魚釣りの話 安全な場所で始めましょう。
「今日は「ぷいぷい」は、臨時休業っと。」LINEや、インスタにて休業のお知らせを伝えると、「さ、とりあえず歩いて見ましょうか。」みっちゃんは、笑顔で振り返ってきた。「みっちゃん、歯にネギついてるわ。」じんさんが、ズバリ指摘する。「やだ、早く言ってよ、もう。」「知らないわよ。今、見えたんだもん。」じんさんも、普段から女装をしてるわけじゃないからいつも通りではあるけど、やはり、メイクの違いか。精悍な顔立ちをさらにハッキリ際立てて、誠実そうに見える。服装も相まって、イケメン遣り手社長と言っても騙せると思う。「言い方。」たくやさんが感想に突っ込みをいれる。そういや、幽霊がいない。電車に乗る際、「ちょっと、俺、ついていけれんかも。」と、言っていた。なにか、制限でもあるんだろうか。
「さて、谷君の大学は、この街にあります。」「はぁ。」ネギをとったみっちゃんが仕切り直す。「ここに、イケメン4人衆がいます。」「へぇ。」自分で言うかな、それ。「ブラブラしてたらその大学生、捕まえられるんじゃない?」「ほぉ?」めっちゃずぼらな計画。「話しはさっき聞いたけどさぁ。そいつら捕まえて、どうすんのさ。」じんさんが質問する。「はい、いい質問ね。」4人で並んで歩きながら、繁華街へと向かう。「もしかしたら、ダメなお金を儲けてる奴がいるかもなのよ。」おや?キナ臭い話しだ。「え、初耳なんだけど。」たくやさんが聞く。「じつはね。」なんと、すでに複数人から相談されていたのだそう。まぁ商店街の顔みたいに振る舞ってるし。「男女合わせて4~5人だけど。けど、私達の町でその人数よ。他も考えたらもっといるんじゃないかしら。」まだ、身分を明かして話をすれば良い方だが、隠し撮りして何もなし。と、言うのも気持ちのいい話ではない。悪用されない保証はないのだ。「それに、インスタにしたってSNSにしたって、相手の許可があって成り立つものよ。相手がクズでも、自分達も間違った使い方したら同じ穴の狢だわ。」おお、正義感!「ほんとの事、おっしゃい。」「吐くなら今しかないよ。」「…焼き肉おごって貰った。」「それだけ?」「…あとビール。」「他は?」「ちょっと、まだ明るいうちは言えない♡」はぁーっと、じんさんたくやさんが深ぁいため息をついた。「ほんっと、こいつは!オネエの風上にも置けない!」「マジで、ちょっと引くわぁ。」ボロクソ。「い、いや、でも、相手の方が悪いんだって。」「何が同じ狢よ。あんたは、それにあやかって美味しい思いしたハイエナじゃない。」「ちゃんと頼まれた上での事じゃないのよ!いいじゃない!」「…呆れてものも言えん。」話が進まない。「みっちゃん、お金儲けって何?」とりあえず質問を投げると「あ、それなのよ。」とりあえず、二人も話しを聞く。「企画に協力してくれたら謝礼が出るって言うんだって。けど、大学の企画で謝礼なんて、せいぜい菓子折り程度じゃない。なのに、金一封出すって言うんだって。」「それって、現金って事よね。」「そう、しかも、協力する内容によって貰える金額が違うって言うのよ。」「はぁ?なにそれ。」「つまり、写真とプロフィールなら1万、当日、大学に来てくれたら2万。その上、打ち上げまで参加してくれたら5万だと。」「怪しすぎ~。」「まぁそうよね。」「けど、誰から聞いたの?それ。」「じつは頼んできたのが、“ピンクパンサー”のママなのよ。」「ああ。」「なるほどね。」ピンクパンサーは、今では珍しい“ストリップ劇場”だ。しかし、最近ではストリップも実入りが少ないので日中は漫才師や大道芸、学生の自主創作劇を披露する場として提供している。夜が深くなると、ストリップが始まるのだが、昔昔は“もろ丸出し”(コンビニ店長いわく)だったが今は最後の一枚がハラリと落ちる寸前に暗転し、見えない様になっているのだとか。入学して直ぐの時に、掃除中の「ぷいぷい」にみっちゃんがコンビニオーナー、オーナー夫人を連れて、自分を紹介してくれた。その時に商店街周辺の話になり、“ピンクパンサー”の話題になったのだ。みっちゃんもステージに上がった事があるらしい。「もう、妖艶で綺麗で凄かったんだから!」と、熱く語る夫人が印象的だった。
話を戻すと、その“ピンクパンサー”の支配人のママ(御歳80オーバー)から、相談を受けたのだ。劇をするのに貸した大学生が、若いスタッフに声をかけている。しかも、知らないうちに写真も撮られているようだ、と。とはいえ、ストリップ劇場のホームページ(若いスタッフが管理する)には、芸名に写真、スリーサイズなどが載る。何がいけないのか。やはり、プライベートな写真だからだ。彼、彼女達もある種、夢を売る仕事で、楽屋裏の姿や自宅近くのコンビニ袋を下げた姿など、あえて記憶に残る真似はして欲しくはない。女性にいたっては「俺の前でもやってくれよ。ストリップ。」と、見ず知らずの男が声をかけてきて怖い思いをしたのだそう。「顔、解るんすね。」つい、気になって聞くと「ステージの上からだと、案外よく見えるのよ。何度も来てくれてる常連客もいてるし、一見さんでも意外と記憶してたり。」アイドルの話とかでも、聞いたことない?前に来てくれましたよね?覚えてくれてたんですか?!きゃーってやつ。みっちゃんの一人芝居に「ああ。ありますね。」と、うなずく。
あの、面白く思って貰えてますかね?なにせ、昭和の名残が残る者でして。世俗について行けてない部分がありますので。そこら辺は、目を細めてごまかしごまかし、読んでやって下さいまし。




