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1.02.強敵、死闘、勝利


 芋虫の襲われ、危機に瀕した俺は考える。


 ――トレントってなんだ?


 ――樹木の精霊……。


 ――植物……。


 ――どうやって生長する……。


 ――戦闘方法は……。


 ――………………。


 ――って分かる筈無いか!植物になった、経験ないもんなぁ~。


 ――取りあえず、対虫戦。考え付くのは食虫植物……。


 ――生長方向をそっちに向けるか……。


 この前、マナと魔力を色々と試していた時に、生長の仕方を変えれる事に気付いたいた……。


 単純に生長と熟練度が比例して行く感じだが……。

  

 根にマナを流せば触手と吸収の熟練度が上昇して行き、葉に流せば光合成と言った具合だ……。


 芳香と寄生は生長が足りないためまだ使えない。


 他のスキルはどうかと言うと……。


 真理は鑑定の上位互換、取りあえず使ってはいるが、周りを認識できない状況では自分を見るだけになっている。


 言語互換は先の戦闘で分かる通り、生物の言葉が分かる……、と言うか、虫にも言語が有ったんだな……。


 成長促進は、常時発動型のパッシブスキルの筈……、熟練度も鰻登り……なのか? 


 共感覚はテレパシーとでも言えばいいのかな……熟練度が上がれば眷族との感覚同調なんか出来るようになるだろう……。


 亜空間スキルも収納の上位互換として取ったが、移動も出来ない荷物も何もない状況では手持ち無沙汰……。


 検索スキルを行使してもマナが足りない所為か、敵の位置もつかめない。


 ――と言った具合だ……と脳内説明。


 ――それにしても、何だかなぁ~。


 ――異世界チート出来ると思ったんだけど……。 


 ――もう少し理科勉強して置くんだったな……。


 ――植物図鑑とか欲しいわ!


 ピロピロリ~ン!


 脳内に音が響く。


 ――何があった?………………こっ、これは!


 脳内に広がる、植物の知識……。


 ――もしかして、植物図鑑を検索したのか……?


 ――チートじゃん、これ……。


 ――………………。


 一拍間を置き、喜びの声を上げる。


 ――チートッ!キタ――(゜∀゜)――!!


 ――脳内図書館てやつだ……、でも検索?…………あっ!サーチエンジン!って事か。


 ――取りあえず、トレントの生態でも調べるか……。


 ――検索、検索!っと……。



 トレント(エント):木に似た巨人のような姿をした種族



 ――………………。


 ――それだけかよ!生態とか書いてないのか!……んっ!



 考察:個々により生態が異なる為、記述不可!



 ――何だよ!何も分からないって事かよっ!


 ――はぁ~……。


 ――取りあえずは好きにしろって事だけが分かったような……。 


 ――また、生長を繰り返し力を貯める事が目標か……その間、武装……ハエトリグサにでも成長して行くか……。


 そうして俺は生長の課程で、葉を二枚貝の様に形成……。


 葉の表面には粘液、葉の(ふち)には、まつ毛の様な棘状の触覚器を作りその時を待つ!


 吸収→光合成→マナ蓄積→成長→を繰り返し、どれくらい待ったのだろう……。


 1日、2日、3日……。


 葉は4枚になっている。


 成長補正も効き、生長効率も上がっているのが分かる。


 ――成長補正に熟練度が有るのかもな……。


 ――………………。 


 ――………………。 


 ――………………。 


 ――………………。 


 ――………………。 


 ――………………。 


 ――………………。 


 ――………………。 


 ――………………。 


 ――………………。 


 ――………………。 


 ――………………。 


 ――来たっ!奴が来たっ!


 俺は気合を入れ直す!


 ジジジ……ジジジ……。


 相変わらず、不快な音を立て、やって来る。


 ジジジ……ジジジ……。(しょくじ、しょくじ、きょ~うの、しょくじは、何だろなっ!) 


 ジジジ……ジジジ……。(はっけ~ん!変わった形?げてもの?おいしいかも~)

 

 そして奴はにじり寄って来る……。


 間合いを詰め、そして俺に飛び乗る……。


 まだだ!まだ早い!


 ジジジ……ジジジ……。(う~~~ん!いい匂い!これはほりだしものの、よ、か、んっ!) 


 そして俺は期をうかがう……。


 ジジジ……ジジジ……。(いっただきま~~~す!)


 今だ!


 パックンッチョ!


 俺は二枚貝状に開いていた葉を一気に閉じ、奴の拘束を狙う……。


 ジジジジジジジジジ……。(ギャ~~~~~!たすけて~~~!たべられた~~~!)


 奴の抵抗は凄まじく!俺の()は悲鳴を上げ、何度も俺の拘束が解かれそうになる。 


 その度に、粘液を纏わりつかせ、更なる拘束で押さえつけるが……。 


 俺と奴の攻防は一進一退……。


 奴が身をよじる……。

 

 俺は粘液を出す……。


 一体どれくらいの時間そうしていたのか……。


 ついに奴は動かなくなった……。


 ――はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ!やった!俺は勝った!やった~~~!エイドリア~~~~ン!エイドリア~~~~ン!


 「呼んだ?」


 女神クルトが反応して来た。


 ――勝ったんだ、天敵に!


 「やったわね、流石ダーリン!」

 

 ――ここで熱い抱擁と行きたい所だけど……。まだ先は長そうだ!


 「でも第一歩を踏み出した事には変わりないわ。」

 

 ――ハニーの顕現、目指して頑張るよ。


 「私もダーリンに早く会いたいわ、でもこれだけは言わせて……。無茶しないでダーリン!」


 ――ゴメンそれは約束できない……。 


 「なっ、何でよ!」


 ――愛しのハニーが待ってるんだ。多少の無茶はするさ……。


 「ダ、ダ~~リ~~ン!」


 クルト様から甘い声が聞こえて来る……。


 ――ハニ~~~~!

 

 俺もそれに答える……。


 そうしてバカップル的な会話が続いて行く……。




 今回の戦闘の反省


 あまり大きな個体との戦闘は、()が持たない、今回は結構ギリギリな戦闘になった……。


 だが俺も相手を選ぶことは出来ない……。


 つまりなるようにしかならないと言う事だ……。


 そして新たな武装として思い当たる事も有った………………、毒!


 植物には恐ろしく特効な毒を持つ者もいる……。


 その毒を生成できないかと考えている。


 それこそ、ジャイアントキリングを起こせるような毒だ……。


 目指すは某RPGの臭い息で瀕死に追い込む食人植物!


 んな訳無い!


 が……、多分生物に対し毒は有効だ! 


 多少なりとも持っておいて損は無いだろう……。


 そして今回の戦闘でスキルを覚えていた……。


 ――真理(しんり)


   


 種族:精霊種トレント族


 状態:若葉


 名前:大門文人(だいもんふみと) 


 性別:男 


 属性:樹


 スキル:真理 言語互換 共感覚 亜空間 検索 成長促進 魔力感知 気配遮断 偽装


 ユニーク:吸収 寄生 触手 芳香 光合成 粘液 


 祝福:クルトの寵愛 


 称号:女神クルトの伴侶 


 

 覚えたのはスキルでは魔力感知、気配遮断、偽装、ユニークスキル(種族特有スキル)は粘液を新たに獲得した。


 魔力感知はその名の通り、生物の魔力を感知し周りの状況を把握すると言うもの。


 気配遮断は攻撃する気配を極力抑えた結果付いたようで、そのまま気配その者を遮断できる。


 偽装は気配遮断同様武装を葉っぱに見立てていた事でついた、と言うか葉っぱなのだが……。気配遮断とのセットで効果を発揮できそうだ。


 そしてユニークスキルなのだが……。


 体内の樹液とでもいうのか、分泌物とでもいうのか分からないが、粘液スキルを覚えた。


 粘液、これで先程考えていた毒の生成が出来ればと思っている。


 そして、2cm程の芋虫の死骸しがい……まだトラップ内に残っている。


 もしかしてとは思うが……、色々と吸収できればとも思う!


 出来れば視覚、聴覚、嗅覚、口、が欲しい……。


 味覚に関しては、ちょっと迷っている。


 それにスキルも吸収できないかな~……。 


 ――でも所詮芋虫なんだよな~……。


 ――されど芋虫!最強の天敵!


 ――良い戦いだった!安らかに眠れ!


 そうして俺は最強の天敵をほふり、この世界アールエフの食物連鎖の階段を一歩上ることが出来た。


 大門文人だいもんふみとは、まだ見ぬ強敵を見据え、日々精進して行くのであった……。








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