蠢く者達
新学期が始まった頃───
「クククッ、そろそろ準備ができた頃だな?」
暗い部屋で───いや、洞窟の一角で何かの作業をしていた仮面を付けた人物は手を止めて周囲を見渡した。
周囲には頑丈な大きな檻があり、異型の魔物が多く入っていた。
「これでまた面白い事ができるぞ」
クククッと嗤う人物に声を掛ける人物がいた。
「楽しそうだね?そろそろ動くのかい?」
同じ白い仮面を付けた人物がやってきた。
「…………ノースフェイスか。お前の方はまだ準備ができないのか?」
「そうだね~あのシオン君と遊ぶ準備はまだ時間が掛かるかなぁ~?」
両手を広げながら明るく言った。
「良いのか?この俺が先に遊んでも?」
ピタッとノースフェイスの動きが止まった。
「ふ、ふふふ。この僕の存在証明である【仮面】に傷を付けたんだよ?念入りに準備してから遊ばないとね?それより『アングリー』も【黒の宝珠】を解呪された怨みがあったと思うが、その程度の準備で大丈夫なのかな?」
「言ってくれるな?ここにいるのは試作品のものだけだ。成功作品は別の場所で準備できている!」
ノースフェイスは周囲を見渡して頷いた。
「そうか。でも遊び過ぎないようにね。黒の宝珠は僕たちの根幹である重要なものだ。それを無効化、もしくは解呪できるなんて、あってはならない事だと言うことは理解しているだろうね?」
ピシッと殺気が放たれた。
「わかっている!あれは黒の宝珠を取り込んだばかりに起こったイレギュラーだった!黒の宝珠を取り込んで1日以上経てば同化して浄化などできない!」
「アングリー、何もわかっていないぞ?取り込んだばかりだったとしても、黒の宝珠が浄化されたという事実がマズイのだ!『あの方』が知ったらどうするんだい?」
!?
「そんなことは百も承知だ!だからあのシオンを倒して無かった事にする!」
ハァハァと興奮してノースフェイスを睨んだ。
「……………長い付き合いのよしみだ。健闘を祈るよ。頑張ってね~~」
ノースフェイスは手を振りながらスゥ~と消えていった。
『何をしにきたんだ?本当に俺の準備を見に来ただけなのか?まぁいい………』
アングリーは机の引き出しを開けて嗤った。
「この改良した黒の宝珠の力を見せてやるよ。そして、この功績を持って俺が組織の上に登り詰めてやるぜっ!フフフッ、アッーーーハハハハハハ!!!!」
アングリーの笑い声が暗闇に響くのだった。




