放課後探偵倶楽部 〜学校に来ない男の子
両手を大きく広げて「よっしゃ!」と元気いっぱいに笑う
第一満開小学校の4年3組に、しばらく姿を見せないクラスメイトがいた。梁 晴翔。
普段はあまり目立たないけれど、静かに本を読んだり、誰かが困っているとそっと助けたりする優しい男の子だった。
「ねえ、最近、梁くん見ないよね……」
昼休み、さくらが心配そうに言うと、恵が静かに頷いた。
「うん……風邪とかじゃない気がする。前にちょっと元気なかったから……」
放課後、探偵倶楽部は「梁くんの謎」を解き明かすために、動き始める。
「もしかしたら、何か悩んでるのかも。」
翔太が拳を握りしめた。
「だったら、オレたちで力になってあげよう!」
まずは梁くんの親しい友達や、図書室の先生に話を聞いてみる。
どうやら最近、お父さんの仕事の関係で引っ越すかもしれないという話を、誰にも言えずに悩んでいたらしい。
「大切な友達と離れるのが、きっと辛かったんだね……」
花音羽がしんみりとつぶやいた。
次の日。さくらたちは、梁くんの家までみんなでお見舞いに行くことにした。
「梁くん、勝手に来てごめん。でも、どうしても会いたかったんだ!」
さくらのまっすぐな言葉に、梁くんは静かにうつむいていた顔を上げた。
「……ごめん、みんなに言う勇気がなかった。でも、本当はずっと学校に行きたかったんだ。」
さくらたちは、そっと手を差し伸べた。
「悩んだときは、一人じゃなくて、私たちに言ってね!」
梁くんは少しだけ涙ぐみながら、小さく笑った。
「うん……ありがとう。次の月曜日、学校に行くよ。」
そして月曜日、4年3組の教室に、久しぶりに梁くんの笑顔が戻ってきた。
教室のみんなも、あたたかい拍手で迎えたのだった。
⸻
完
梁 晴翔
学年・クラス: 小学4年生・4年3組
性格: 明るく元気でスポーツが得意。お調子者だが、仲間思いで優しい一面もある。
特徴: 黒い短髪で、笑うと目が細くなる。クラスのムードメーカー的存在。
好きなこと: サッカーや鬼ごっこなど外で遊ぶこと。みんなとワイワイするのが好き。
苦手なこと: 静かな場所や細かい作業。




