君を愛する気はない! まぁ素敵!私やりたいことがありますの
読んでいただきありがとうございます。
よくあるセリフへ、ヒロインが傷つくことなく自分がやったことは自分に返ってくるよに書きたくて書いてみました。
「結婚してそうそうにすまないが、私はこの先、君を愛する気はない。。。。。」
私の旦那様になるラジク様は、私が夫婦の寝室に入るなり勢いよく振り返り、大きな声でそう宣言し、
なぜか表情が驚いた顔のまま硬まった。
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私は、侯爵家の9人兄妹の4女に産まれ、今年18歳になるが婚約者も居ない、もうすぐ貴族学院を卒業するそんな末娘の私には、元々ちゃんとした嫁ぎ先が回ってくるなんて思っていなかったから、自分の好きな事で生きて行こうと決めいた。
幸いにも我が侯爵家は裕福で、兄妹がいっぱいいても、ちゃんと兄妹同じ様に教育もしてもらったし、好きな魔道具作りにも手を貸して貰えた。
だからほっておいてくれて大丈夫だったのに、父はなんだか頑張って嫁入り先を決めてきた。
これで私の夢を断念しなければならないのか。。。。と落胆したが、まだ人生は長い。
落ち着いてからチャレンジしても遅くない、貴族の務め!果たしてやろうじゃないのよ!と結婚することにした。
父の決めてきた嫁ぎ先はなんと公爵家、顔合わせもしないまま、結婚話はどんどん話は進み、婚約期間は残りの学生生活2ヵ月のみ、婚約者のラジク・トマス次期公爵様と初めてちゃんと顔を合わせたのは結婚式当日だった。
がっしりした体格、金髪のくせ毛をきれいに短髪にしていて、透き通るような青い瞳、なかなかの美丈夫だが私のタイプではない。
夫となるラジク様は、結婚式の間も私を見る事がなく、なんだか感じの悪い人だった。
そんなこんなで、冒頭に戻る。
「結婚してそうそうにすまないが、私はこの先君を愛する気はない。。。。。」
なぜか、表情が硬まったままのラジク様に私は、感じが悪いなんて思ったことを心の中で謝り、キラキラの笑顔で答える。
「嬉しいです~。私やりたいことがありまして! ラジク様には他に思われる方がいるのですか?」
「あぁ。。。」
「でわでわ♪ その方との思いが成就できる様にいたしませんとね!そうなると白い結婚がいいですね。
3年白い結婚を継続すれば、この結婚そのものを白紙にできますわよね。
もちろん!
その3年間はわたくし、ちゃんと公爵夫人としての務めは行いますから、空いた時間を私の好きな様に過ごさせていただいていいですか? ちゃんとちゃんと家令に確認をしながら、ラジク様の邪魔にならないようにしますから」
私はパチンと両手を合わせた。
「早速!お互い同意であることの確認のため、直ちに契約書を作成しますね。あと家令や侍女長には、白い結婚であることをお話しして、協力していただいた方が私も過ごしやすいですから、今すぐお呼びしてもいいですかね~」
「いや。おい。ちょっと オーレリアま。。。!」
ラジク様の声は私がドアを大きく開く音にかき消された。
廊下には、突然に開いた扉の音に驚いた、お目当ての家令と侍女長が立っていた。
「あら♪ ちょうどよかった 今、呼びに行こうと思っていた所なの、私とラジク様は、ラジク様の強~い希望で♪
白い結婚で3年後には結婚が白紙とする事に決まりました~。
これからわたくし、契約書を作りますので、こんな時間に申し訳ないのですが、使っていいお部屋に案内をお願いできるかしら。
あと寝室はもちろんラジク様の邪魔にならない様、別にしますので、私が暮らしていい部屋、もしくは別棟の使用をお願いできるとありがたいのだけれど」
「オーレリア!」
「まあラジク様!まだ起きてたんですか? 今日はお疲れでしょ、顔が赤いですよ!熱が出ては大変!早くお休みくださいませ」
私は、なんだかもごもご言っている、ラジク様を部屋に戻し、扉を閉めた。
「では参りましょう。 家令の、お名前はディランでよかったかしら?」
私はにっこり微笑んだ。
私には夢がある。
あの日 出会った、グリフィン様にまた会いたい。できたら私もグリフィンをゲットしてお友達になり、乗せてもらいたい!
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10歳の私は、領地での夏季休暇を終えて馬車で王都の邸宅に戻るところだった。馬車の中でうとうとしていると、突然の揺れに眼が覚めた。
「ララどうしたの?」
侍女のララが慌てて私を抱きしめる。
「お嬢様、このまま動かずに」
窓の外を見ると護衛の騎士とワーグウルフ数匹が対峙していた。
私は初めて見るワーグウルフの美しさやら恐怖やらで、戦いから眼を離せずにいた。
「キュルル。 キュルー」
鳥のような鳴き声と共に一頭のグリフィンが舞い降り、ワーグウルフを追い払った。
グリフィンの羽先は天色に青く輝き、シルバーの羽と体が青さをさらに引き立てていた。
「きれい。。。。」
思わず状況を忘れつぶやいた。
よく見るとグリフィンの背中には、グリフィンと同じきれいなシルバーの髪を後ろでひとつにまとめ、髪とは対照的で、吸い込まれそうな黒い瞳の少年が乗っていた。
「はあ。。。。きれい。。。。」
少年は騎士と何か話すと、手を挙げた。
「ま!待って下さい」
慌てて馬車を降りようとララを振り払い、扉を開けた。
グリフィンと少年はもう空の高いところにいて、叫ぶ私に手を振り、去って行ってしまった。
私はグリフィンに一瞬で心を奪われた。
「はぁ。 私も欲しい」
その日からグリフィンをゲットするため、猛勉強した。グリフィンの事はもとより、文句を言われないように勉強もダンスもマナーも完璧に。
グリフィンと共に暮らすためのお家を購入するため、以前から興味のあった魔道具の作成と研究、できのいいものはお父様の力を借りて売り出し。
自己資産もためた。
ただ。お父様はグリフィンを見つけに行く事だけは、許してくれなかった。
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結婚して2日目、ラジク様と私は、ディランに立ち会ってもらい契約書の内容を確認した。
3年後には貴族院に、白い結婚を認めてもらい結婚を白紙にする事。
後継者を産む以外の公爵夫人の務めを果たす事。
お互いの生活には干渉しない事などを盛り込んだ契約書に、ラジク様は、想い人であるベラ・カーク子爵令嬢に、接触しない事。
3年間は、カーク子爵令嬢との間には子供設けない事を追加した。
(お二人の幸せを祈っていますのに、邪魔なんかしませんあわ、ベラ様は、ラジク様に愛されていますわね)
私は、精力的に公爵家の仕事と、魔道具販売を行い、数ヵ月で軌道に乗せ、週に2日のグリフィン捜索の時間を手に入れた。
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ラジク視点
ベラは、父の仕事の取引先の娘で、私より5歳年下、小さなころは会うたびに私の後についてきて、兄妹のいない私は、妹の様にかわいがっていた。
何時のころからか男女の関係になったが、子爵家の娘では父に受け入れてもらえず数年が立ち、俺は子沢山なデイビス侯爵家の末娘をお飾りの妻に迎え、数年後に離縁し、ベラを後妻に迎える計画を立てた。
ベラはお飾りの妻にも嫉妬するため、顔合わせもろくにしないまま結婚式を迎えた、どうせ数年先に離婚する妻だ、情を持たれて離婚したくないと言われても面倒だ。
初夜に関係性をはっきりさせるため(結婚してそうそうにすまないが、私はこの先、君を愛する気はない!)と宣言し振り返った。
初めてオーレリアをちゃんと見た俺は衝撃を受けた。
明るいオレンジ色のふわふわした髪に、新緑の様なグリーンの瞳。ローゼンセマムの様に愛らしい唇。
小柄でいてメリハリのあるスタイル!
むちゃくちゃタイプ!
直ぐに発言を修正しようとしたが、満面の笑みでオーレリアに押し切られ初夜は何もなく終わった。
次の日、意気揚々と綿密な契約書を提示するオーレリアに、昨日の言葉を撤回できず。
嫉妬深いベラからオーレリアを守るため、ベラ・カーク子爵令嬢に、接触しない事と、間違ってベラとの間に子供ができない様に、3年間はカーク子爵令嬢との間には子供設けない事を契約書に追加した。
計画は、父上の知るところとなり、直ぐに廃嫡されそうになるったが、オーレリアに好意があり、この3年でちゃんと夫婦となるとを誓いチャンスを貰った。
真の夫になるため、オーレリアに接触を試みるが、邸宅で見かけてもオレンジ色のウサギが跳ねる様に、声をかける間もなく居なくなる。
使用人たちは予定も教えてくれない。
オーレリアの住まいは、敷地内の離れになり、俺は入れても貰えない。
なんとしてもオーレリアを振り向かせないと。
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「なかなか見つからないわね~」
私は、自由時間をゲットしてから私は、移動や防御、攻撃の魔道具を背負い、あちこちの森をグリフィン探しに費やしている。
今日は、あの森に行ってみよう。
最初に私が襲われたあの街道近くの森へ。
「きゃあぁぁぁ~」
私は森に到着するなり、またもワーグウルフに襲われていた。
慌てて防御結界の魔道具を作動させ、固いカプセルのような結界の中で、ワーグウルフと睨み合っている。
(もぉー。私のバカバカ! 炎を噴射できる魔道具も持ってたのに、私がシミュレーションしてたのと、全然違う!慌てて作動できたのは結界だけ、結界越しには攻撃もできないし!)
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睨み合う事 一時間。
私とワーグウルフの間に風を切り、あの時のグリフィン様が舞い降りた。
「ギュルル~」
大きな鳴き声と前足を持ち上げ、グロブリン様がワーグウルフを威嚇すると
ワーグウルフは尾尻を巻いて逃げていく。
「きゃあ♪ ついに会えた、グリフィン様」
あまりの喜びに、結界に勢いよくぶつかり尻もちを着いた。
「大丈夫?」
結界を解くと大きな手が差し出された。
見上げると、シルバーのきらめく長い髪を後ろでひとつに結い、漆黒の瞳の美丈夫が私を見つめていた。
「ありがとうございます」
私は彼の手を取り立ち上がる。
「あなたの瞳よく見ると中心は深い青色なんですね。きれい」
彼は急に手を離し。慌てたようにそっぽを向いた。
「こんなところにご令嬢が一人で何をしているんだい?」
少し低めの声で、耳を赤くしている。
(怒ってるのかしら?)
「助けていただきありがとうございます、重ねて10年前にも助けていただきました、その際はちゃんとお礼もできなくてすみません」
「この森は、ライアンの生まれ故郷なんだ、だから時々訪れる」
「まあ♪ ラ ライアン様というんですか?あの時、一目で恋に落ちましたの」
「私は、ライアンでは。。。。」
彼の後ろにいる、ライアン様の眼を見つめて話しかける。
「素敵な天色ですね。触れてもいいですか?」
ライアン様は「きゅ~」とかわいらしく鳴き、羽を広げた。
(きゃあああ。OKですの?)
私はライアン様の羽と体の間に潜り込みふさふさの毛を撫でさせてもらった。
(しあわせ~)
「お顔にも触れさせていただいていいですか?」
ライアン様が私の顔にすりすりと頭を擦り付ける。
「他の人間になつくなんて。。。。」
私はその言葉で我に返った。
「は! すみません私としたことが、嬉しさに我を忘れました。わたくしトマス公爵家のオーレリアと申します」
「私はアレン・カークだ、アレンでいい」
「まあ。カーク侯爵家のご子息様でしたか、わたくしもともとはデイビス侯爵家 の末娘です。アレン様は、オリバー兄さまと同じ学年ですよね、あの日助けていただいた少年がこんなに近くにいたなんて」
「ああ。オリバーの妹君か、今はトマス公爵に嫁いだのか?私は社交に疎くて済まない」
「でも白い結婚ですの♪
社交に疎いのは私もですは、命の恩人のアレン様、あと2年後には白紙になる予定ですが
それまではご内密にお願いします」
「それより、わたくし10年前のあの日に、ライアン様に一目惚れしましたの
それ以来、グリフィンと友達になりたくて、乗せていただきたくて、いっぱいいっぱい頑張りました」
「アレン様は、ライアン様とはどんな出会いで?」
それから私達は、グリフィンの話題で大いに盛り上がり、時間を忘れて語りつくした。
「もうこんな時間だ、ライアンで、邸まで送ろう」
「本当ですか!載せていただけるのですか?嬉しすぎます」
ライアン様をモフモフする。
✿ ✿ ✿
「わー。高い、気持ちいいですね♪」
「ライアンに他の人を乗せることが出来る日が来るとは思わなかった、小さなころから警戒心が強く、私がずっと面倒を見ていたからな」
初めての空とライアン様の背中を楽しんでいると、遠くにふらふらと飛ぶグリフィンの影が見えた。
「アレン様、あそこにいるのはグリフィンではないですか、なんだかふらふらしていませんか?」
「ケガでもしているのか?行ってみよう」
近づくと、羽先の色が私の髪と同じオレンジ色のライアン様よりひと回り小さなメスのグリフィンが、左の足から血を流し飛んでいた。
人気のない丘の上に降り、足の応急手当をする。
「送っている途中にすまないが、先にライアンの獣舎に行ってもいいだろうか?この子の処置を優先したい」
アレン様は優しくメスのグリフィンの頭を撫でる。
「もちろんですわ、急ぎましょう」
獣舎にたどり着き、適切な処置をすることが出来た。
メスのグリフィンはシエナと名付け、怪我が治るまでアレン様が面倒を見る事になった。
もちろん私も自由時間はすべてライアン様とシエナとの時間につぎ込み、幸せな時間を過ごした。
なんだかラジク様が時々私の周りをうろうろしていたが、かまっている暇なんてない。ディランとの仕事の割り振りも順調で、公爵夫人の仕事もうまく回せている。
季節はあっという間に流れ、3年目の結婚記念日を迎えた。
朝一番で契約の終了を確認し、トマスのお父様に婚姻の白紙が認められたことを確認していただき、私のトマス公爵家での暮らしは終了を迎えた。
なんだかラジク様が、考え直してくれと言い出したが、家令のディランにがっちり肩をつかまれ、連れていかれた。
見送りはお断りし、私は一人、門前までの広い庭園を歩いて出ていく。
「はー。なんだかすっきりした」
私は清々しい気持ちでトマス公爵家の門をくぐり、一度振り返る。
「いろいろお世話になりました」
「きゅる~」「きゅるー」
かわいらしい声に空を見上げると、ライアン様に乗ったアレン様と今日からは私の相棒となるシエナが翼を広げ滑空しながら降りてきた。
「シエナ~。自由になったよ♪これからは毎日一緒よ」
私はシエナにしがみ付き両手でわしわしと体を撫でた。
「キュル!」
ライアン様が私に頭をスリスリする。
「ライアン様も改めてよろしくお願いします」
2頭のグリフィンに挟まれてはしゃぐ私の前に、アレン様がすっと手を差し出した。
「オーレリア!」
ビックリするほどの大きな声に慌てて返事をする。
「はい!!」
「あの、あのだな、ライアンとシエナは番になる事になったようだ。。。。」
嬉しくてライアン様とシエナにぎゅっと抱きつく。
「わー。二人ともおめでとう!」
「だからだなその、オーレリア!」
「はい!!」
「私と結婚してください!」
「は!!」
かたまる私にアレン様が近づく。
「返事は?」
「はい!! 喜んで」
私はアレン様の手を取った。
(アレン様と暮らすなんて心臓が持ちそうにありません~)
ラジク様は、あの後すっぱり公爵に廃嫡され、平民となりました。
ベラも家族に縁を切られ、生きては出る事ができないと噂の修道院に送られました。
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