桜井家のほっこり事件簿
修一は、普段は忙しいサラリーマンだが、趣味にはとても熱心だった。
それは「模型作り」。
休日になると、自分の小さな作業机に向かい、細かいパーツを組み合わせては、車や飛行機の模型を丁寧に作り上げていく。
その集中した顔は、仕事中の疲れを忘れさせるほど真剣そのものだ。
さくらも時々、その作業机の前に座って、父の手さばきをじっと見つめていた。
「お父さん、これ何の模型?」
「これはね、昔の戦闘機だよ。これが完成するとね…」
と、嬉しそうに説明する修一。
模型が完成すると、家の棚に並べて、家族みんなでその出来栄えを眺めるのが日課だ。
そんな修一の趣味は、家族みんなをほっこりさせる大切な時間だった。
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満開小学校4年3組の桜井さくらは、今日も元気に家のドアを開けた。
「ただいま!」
家の中からは、何やら慌ただしい音が聞こえる。
「今日はお父さんが夕飯作るって張り切ってるんだよ!」とさくらはにっこり。
キッチンに行くと、お父さんの修一さんが鍋を前に少し困った顔をしていた。
「ジャガイモが……丸ごと一個入っちゃったかも」
「それ、カレーじゃなくてジャガイモの塊やん!」と笑うさくら。
家族みんなで鍋を囲みながら、笑いが絶えない夕食になった。
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ある日の午後、さくらはお兄ちゃんの大輝の部屋に足を踏み入れた。
そこは漫画やゲームのキャラクターグッズでいっぱいだった。
「え、こんなに集めてたの?」
普段はクールなお兄ちゃんが、意外な一面を見せてくれた瞬間だった。
少しだけ二人の距離が近づいた気がした。
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ある晴れた日の参観日、さくらはお母さんの美咲と学校に向かった。
でも、お母さんが大事な書類を忘れてしまったことに気づく。
「あっ、どうしよう!」
さくらは迷わず家へダッシュ。息を切らしながら戻ったとき、
「ありがとう!」と笑顔で迎えてくれたお母さんの姿に、胸がじんわり温かくなった。
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そして、さくらの誕生日。
家族みんながこっそり準備したケーキのろうそくを吹き消したさくらは、
テーブルに置かれたお兄ちゃんからの手作り絵本に目を輝かせた。
「これ、すごく嬉しい!」
涙をこらえながら、さくらは家族の優しさを心いっぱいに感じていた。
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最後に、家族のペット、ハムスターのモモが大冒険を始めた。
ケージから脱走し、家中を駆け回ったモモを探して、
家族みんなが協力してリビングのカーテンの裏で見つけ出すと、
その日からモモはますます家族の人気者になった。
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桜井さくら家は、毎日が小さな事件と笑顔であふれている。
さくらはその一つ一つを宝物のように大切にしながら、
今日もまた明るく前に進んでいくのだった。
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完
美咲は、いつも明るくて家族みんなの太陽のような存在。
でも、実は誰にも言わない秘密の趣味があった。
それは、あの人気アイドルグループの「追っかけ」だ。
休日になると、家族のことを気にかけながらも、こっそりライブ会場へ足を運び、遠くから彼らのパフォーマンスを見つめていた。
その時の美咲は、まるで別人のように目を輝かせ、リズムに乗って楽しんでいる。
さくらは最初、そのことを知らなかった。
ある日、リビングでアイドルのポスターを見つけて、
「お母さん、これ…?」と尋ねると、
美咲は恥ずかしそうに笑いながら、
「えへへ、内緒だよ」とだけ答えた。
でも、家族の誰もが美咲のその一面を温かく受け入れていて、
「お母さん、かっこいいよ!」とさくらもこっそり応援している。
追っかけを通じて、美咲は自分らしさを楽しみながら、
家族への愛情も変わらず注いでいるのだった。
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