さくらのモヤモヤ
朱鳥 颯真
•学年:第一満開小学校 6年生
•性格:クールだけど優しい、少しミステリアスな雰囲気
•特徴:黒髪+赤いシュシュ(髪留め)/読書好き/理科が得意
•役割:
・普段は静かにしているが、困っている子どもたちにはさりげなく手を貸す
・実は昔、自分も「放課後探偵倶楽部」の初代メンバーだった
・すでに卒業間近で、後輩たちに何かを残そうとしている
⸻
放課後の旧用具室。探偵倶楽部の秘密基地は今日も静かだった。
さくらはノートを前にしていたけれど、ペンがなかなか動かない。
「……なんで、全然集中できないんだろう。」
窓の外には夕日が差し込み、桜の木をやさしく染めている。
その景色をぼんやり見つめながら、さくらの頭は別のことでいっぱいだった。
「朱鳥先輩、今ごろ何をしているのかな……」
今朝、すれ違った時の先輩の笑顔。
静かで優しく、だけどどこか遠くを見ているような瞳。
(あんなふうに、落ち着いて人の気持ちを読み取れる探偵になれたらいいのに)
けれどそんな思いが強くなるほど、探偵のことも宿題も手につかなくなる。
「はぁ……私、どうしちゃったんだろう。」
その時、部屋のドアがそっと開いた。
「さくら、大丈夫? 今日の放課後、ちょっと話そうよ。」
朱鳥先輩の声だった。
さくらは驚きと同時に、胸がドキドキした。
「先輩……?」
先輩はにっこり笑いながら言った。
「無理しなくていいよ。気持ちは自然にわかるもの。探偵だって、時には迷うこともあるんだから。」
その言葉に、さくらはホッと肩の力が抜けた気がした。
「ありがとうございます、先輩。私、もっと頑張ります。」
夕暮れの旧用具室に、小さな温かさが広がった。
⸻
さくらの小さな一歩は、やがて大きな探偵への道となる。
⸻
【完】
⸻
どんな謎にも、きっと答えはある!