いき過ぎた修行
マリンはルビーの後を付いていった。
この数日で何度か通った迷路の様な生け垣を通ると森へたどり着いた。
「さっ、この奥よ」
ゾクッ
えっ?なによこの気配…………
森へ入ると凄まじい殺気に気圧された。
歩くたびに冷や汗が出てきた。
「る、ルビー?」
声を掛けるも、ルビーは無言で歩いて行った。
少し歩いていくと森の拓けた場所に着いた。
「きたか」
アッシュが短く答えた。
違う。いつものオチャラケた雰囲気じゃない!?
アッシュの視線の先には────
ひっ!?
暗い森の中、小さなランプの灯りの中で、シオンとシオンの父親、クロム侯爵が斬り合っていた。
ガギンッとシオンが弾き飛ばされて、マリン達の側まで飛んできた。
「シオンく────!?」
マリンは最後まで声を掛けれなかった。
シオンが血だらけの姿だったからだ。
マリンが躊躇した瞬間に、シオンはすぐにクロム侯爵に向かって行った。
「どうして……………」
あの出血量や傷はすでに重傷だ。
すぐに治療しなければ冗談抜きで死んでしまうレベルの。
「ルビー!どうして止めないの!あの怪我、かなりヤバいレベルですよ!」
ルビーをみると、握った拳から血が出ていた。必死に目の前のシオンを見て耐えているようだ。
「前にも言ったでしょう?何度も止めてと懇願したけどダメだったのよ。本人のシオンが望んでいるから………………」
「どうしてこんな事を───」
ドサッと音がして、振り向くとシオンが倒れていた。
「今日はここまでだ」
クロム侯爵はそう言うと私達を無視して屋敷へと帰っていった。
「早く回復魔法を!」
急いで駆け寄ると何処にいたのかシオンの母親がシオンに回復魔法を掛けていた。
同じヒーラーとして、シオンの母が優れた回復魔法の使い手だとわかった。
「私も手伝います!」
二人掛かりの回復魔法は高い効果があり、すぐに傷口が塞がった。しかし流れた血は戻らない。
「…………どうしてですか?私は知り合って間もない部外者です。でも実の子供を、こんなになるまで痛めつける修行など普通ではありません。数日過ごして、家族仲の良い家族だと思っていました。でも───こんな子供を死なせそうな修行を止めないなんて最低です!」
マリンの素直な物言いにシオンの母【カナリー】は眼を伏せて、そうねと呟いた。
まだ文句を言いそうなマリンをアッシュが止めた。
「マリン、もういいよ。少し話がある付いてきてくれ。ルビー、シオンを頼んだよ」
「わかったわ」
マリンは戸惑いながらもアッシュに引かれてその場を離れた。
少し歩いて湖のような溜め池にの側にたどり着いた。
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