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圧勝

取り敢えずここまでです!


読者様の反応が良ければ続きを10月から連載します。

ボルドーが見えたのは黒焦げになった自分の腹の部分だった。


何が起こったのか見えなかった。


普通であればどんな魔法を放ったか見えるはずだった。しかし、聞き慣れない音が響いたと思ったら、衝撃が走り、このざまである。

身体を起こそうにも、ダメージが大きいのか起き上がれなかった。


「あらあら、勝者シオン・カラー君です~~~!」


ミント先生が声を上げた。


!?


バカな!

オレはまだ戦える!

ボルドーは必死に身体を起こした。


「ハァハァ…………ま、まだだ!まだオレは戦える!!!」


結界が解けて、ミント先生が歩いてきた。


「いいえ、勝負は着きました。胸の校章のバッチを見てみなさい」


ミント先生はメガネ越しに目を細めて静かに言った。


「な、なに………?」


腹に受けた衝撃により、直撃ではなかったのに、胸に付けていたバッチが粉々になっていた。


『ウフフッ♪

素晴らしい能力ですわね。

この子をけしかけて良かったわ♪』


ボソッとミント先生は呟くと、にこやかに笑いながら振り返り、シオンの腕を掴んで空に掲げた。


「もう1度、バッチ破壊と対戦者ボルドー君の戦闘不能により、シオン・カラー君の勝利です~~~!」


オオオッ!!!!!

歓声と共に大きな拍手が起こった。


『さーて、グランドでの剣魔決闘は教室の窓から、全ての一年生の生徒が見ていたはず。これから面白い事になりそうね~頑張ってね。シオンちゃん♪』


剣魔決闘には、別の闘技場のような練習場があり、グランドで行われるのは珍しい事であった。


そう、今回の剣魔決闘は、シオンの能力を、同級生達にみせるのが目的だったのだ。


そんなミントの思惑を知らずに、シオンは戻ろうとしたが───


「あら?忘れていましたわ。今回の剣魔決闘では敗者のボルドー君は1年間、シオン君に絡んではいけません。そして、決闘を行った場合は、最低3ヶ月間は同じ相手と再戦できませんので、ご注意下さいね」



ミント先生の言葉にシオンは手を振り返りながらルビーの所へ戻っていった。


「お疲れ様~はい、タオルですわ」


ルビーはシオンにタオルを渡した。


「ありがとうな」


汗を拭いている時に、アッシュも労いの言葉を掛けた。


「圧勝だったね。まさに一撃だったよ」

「まぁね。あれだけ情報を与えたのにまるで気付かなかったからな。正直、落胆したよ」


二人はうんうんと頷いた。


「確かにそうだね。あれだけ大剣を振り回して攻撃をしていたのに、かすりもしなかった事に全然気付いていなかったよ」

「普通なら、全然攻撃が当たらないなら、警戒して攻撃の手を休めて、スキを伺うのだけれどね」


シオン達は今回のバトルの戦術の話に華を咲かせたが、他の生徒も同じくとシオンのバトルを分析しながら話していた。



「シオン君の攻撃…………見えた?」

「いや、全然見えなかった。だが、予想はできる。構えた指先からファイヤーボールの様な魔法を放ったのだと思う。…………ただし目に見えない速さでだ」


周囲の生徒も同意見だったが、そんな魔法や技術があるとは聞いたことがなかった。


「もう1度見てみたいな」


誰かが呟いた。


それはグランドにいない、校舎から決闘を見ていた他の同級生も同じ気持ちだった。


ミントの狙い通りに、これからシオンに剣魔決闘の申込みが殺到するのは、もう少し後になってからだった。



そしてに1年校舎の屋上から数名の【人物】達も決闘を見ていた。



「あれがシオン・カラーの力の一端かね?」


「フッ、まさか。あんなのは遊びに過ぎませんよ。シオンが本気なら、結界を粉々にしてボルドーは死んでいたでしょう」


!?


「結界の能力を超えるだと!?」


驚く人物に薄笑いしながら言った。


「あの悪ガキどもは、未成年で初のダンジョン踏破の偉業を達成してますからね。この事実を知っているかどうかが、各個人の情報収集力を測るのに役立つでしょうね」


ダンジョン踏破は各地に点在するダンジョンでも、10年に1度あるかないかだ。ダンジョンの最奥にあるダンジョン・コアを取ってくる事が証拠になる。


それを未成年のパーティが達成した。

ただし、親のコネを使い秘匿したのだった。


理由は簡単。


『騒がれるのが嫌だったから』


しかし、その偉業を完全に隠すことは出来なかった。


シオン達も本気で隠せるとは思っていなかった。学園に入るまでは静かに過ごせればよかったからだ。


「あれが【死音】のシオンの能力か。面白い!」



そう、シオンも二つ名持ちだったのだ。

あの攻撃の【音】を聞いた相手は、気付いたらダメージを受けていた。もしくは死んでいたという、戦闘スタイルから付けられた二つ名であった。




『七色の魔弾使い』


【死音】(しおん)のシオン



字で見ないとわかり難いが、シオンもこの業界では名が上がってきている人物であったのだ。



「クククッ、これからの学園生活を楽しみにしているぞ。【死音】よ!」


校舎の屋上にいた人物達は音もなく消えるのだった。



【死音】のシオン


この二つ名の主人公の小説をずっと書きたいと思っていたのです!


格好良さそうだから!ドヤァ







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