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窓からの来訪者

作者: 菜の花
掲載日:2026/03/19


鳴り響くインターホンの音

扉は勝手に開かない

鍵はきっちりと締めたまま

僕があの冷たいノブに手を掛けるまで

誰も入ってこれやしない


僕は頭のてっぺんまで

真っ白の布団を被って

耳を澄ました


遠のいていく足音を期待しながら

扉を強く叩く音も求めている

矛盾した心に知らないふりをして

ぎゅっと目を瞑った


お願い

僕はもう放っておいて


誰か

僕を此処から連れ出して


無理やり鍵をこじ開けて

満面の笑みを浮かべる君は

これから先やってこないだろうから

僕はもう扉の鍵を

掛ける必要なんてないのに


布団から少しだけ顔を覗かせた

半透明のカーテンから

眩しい光が差す

玄関扉から入ってこれなくても

こうやって侵入してくる明かり


閉じこもった僕の手を引くように

光は布団の隙間をくぐり抜けて

冷たい皮膚を照らした

春のような柔らかな温もりを

この手につかまえた


扉はまだ閉ざされたまま

鍵もきっちり締められたまま

けれど僕は

昨日よりほんの少し大きく目を開けて

窓からの来訪者を

ぎゅっと胸の中に抱きしめた

ご覧いただきありがとうございました。


カーテン越しの光。


誰かに届きますように。

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