうがない使って見るか


「えーと、イ、インヘェルノ?」

そんな頼りない言葉と共に、インヘェルノのボタンを選択すると

キーン!!バキバキバキ!!!!

そんな音と共にスライムが一瞬で氷漬けになっていた


「はい…?」


な、なんてこった…

インヘェルノってマジのやつなのかよ

えっ?俺ってレベル1だよね?

これって最高位の魔法使いとかが時間かけて使うやつじゃないのか?

すると長いようで一瞬の時間が終わりを告げた、そう京子の叫びによって



「な、な、なんなのよぉ!!!!!

す、スライムが一瞬に氷漬けに…

な、なんでこんな魔法あなたが使えるのよ!!!」



そんなの俺の方が聞きたい

こんなとんでも魔法使えるなんて思ってなかった

まさかさっきのサンダーボルトとやらもヤバイ魔法なのかもしれない、使うタイミング考えないとヤバイかもしれない…


「え、えーと、うん…

なんか俺かなり強いみたいだわ

まあ、レベル1でもこういうこともあるよね…」

自分で言っててもおかしいとは思うが現実なのでしょうがない

神様ちょっと強めにって言ったのに、これは強すぎでしょ…


「そんなわけあるかぁ!!!」

京子の叫びが大草原を響き渡ったのであった




ステータス

レベル1 →2 斉藤 凛夜


体力:S+ 10 素早さ:SS+10


攻撃力:SS+10 防御力:A+10


幸運:EX+1


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