表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/162

桜井家のほっこり事件簿


修一は、普段は忙しいサラリーマンだが、趣味にはとても熱心だった。


それは「模型作り」。


休日になると、自分の小さな作業机に向かい、細かいパーツを組み合わせては、車や飛行機の模型を丁寧に作り上げていく。

その集中した顔は、仕事中の疲れを忘れさせるほど真剣そのものだ。


さくらも時々、その作業机の前に座って、父の手さばきをじっと見つめていた。

「お父さん、これ何の模型?」

「これはね、昔の戦闘機だよ。これが完成するとね…」

と、嬉しそうに説明する修一。


模型が完成すると、家の棚に並べて、家族みんなでその出来栄えを眺めるのが日課だ。


そんな修一の趣味は、家族みんなをほっこりさせる大切な時間だった。





満開小学校4年3組の桜井さくらは、今日も元気に家のドアを開けた。

「ただいま!」


家の中からは、何やら慌ただしい音が聞こえる。


「今日はお父さんが夕飯作るって張り切ってるんだよ!」とさくらはにっこり。


キッチンに行くと、お父さんの修一さんが鍋を前に少し困った顔をしていた。

「ジャガイモが……丸ごと一個入っちゃったかも」


「それ、カレーじゃなくてジャガイモの塊やん!」と笑うさくら。

家族みんなで鍋を囲みながら、笑いが絶えない夕食になった。



ある日の午後、さくらはお兄ちゃんの大輝の部屋に足を踏み入れた。

そこは漫画やゲームのキャラクターグッズでいっぱいだった。


「え、こんなに集めてたの?」


普段はクールなお兄ちゃんが、意外な一面を見せてくれた瞬間だった。

少しだけ二人の距離が近づいた気がした。



ある晴れた日の参観日、さくらはお母さんの美咲と学校に向かった。

でも、お母さんが大事な書類を忘れてしまったことに気づく。


「あっ、どうしよう!」


さくらは迷わず家へダッシュ。息を切らしながら戻ったとき、

「ありがとう!」と笑顔で迎えてくれたお母さんの姿に、胸がじんわり温かくなった。



そして、さくらの誕生日。


家族みんながこっそり準備したケーキのろうそくを吹き消したさくらは、

テーブルに置かれたお兄ちゃんからの手作り絵本に目を輝かせた。


「これ、すごく嬉しい!」


涙をこらえながら、さくらは家族の優しさを心いっぱいに感じていた。



最後に、家族のペット、ハムスターのモモが大冒険を始めた。


ケージから脱走し、家中を駆け回ったモモを探して、

家族みんなが協力してリビングのカーテンの裏で見つけ出すと、

その日からモモはますます家族の人気者になった。



桜井さくら家は、毎日が小さな事件と笑顔であふれている。

さくらはその一つ一つを宝物のように大切にしながら、

今日もまた明るく前に進んでいくのだった。




美咲は、いつも明るくて家族みんなの太陽のような存在。

でも、実は誰にも言わない秘密の趣味があった。


それは、あの人気アイドルグループの「追っかけ」だ。


休日になると、家族のことを気にかけながらも、こっそりライブ会場へ足を運び、遠くから彼らのパフォーマンスを見つめていた。

その時の美咲は、まるで別人のように目を輝かせ、リズムに乗って楽しんでいる。


さくらは最初、そのことを知らなかった。

ある日、リビングでアイドルのポスターを見つけて、

「お母さん、これ…?」と尋ねると、

美咲は恥ずかしそうに笑いながら、

「えへへ、内緒だよ」とだけ答えた。


でも、家族の誰もが美咲のその一面を温かく受け入れていて、

「お母さん、かっこいいよ!」とさくらもこっそり応援している。


追っかけを通じて、美咲は自分らしさを楽しみながら、

家族への愛情も変わらず注いでいるのだった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
次の謎解きへ、ご一緒に。 この放課後にも、誰かの「ふしぎ」が、ひとつ解けました。 でも、謎はまだまだ尽きません――。  次のエピソードも、きっとあなたの好奇心をくす  感想・コメント・リアクション、大歓迎です! 「また明日、放課後に会おう。」 探偵倶楽部は、いつでもあなたを待っています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ