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学生だけの特権 あぁ夏休み

初めての独り暮らし、初めてのバイト、初めての高校生活、そして初めての高校での夏休みを迎えた。とは言え、代わり映えは特段ない。本来なら学校に行ってる時間帯に、コンビニバイトと「ぷいぷい」のシフトが入っただけ。その上、ゆり子さんが夏の間は里に帰ってしまうので、ゆり子さんがしてくれていた食事準備や買い物も補わなければならない。ここあさんは買い物は出来るが料理は壊滅。(あの部屋の惨状を思い起こす。)正人さんは、独身男性の宿命か。残業が続くらしい。夏休みに入る前、駐輪場で弁当を渡した時に盆休みの話題になった。家族持ちが里帰りする為に休む分の仕事を担うとの事。「盆明けに休みを貰うからね。何事もお互い様だよ。」それに先輩がくれるお土産のお菓子、美味しいんだぁ。と、マダムキラーな笑顔で教えてくれた。今、近くを犬の散歩していたおばさまの腰が砕けたぜ。

コンビニバイトは、早朝はいつも通り、時間を置いて昼1時から4時。「ぷいぷい」は昼2時から夕方6時、曜日はその日の都合に合わせて。どちらも日曜日は休み。とシフトが組まれている。みっちゃんとコンビニオーナー夫妻とたくやさんとじんさんで、「ぷいぷい」でディスカッションしたらしい。本人の意向(と言うかそんな話を知らない。)がん無視でシフト表を作って持ってきて、みっちゃんの部屋のダイニングのいちばん見易い所に貼りやがった。「忙しい方が、色々悩まなくていいでしょ?」うん、何も言わなくても私、解ってる。って顔でほざくオカマに、殺意を覚えるのは間違いではないだろう。

そうして始まった夏休み。早朝バイトに朝食作りに弁当作り(皿洗いはみっちゃん担当)、自室の掃除や洗濯、晩御飯のおかずの買い出し、コインランドリーの掃除、夏休みの宿題や一学期の復習、午後からのバイト、夕食の支度。と、目の回る忙しさで最初の一週間が過ぎ、最初の日曜日。自分は図書館にいた。

涼みにきた訳でなく、過去の新聞を調べる為パソコンを使うから。過去の、この地域で起こった事を調べる為だ。「俺、新聞に載っとるんか?」と、幽霊が話しかけてきた。図書館の一階は小さなお子さんも読み聞かせできるエリアで賑やかだが、二階のこの区画は勉強や調べ物をする人の為に私語厳禁で人も少ない。

話しかけんなよ?万が一、一人で喋ってたらヤバい奴じゃんか。目だけ動かして、頭上の幽霊に睨みをきかせる。ドラマとかだと、過去の新聞をみて事件が起こったきっかけを見つけたりしてるんだけど。そんな簡単にはみつからんよなぁ。と思いながらも目を通していく。とりあえず「過去20年間」の「夏」「高3男子」、地元の記事に限定し、検索にかける。しかし…、さすがに20年分だと多いし、関係ない記事も混ざってくるなぁ。もう少し絞りたい。幽霊、覚えている事は他に何かないか。「うーん。てか名前も覚えとらんもん。」だから幽霊って呼んでんだろ。「こないだ思い出したのが、高3やな。あ、学校はお前らと同じやから。」あ、そうだ。検索エンジンに“青八木高校”を足す。他は?「えぇ…。」幽霊になって最初の記憶とか。「何で?」調べる期間が減らせるだろ。「あ、そうか。ん~。多分4、5年前には幽霊やってたで。知らんけど。」てめぇ。「いや、まず覚えてないねんもん。覚えれないというか。」まぁ浮遊霊なんてクラゲみたいなもんか。ぼーっと浮いてるだけ。「いや、もうちょっと何か言い様あるやろ。」飛ばされたビニール袋。「くそっ、おもろい。それ以上のが思いつかん。」なんでやねん。

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