さくらと自由時間
忙しい毎日、学校に探偵倶楽部に、時には水泳大会や謎解きに追われるさくら。
けれど、そんな彼女にも、何も起こらない静かな一日がある。
このお話は、冒険でもなく事件でもなく、
“ただのんびりと過ごす” そんな大切な自由時間を描いたものです。
特別じゃないけれど、誰にでも訪れる、心をリセットする日曜日。
さくらがどんなふうに過ごし、何を感じたのか――
どうぞ、のんびりとお楽しみください。
水泳大会も終わり、忙しい学校生活に一区切りついたある日曜日。
さくらは久しぶりに“何も予定のない”自由な時間を迎えていた。
「今日はゆっくりしようっと」
朝、いつもより遅く起きたさくらは、大きなあくびをしながらお気に入りのパジャマ姿でリビングに向かった。
窓から差し込む朝日が、のんびりした休日の始まりを告げていた。
まずは、のんびりとした朝ごはん。
トーストにバターを塗って、温かいミルクを飲みながら、
テレビでお気に入りのバラエティ番組を見て笑いころげる。
「やっぱり、こういう時間って最高だなぁ」
食後はリビングのソファに寝転びながら本を読んだり、
お気に入りの音楽を流して鼻歌まじりにダンスしたり、
ふと思い立ってミニ四駆のパーツをいじってみたりと、自由気ままに過ごした。
午後になると、近くの公園まで散歩に出かける。
風に揺れる木の葉や、小さな花壇に咲く花々を見つけて、
「わ、かわいい!」と写真を撮ったり、
ベンチで一人静かに物思いにふけったりもした。
「探偵倶楽部のこと、これからどうなるのかな……
また新しい謎、起きるのかな……」
そんなことを考えながら、そよ風に吹かれていると
「ま、いっか! 今はこうしてのんびりしてよっと」と、くすっと笑った。
夕方、家に戻ると、お母さんが夕飯の準備をしていた。
「今日はハンバーグよ」
「やったー!」
夜には、お風呂にゆっくりつかり、寝る前の日記にこう書いた。
――今日は、何もない一日。だけど、すごく幸せだった。――
たとえ事件や冒険がなくても、
こうした静かな時間が、明日への元気につながるのだと
さくらは改めて感じたのだった。
⸻
完
事件がなくても、冒険がなくても、
さくらの一日はやっぱり楽しくて、やさしい時間に包まれていました。
たまにはこうして、好きなことをして、好きなものを食べて、
何も考えずにぼんやりする日も、大切なのかもしれません。
また明日から、どんな出来事が待っていても――
今日のこの自由な気持ちを忘れずに、前に進んでいけるように。
さくらの日常は、まだまだ続いていきます。
次の物語も、またゆっくりとお楽しみください。




