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第二戦:火の村、煙のスカウト

第二戦:火の村、煙のスカウト


火の匂いが風に混じっていた。

丘の上から見える村は、燃えていた。屋根に火が這い、煙が空を覆う。


「くそっ、間に合うか……!」


義春は歯を食いしばる。

後衛の二人はすでに魔法銃とボウガンを装填済み。ライルは全ポーションを抱えて走る。


スト盾とスト剣は先行。燃え落ちる門を押し開け、火の中へ突入。


そのとき、瓦礫の間からぬっと現れた影があった。


「よぉ。火事場泥棒と間違えんなよ、俺はここの――いや、元村民だ」


煤で顔を黒くした青年。背は低く、軽装。肩にはカラスがとまっている。


「名はハシント。斥候やってる。罠・鍵はLV5、あと召喚も。今はネズミが情報拾ってる」


義春は一瞬だけ迷った。だが、時間はない。


「使えるのか?」


「今、火の中に三人閉じ込められてる。東の納屋だ。ネズミが確認した。罠の仕掛けで扉が閉じてる」


「解除できるか?」


「できる。でも、一つ条件がある」


「言ってみろ」


「このあと、俺も連れて行け。あんたら、腕が立つ。面白そうだ」


義春は頷いた。


「やれるなら歓迎する。走れ!」


ハシントが前を駆ける。瓦礫を飛び、煙の中をまっすぐ突き進む。

カラスは上空を旋回し、スズメが火の中の隙間を抜けて状況を知らせる。


納屋の前に到着。扉は鎖と罠で閉じられていた。すでに火が迫っている。


「これは……普通の鍵じゃない。細工罠つき。3秒くれ」


ハシントが指先で素早く罠を解体する。1秒、2秒――「開いた!」


義春たちが突入。中から三人の村人を救出。


ライルがポーションで応急処置、キプリングが水弾で周囲の火を押し戻す。


スト盾が最後に屋根を支え、スト剣が梁を切り倒し、脱出ルートを確保。


全員、村人を背負って納屋から脱出。


火の海を抜けた後、丘の上で息を整える。

ハシントは肩のカラスに「ご苦労」と一言。


義春が彼の背を軽く叩いた。


「スプリング茂吉にようこそ。明日からは、お前も戦力だ」


「はは、面倒見のいい年金軍人かよ。よろしくな、リーダー」

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