勝負!
次の日になり放課後になりました。
「二人ともありがとうね。格下だといって油断はしないから安心して」
いつもの自信に満ちたルビーがいた。
「ああ、信じているが気を付けてな」
!?
「まぁ♪愛するルビーが傷つくと生きていられない!無事に戻ってきてくれ!なんて♪」
ルビーは頬を赤めてクネクネしながら悶えた。
「おい?ルビー嬢、気持ち悪いぞ。変なものでも喰ったか?」
アッシュの言葉にソッとボディーブローを喰らわせたルビーは気を引き締めて歩いていった。
今回の剣魔決闘は、屋内にある闘技場のような場所で行われる事になった。ここは学年関係なく訪れることのできる場所であり、毎日の様に決闘が行われる場所である。
前回グランドで決闘したのは体育の授業の時に使う結界装置であり、本格的な剣魔決闘はこの場所で普段は行われるのだ。
「貴女がマリン・ストロークなのかしら?」
目の前にはルビー同じく、腰まで伸ばした蒼髪の女性が腕を組んで待っていた。
「ええ、そうよ。初めましてルビー・ローズ樣。今日は、お互いに全力を尽くしましょうね」
マリン令嬢は自信に溢れた様子で、強気な姿勢だった。
「もちろんよ。ただ、あっさりとやられないでね?勝負になれば良いのだけでど」
ルビーはルビーで相手を徴発した。
バチッバチッと火花が飛び散った。
「へぇ?私の殺気に怯まないなんてやるじゃない?」
「余裕でいられるのも今のうちですよ。すぐにその余裕を打ち砕いてあげますわ」
ルビーは腕を組んでマリンを睨み付けた。
『言ってくれるわね。それだけ自信があると言うことかしら。シオン達が調べてくれた情報では、侮れない魔力量らしいわね。油断せずに殺ってあげるわよ』
二人が睨み合っていると時間になり、第三者の教師がやってきて、立ち会いの下に剣魔決闘が開始された。
「さぁ!いくわよっ!」
マリンはレイピアを抜くとすぐに呪文を唱え、レイピアの先から水の球体を放った。
どうやら、柄の所に魔石が埋め込まれており、杖としての役割も持っているようだ。
「魔法が速いぞ!?」
通常の魔法より素早く放つ事で、相手に呪文を唱えさせない作戦のようだ。
ルビーは円球のフィールドで走って魔法を避けた。
「まだまだ行きますよ!」
今度は連続で水の球体を放った。
「ウォーターボール連射!」
ドドドドドドッ!!!!
水の球体がどんどんルビーに襲い掛かる。
タッタタタタ……………
ルビーは駆けながら避けた。ルビーの通ったすぐ後ろに魔法が着弾し、石でできた壁にヒビを入れた。
「くっ、当たらない!?」
動揺したマリンにルビーがお返しにと反撃に転じた。
「お返しよ!ファイヤー・ボール!連射!」
今度はルビーが魔法を連射した。
!?
「ウォーターシールド!」
マリンは咄嗟に床から空に向かって水柱を出現させ、ルビーの攻撃を防いだ。
『へぇ~やるじゃない?』
ルビーは心の中で感心していた。
まだまだ余裕のあるルビーに声が響いた。
「ルビー!油断するな!来るぞ!!!」
ハッ!
シオンの声に意識をマリンに向けると、下から上に向かっていた水柱が、空から竜の姿となって襲い掛かってきた。
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