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七色の魔弾使い  作者: naturalsoft


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39/52

庶民には怖い……

マリンは部屋の中で震えていた。


私は普通の部屋でいいのぉ~~

マリンの部屋は、超が付くほどの高級家具で溢れていた。


「こ、このティーカップ1つでも私のお小遣い1年分はするんじゃ………」


マリンは恐ろしくて不用意に触れなかった。

そんな高級家具に囲われて震えていたのだ。1時間ほどしてメイドが呼びにきた。


「マリン様、シオン様がお呼びです」

「は、はい!すぐに行きます!」


こんな所に居るよりはと、急いで出て行くのだった。


「やあマリン、ゆっくり休めたか?」


招かねたお客と過ごす、大きめの部屋でシオンはお茶を飲んでいた。


「いや~~、部屋の家具が高級過ぎて、壊したらと思うと恐ろしくて動けなかったわ……………」


はぁ~とため息を付きながらマリンは言った。


「別に気にしなくていいぞ?多少壊しても文句など言わないから気楽に過ごしてくれ」


だ~か~ら~~~元々、前世の記憶がある分、庶民には恐ろしいのよぉ~~~


口に出して言えないので、心の中で叫ぶのだった。


「まぁいいや。それでマリン、せっかく来たんだ。うちの庭園を案内しよう」


「庭園ね…………」



正直、マリンは花より団子の方が好きだった。

前世でも花を見ても綺麗だなぁ~と思う程度で、それよりアクセサリーや美味しいデザートの方が好きだったのだ。


シオンにエスコートされて、屋敷の裏庭に出て、しばらく歩くと……………え、もう10分は歩いているんだけど!?


広すぎじゃないの!?


屋敷の裏庭は生け垣が迷路のように作ってあり、少し遠くを見ると、奥には森に繋がっているのが見えた。


「あそこまでは行かないぞ?この生け垣を曲がると池があるんだ」


歩きながら説明を受けると、思った以上の大きな池?が見えてきた。


「ねぇ?池って言うより湖じゃないの!」


シオンとマリンの感覚が違うのか、池?の大きさは全長100メートルはある大きさだった。


「ここから水を引いているんだ。ほら、あそこだ」


シオンの手で示した先には、人が通れるアーチ状の薔薇のトンネルがあった。


「す、すごっ!?」


様々な色の薔薇が絡み合ってその美しさに目を奪われた。ゆっくりとその中を通って行くと、開けた場所があり、現在で言う所のビニールハウスのような建物があった。


「ここは母上が管理していてな。ルビーとよくここで茶会を開いているんだ」


建物の中に入るとテーブルが設置してあり、多少の家具も設置してあった。中から外を見ると美しい薔薇をメインに様々な花が植えてあり、目を楽しませた。


「今日は俺がもてなそう」


シオンはテキパキとお湯を沸かし、ティーカップにお茶を注いだ。


「どうぞ」


静かに置かれたティーカップを少し見ながら口に付けた。


「美味しい!」


どこの茶葉か知らないけど、ほのかに花の香りがした。


「この薔薇園でとれた薔薇のシロップを少量入れてあるんだ。ルビーが好きな紅茶だな」


そうはにかむシオンを見て幸眼だと思った。

これはどんな女子でも落ちるわよね~


最近、免疫がついたマリンだったので特に問題はなかったが、ルビーの苦労も察することができたのだ。


これは女子が群がってくるわよね~

自覚のない美少年に遠い目をしながらルビーの事を思うのだった。





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