1章前編
プロローグ
ねぇねぇ クロスゲートって知ってる?
いつもの夕暮れの教室でクラスメートが2.3人で話に花を咲かせている。
そんなボクもちょっと離れた席で課題の居残りのプリントをやりながら
聞き耳立てながらもワクワク聞いている。
もし話しかけられたらうまく話せるだろうかとこそこそ様子を伺っている。
2021年 春 中1になって ボク双葉奏は友達がはっきりいっていなかった・・・・。
話題に出てるクロスゲート 去年 中3の姉と一緒に始めたゲームだ。
初めはコミュ症なボクを気遣って姉が誘ってくれたMMOファンタジーゲーム。
まだまだ4ヶ月しかたってないがゲームシステムも少しずつ覚えてきていた。
今では姉とペアで同レベルのダンジョンはこなせるようになっていた。
「最近流行ってんだって やってるやついるかな」
「つかソシャゲでよくね?PCでやって楽しいのかよ!」
ボクはすこしむっとしながら話を聞いていた
「フ・・・バカめ。あの面白さをしらないとは生きてる楽しみを捨ててるな。」
クロスゲートの面白さは さまざまな種族 職業が多数存在し
悪役プレイをしたりPKKをしたりなどの正義プレーをプレイヤー自身が選んで遊べることにある
でも そんなクロスゲートでも ぼくは姉以外とはあまり友達がいない・・・
おもしろいのはわかってる 今話してるやつらにも布教してあげたい・・・
でも面白さを伝えるコミュ力がボクにはたりなすぎる 圧倒的に・・・w
はっきりいって ボッチだ・・
「まぁ あとでDLしてみなよ。おもしろかったら一緒にやろうぜ。」
「ちょ 俺が生贄かよー!まぁやってみるわ」
と いいつつ クラスメートは話しながら下校をはじめた。
「また話にはいれなかった・・・ ボクって・・・」
奏は自分の性格がいやだった 別に嫌われてるわけではない。
そんなボクでも仲良くなろうと努力はしてるのだ。
まずはゲームでコミュ力をつけようとがんばってるような感じだ。。。
それがリアルに繋がるかは今のところ不明だが・・・
「はぁ かえろ・・」
「姉ちゃんにプリン買って来いっていわれてたわ だっる」
そそくさと帰りの準備をし 夕暮れの町をとぼとぼ歩くボク・・
「はぁ 友達ほしいわ・・・」
夕方17:30 とぼとぼ家に着くと姉ちゃんこと葵はリビングのソファーで寝転がりながらテレビで爆笑してた
「姉ちゃん部活しろよ・・・」声には出せないけどボクは心の声でそうつぶやいた
姉ちゃんには逆らえないのだ もちろん クロスゲートの中でも・・・
二人でMMOを始めたのはもう4ヶ月 はっきりいって姉ちゃんがいないとダメな子なのである。。
自分でもわかっているのだが・・・
「姉ちゃん 今日やる?新しい武器取りに行きたいんだけど」
「んー いいよー ダンジョンいってみよかー。
あんたもそろそろあたしいなくてもソロできるようになんなよねー!」
「いあ 姉ちゃんいないとガンガンやれねーしw侍なめんなよ!ヒールくれよw」
「おっけー んじゃ 先はいっといて」
「で プリンは?」
「はいはい。んじゃ頼んだからね!」
でも この姉ちゃんは頼りになる ボクの事を心配してくれてるのだ
バタン・・ リビングを出た僕は部屋に戻りPCを起動させる。
カチカチカチッ IDとパスを打ち込みボクの愛キャラの姿が見える
『カナデ』LV45 女 日本風の鎧をまとったおさげの黒髪美少女
侍といえば男のイメージだろうが ボクは女キャラしか愛せない
ヘンタイではない やっぱ中身が男だと女キャラをやってみたいって気持ちだれでもあるよね?
自分に言い聞かせながらログイン開始
INしたのは 姉とホームタウンにしてるリンドという町だ
中級クラスの溜り場といった感じだろうか
「姉ちゃんが来るまでの間 装備修理とアイテム買い揃えないとな」
いつもの行き着けの鍛冶屋のおっちゃんにカンカンと刀を直して貰い100イェン払う
50イェンで食堂で定食食べれるくらいの値段だ。
はっきりいってこのゲームの相場はおかしい
ザコMOB狩って2イェンとかいうアホらしい相場なのだ
上等な武器を買うのに50000イェンという結構な値段をする
まぁ スーパーユーザーは課金アイテムを買うという展開になるわけだが
中学生のぼくにはコツコツMOB狩りやレイド参加をがんばるしかない!
「姉ちゃん来るまでもう少しか」
今日はどこにいくんだろ あいつガチ強いとこ好きだからなー
と姉のワンパクぷりにいつもヒヤヒヤさせられる
「うぉりゃあああああああーーーーーー」
いきなり頭が揺れた
「ハッ? なに? なんでフランスパン的なの頭にぶつけられた?」
ジロっと後ろを見ると あいつだった・・
そう 姉だ・・ このクソヒーラー 『アオ』LV48 金髪の長髪エルフでなかなかの美形だ
いつもこんな感じで弄ばれている なんて凶悪なやつなんだ・・・
「さって カナデ いくかぁぁ 来週テストだからあんま遅くなんなよ」
この姉こんなこといってるくせに いつも延長させられるのはボクのほうである おそるべし
でも このキャラデザはリアルと違っておしとやかそうで好きだ
だけどまったくリアル正反対のキャラデザなのがすごい腹ただしい
「んー 今日は 嘆きの塔でもいってみよっかー あそこであんたのほしい武器ドロするっしょ」
嘆きの塔は全15階層で5階層までが30台 8階層までが40台 10階層 50台 15までが70台という
中級層には人気の狩場なのだ。
ボクの目当ての新月刀は8階層のPTMOBのリーダー格がレアドロする
「まぁ 8Fくらいならペアでも余裕っすわ」
姉の買い物も住み フィールドからダンジョンまで転送させてくれるNPCまで移動
さぁ 冒険のはじまりだ
この嘆きの塔には3Fごとにミニレイドがいて 1PTくらいの人数がいれば適性なら倒せるようなのが
ちらほらいる まぁ ペアでやろうとは思わないけど!
一回姉に付き合わされてえらい目にあったのは思い出したくない・・・
あいつ 後ろでヒールするだけなんだもの!
ミニレイドには結構なレア素材や防具 武器などを落とすためREPOPの待ちが結構おおかった
いつもはボクらは素通りでザコMOBをコツコツがんばってるわけだが
嘆きの塔にはエレベーター的NPCがレベルごとの階層に運んでくれる。
レベル上げをかねて7Fを選択した 7FMOBはガイコツの大量ゾーン
アオに聖属性の攻撃バフと闇耐性の防御バフをかけてもらい戦闘開始だ
3匹引いてまとめ狩り アオがヒールヘイトを取らない程度にボクがヘイト維持って感じでもう慣れっこだ
「カナデ もうちょいひいてもおっけーよー!」
なんかやな予感した・・・
調子のってると絶対あっぷあっぷするアオなのだ
あっちこっちいってリンクさせてしまうのもアオの特技だ
30分くらいやっただろうか ここのガイコツは数は多いのだが思ったより痛くないのが救いだ
アオが無茶してもなんとかなるくらいだし・・
「ガイコツ飽きたしそろそろ本題いきますかっ」
その時だ
ガタガタガタ
大量のガイコツがこっちにめがけて突進してくる
「はっああああああああああ?なんなのよこれ ちょっとカナデ タゲとってーーー」
アオイもなにがなにやらわけわからない状態だった。
大勢のプレイヤーが7Fを走っている。
アオとカナデ目掛けて
そう MPKだった いや MPKに見えたが引いてる人も逃げ回ってる
「ちょっと!あんたらなにしてんの!バカ!?」
「すいませぇぇん・・・」レベルを見たら30台だった こんな階層にくるのは無謀なレベルだ。
「もう しょうがないわね こっちきなさい 一緒に処理しましょ」
「ほんとに申し訳ないです。」
アオがしょーがないとおもうのは無理はない。過去同じことをやらかしてるからだ!
ガイコツは15匹くらいはいただろうか ソーサラーと槍使いヒーラーのトリオだった
槍使いが範囲ヘイトを稼いでソーサラーがまとめ狩りする作戦だったのだろう
槍使いがHPの減りがきつすぎて耐えれなかったとボクは推測していた
なんとかアオと逃げ惑っていたヒーラーと回復専念して処理を終えた
「もう気をつけなさいよね!あたしらは8FのPTMOBいくけどキミたちはどうする?」
「こここわいっ もう下に戻ろうと思います 迷惑かけてすみませんでした。」
「そっか まぁ また何かあったらフレ申請しとくから遊ぼうか」
アオの悪い癖なのかいい癖なのか 羨ましい性格だ 誰とでも仲良くなれる
だれにでもフレ申請してしまうのだ まぁ ボクはコミュ症なのでできないが
でも これが悪い方向に向かうことになるとは今のボクらには・・・
「んじゃ またねんー」
8F階段をすぎて3つ目の部屋 ここはゴブリンのMOBゾーンだった
目当てはジェネラルゴブリンリーダー ゴブリンPTのPTボス存在だった
ずっとほしかった新武器 新月刀はこいつのレアドロップだ
取り巻きが3体いてなかなかに硬い 攻撃が重い
ボクの防御でギリ倒せるかってレベルだ
それでもアオは必死にヒールをくれる
手伝ってくれるアオには明日はピノを買ってきてあげよう
ザコを端っこにまとめて リーダーは足止め魔法でアオが食い止めてくれてる
回復剤を少しのみながら結構なHP減少はあったものの何とか3体撃破
残りはジェネラルリーダーだ
こいつの一撃はHPを三割くらい一気に削る必殺スキルがある
うまいこと避けないと死んでしまう可能性もある危険な相手だ
あと 斧に毒が塗ってあるのもなかなか鬼畜な仕様だ
この毒のデバフが持続的にちょこちょこHPを痛めつける
やっかいだ でも アオのためにもがんばるしかない
ボクが死んだらアオも死ぬからだ
ちょっとかすっただけでも毒のめまいがする
もうやばいかな・・ こんなので死んじゃうのかな・・
そのときだった
ゴブリンジェネラルが半分にきり裂かれた
???
ん なにが?え?
カナデはわけがわからなかった
もう死んでいてもおかしくなかったんだ
周りをみると 薄らいでく目の中でピカピカの短剣をもった人影がみえた
「よっ おまえこんなとこでなにやってんの?」
短剣使いの何事もなかったような一言にボクはなんていっていいかわからなかった
ありがとう? たすかったの? なんでここにいたんだろう?
いろいろな考えが頭の中でぐるぐる回って整理がつかなかった
アオが 泣きそうな顔でこっちを見ている
「カナデ・・・よかったあぁあああ ありがとうございます 命の恩人です」
「よかったなぁ おまえ40台だろ ここきつくね?なにかほしくてここきたの?」
短剣使いは言った
「新月刀が・・・」
ボクは生きてたことの喜びとアオを悲しませなかったことにほっとしてた
短剣使いの言葉もあまり聞こえなかった気がする
「ああ あの刀か ココのレアドロだっけ?
さっきのジェネラルはもってなかったみたいだけど」
もう一人知らない声が聞こえた
「それにしても こんなとこまでペアとか結構ムチャするわねー」
とても透き通った綺麗な声だった
「私たちでよかったら護衛しようか?もっと上いけばいい武器でるしね」
アオは「ほんとですか?!助かります!」と乗り気だった。
カナデはちょっと悩んだ
「こんなことあっていいのかな・・・ はじめてあったやつにそこまでするか?
ボクならしない。」
声にはださなかったが 助けてもらったことは事実なんだ。
信用してもいいのかもな。
「あたし アオです。ヒーラーやってます!こっちは弟のカナデです。迷惑にならなかったら
一緒にいっていいですか?」
アオはノリノリである。
「おっけーおっけー!俺はシグマ トレジャーハンターだ。こっちはグレイス うちのギルドの参謀
って感じかな。 低レベル素材集めながら15Fのミニレイドいるかみにきた途中に
あんたらに会ったってわけさ。そんじゃま 最上階15Fも見学してみっか?俺らいるとすぐだしさ」
「グレイスよ よろしくね。お嬢さんたち上はまだ未経験?」
「ええ 初めてです わからない事あるかもですがこちらこそお願いします。」
「はい わかったわ 任せてちょうだい。」
グレイスさんは微笑みながらいった。
「もしよかったらフレ登録いいですか?」
またか・・・
カナデは呆れていた。こいつは不信感というものがないのだろうか・・・
まぁそんなアオには慣れてるのであまりきにもならなかった
グレイス シグマを迎えた4人PTは15F探索をしながら各Fのミニレイドにも挑戦することになった
さすがに15Fレベル 83 80レベルらしい
9 12のミニレイドボスはさくさく倒してあまり仕事もなかった ボクらもレベルが1くらいは上がっていたと思う
15Fの階段を登る途中扉があった ギッシリとした扉が・・・
「おっ いるいる あれが15Fのミニレイド アシャリンだぜえ 狩られてなくてよかったわー」
アオは言った
「二人で倒せるミニレイドなんですか?すごい強そうですけど・・・」
「あとから6人くるよ 俺らは偵察ってわけ PTハイドスキルあるしね」
「なーんだ そっか んじゃしばらく待機なんですね」
シグマがニヤっとわらった。。
「ねー この部屋の秘密知ってる?」
?????
「この部屋さ 帰還呪文もスクロールも使えないんだわ アシャリン倒せないとこっから出るの無理なわけ!アシャリンで死んでもここ!もう出れないの!」
アオとカナデの声がでなかった・・・ 青ざめていた 何がなんだかわからない そんな顔
騙された もうずっとここ?マジで?え・・え・・? カナデはどうしていいかわからない
グレイスが言った
「ねー あんたらさ 結構かわいいしうちのギルドで飼ってあげてもいいよー?でもわかってるよね?
アシャリン倒さないとここでれないよねー?ねーどーする?どーすればいいとおもう?」
アオは泣きそうな顔でグレイスを見つめるだけだった
「や・・・やだよ・・・ そんなの・・・」
「やだっていっても出れないじゃんwwwもうあんた達だけじゃここから一生でれないの!ログアウトしてもここ 死んでもここ!バカじゃないの!考えなさい!じゃぁちょっと条件だしたげる」
グレイスは大笑いして言った
「あんた達の毎日の稼ぎ ギルド資金で徴収しまーす 逃げようとしてもだーめっ あんたからフレ登録してきたんじゃん。逃げられないよっ!」
「ほら ギルド申請したげるよ これでお仲間だね」
ギルド『blackprison』から申請が来ました システムログが残酷に通知される
アオはYESを押すか迷った 顔はもう涙が浮かんでいた
「断ってもいいよー?いつまでも倒せないミニレイドと遊んでれば?」
カナデが「アオ・・ もう無理だよ・・ あきらめよ?」と悲痛の声でアオに声をかけた
シグマとグレイスは大笑いしていた
「このクズが!」 精一杯いえたカナデの言葉だった
「ここフィールドなのわすれてた?何回でも殺してあげようか?」と短剣使いのシグマが
アオとカナデの服を切り刻む 顔 腕から血が滴り落ちる
ガチャガチャガチャ
「おーい フェイーはやくこいよー」 「まてって」 「シズネいたらやるっす!」
なにか声がする 3人? 「クーさんおくれてるよw」「はいはい」
扉の向こうだ
ギィィィィィィィィ
グレイスとシグマはすばやくPTハイドして様子を見る
「ここPOPおせーんだよなー わいてるかなー」
「朝フェイとやったじゃんかぁwそろそろでしょw」
「でたw 廃人コンビw」
あいつらか・・・・ グレイスとシグマはコソコソと端で様子みながら話している
アオとカナデは 5人を見て涙を浮かべたが 近くのグレイスが怖くて何もしゃべれない
「あっれー 人いるねwかわいこちゃん達レイドやるの~?」
「い・・いえ・・・ 道にまよって・・・」
シグマとグレイスはハイドしながらも短剣をアオに近づけている。
「余計なことをいうんじゃねーぞクソガキが」といわんばかりに。
「あ あの レイドやるんですか?もしよかったら見学してもいいですか?はじめて見るレイドなので」
「いいよー おねーさん達つおいからね!とくとごらんあれ!」
「このボスねー シズネに頼まれて狩にきたの そこのぼーっとしてるソーサラーねw」
「ルイーネさんひどいですぅー ぼーっとはしてません!超知性的ですよっ!」
「あはは ごめんごめんあたしはルイーネ 一応このギルドのサブマスでーす よろしくぅ」
小声でグレイスが言う
「ねぇ お譲ちゃん あいつらのレイド中をあたしらが襲う もちろん2割まで削らせてからねっ!そうなったらレイドPTを一人ずつ殺す あんたら あたしら手伝うのと殺されるのどっちがいいかわかってるよね?」
アオは悩んだ もうどうしていいかわからない・・
んじゃ やりますかー
ルイーネの一言でみんな戦闘準備がはじまった
「ららさんバフちょうだい シズネは遠距離でザコ燃やしてやんな! ザコおわったら本体に魔法ぶっち込んでー!のーきんだからってタゲとり過ぎないようにね!フェイ大変になっちゃうからー フェイはギルマスらしくかっこよくタゲ維持しなさいなぁ クーさんはもう適当に!ヒールはわたしにまかして!」
「ヘイヘイ」冷静なギルマスフェイ 「はーいルイーネさんバフどぞん。」バフ管理完璧なららさん 「シズネのーきんじゃない!!」アホキャラのシズネ 「大丈夫みんなは死なないわ 私が守るもの。」とクーさん どっかできいたセリフだ。
なかなかのイイチームワークのようだ。倒してすぐ逃げれるかも・・?
淡い期待がアオとカナデによぎった。




