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勉強

シオンがミント先生と会談した後、寮に戻らず校舎の外にあるベンチで休憩していた。


「やっぱりこの学園は侮れないな」


ミントの部屋から出ると、ちょうど様々な教師が戻ってきて鉢合わせした。


「おっ♪なんてラッキーなんだ。初めまして、2年担当の『コルク』って言うものだ。担当科目は剣術だ。君の父親とも戦ったことがあるんだぜ?」


少しチャラい感じの30代の男性教師だったが、スキがなく、かなりの使い手だとわかった。


「そうですか。それで勝敗は?」


コルク一瞬顔を歪めた。


「嫌な所を聞いてくるな。公式戦で8戦して7敗1引き分けだ」


シオンは眼を開いて驚きの表情を見せた。


「父上と引き分けたなんて、コルク先生は凄い人だ。俺は尊敬します!」


「…………なんか微妙に喜べないな。まぁいい!察しはついていると思うが、ダンジョンを攻略したお前達の話が聞きたい。時間のある時に聞かせてくれよ」


「ええ、良いですよ。その変わり個人的に剣術の訓練をつけて下さい。俺はもっと強くなりたいんです」


ガシッと握手を交わした。


「ちょっと!コルクだけズルいじゃない!こんにちにはシオン君!覚えている?魔術の科目担当のアイビーよ!」


「あ、はい。授業ではどうも………」


この女性は授業中はもう少し威厳があり、知的な感じがしたんだが、今はミーハーな女性って感じだな。


「単刀直入に聞くけど、ダンジョン・コアは何に使ったの?まだあるなら言い値で買うわよ♪」


「さっきミント先生にも言いましたが、ダンジョン・コアは、もうとある事に使ってしまい残っていません。何に使ったかは秘密です」


もう!気になるわ~とアイビーはふくれた。


「ホッホッホッ、楽しそうですね」


後ろから声が掛かった。


コルクとアイビーがすぐに姿勢を正した。


「…………教頭先生」


この学園のナンバー2であるネール教頭先生だった。齢60歳の老婆ではあるが、剣術、魔術共に最強の一角の実力がある人物だった。


「余りこの職員室の建物には生徒は寄り付かないものですから様子を見に来てしまいました。若い教師と生徒の信頼関係は素晴らしいものです。ねぇ?二人とも?」


ギランッと眼が鋭くなったネール教頭に、コルクとアイビーは冷や汗を掻きながら、首をコクコクと上下に揺らして同意するのだった。


「ホホホッ、わかればよろしい。それにしてもシオン生徒は父親にそっくりですね。怖いもの知らずと言うか、度胸があると言うか………ただ、自分の力を過信し過ぎないよう気をつけて下さいね。大切な者を失った後では遅いのですから」



ネール教頭は遠い眼をして言ったことで、自分自身に向けて言った事かも知れない。


「はい。肝に銘じます!それでは失礼します!」


シオンはそろそろ出て行こうとするとネール教頭が呼び止めた。


「ああ、そうそう、シオン君、外部の煩い雑音は教師陣で対処しますが、休日など外に出る時は気をつけて下さいね」


これはミント先生に言われた事か。


「わかりました。ありがとうございます」


一言御礼を言ってからその場を後にするのだった。







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