対戦
圧倒的な強さで勝負を決めたシオンは、トーナメントを盛り上げる役割を果たした。
シオンに触発され、例年より気合の入った対戦が繰り広げられる展開になった。
ワァー!!!!ワァー!!!
見応えのある試合に歓声が響き渡った。
「私達ほどではないとはいえ、なかなか粒ぞろいではありませんか?」
「確かにね。みんなも頑張っているんだろうね」
クラスメイトの試合を見て、生徒達の実力を測っていた。
「やっぱり他の生徒はこの日の為に決闘を控えて、手の内を隠していたね」
「だな。それが普通なんだよ」
アッシュの言葉にシオンが同意した。
「それよりもうすぐアッシュの出番だぞ?準備は良いのか?」
「おっと、もうそんな時間か。行ってくるよ」
手を振りながらアッシュは試合会場へ向った。
「そういえばアッシュが戦う所、私初めてみます」
戻ってきたマリンが言った。
「まぁ、あんまり手の内を見せたらないヤツだからな。すぐに勝負を決めてくるよ」
アッシュが負けるとは微塵も思っていないシオンの言葉にマリンは首を捻った。
「アッシュは強いんですか?」
マリンは転生者だと言う事を知っている為に、何かチートでも持っているのか気になった。
「あいつはオレ達3人の中で最強だよ」
マリンはシオンの言葉が頭に残った。
そして、アッシュの出番が訪れた。
対戦相手はAクラスの者だった。
「シオンやルビー嬢の腰巾着か!さっさと勝負を着けてやる!」
「……………ごたくは良いから。早くこい」
試合開始の合図が鳴るとともに、対戦相手は飛び掛かった。
「いく───」
ザシュ!
???
対戦相手は何が起こったのか気付かぬまま崩れ落ちて気絶した。
今までの試合とはうって変わり静寂が会場を支配した。試合を見ていた者も何が起こったのか理解出来なかったからだ。
「悪いね。君程度じゃ僕の相手にならない」
アッシュはそう呟くと会場を後にするのだった。
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「な、何が起こったの!?」
試合を見ていたマリンが声を上げた。
「単純にアッシュが剣を抜いて相手を叩き伏せただけだ。もの凄い速さで抜刀してな」
「ぜ、全然見えなかった…………」
「だろうな。オレでさえ集中してなければ見えないからな。アイツ、あれだけの剣技を持ちながら、
全属性の魔法も使えるからムカツクんだよな~」
シオンは軽く言うが、マリンもアッシュの実力がわかり、去っていくアッシュを見つめる事しか出来なかった。




