表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/52

暗躍

深夜遅くに、訓練場にて訓練と言う名の憂さ晴らしをしていたボルドー・ガーランドは全然怒りが収まなかった。


「クソッ!クソッ!クソッ!!!!」


訓練用の木刀を振り回しながら悪態を付いていた。


「あの女男め!国1番の剣技を持つ父親がいるのに、遠距離攻撃などと……………卑怯者めっ!!!!」


バキッと地面に木刀を叩き付けて折れた。


「ハァハァ…………クソッ!」


折れた木刀を投げ捨てて座り込んだ。

そこに声が掛けられた。


「クククッ、荒れているなボルドー・ガーランドよ」


黒いローブに身を包んだ怪しい男?がいつの間にか立っていた。


バッと身を起こすと身構えた。


「何者だ?」


ボルドーは油断せずに黒いローブの人物を見据えた。


「ほぅ?私の気配に気付かなかったのは減点だが、その後の行動は合格だ。シオンにボロ負けしたとはいえ、流石は第三騎士団長の息子なだけある。『それなり』に鍛えているようだ」


相手を馬鹿にした物言いにカチンッときたボルドーは近くに置いてあった自分の剣を素早く手に取ると黒いローブの人物に斬り掛かった!


ガキンッ!


刃が当たる前に結界に阻まれた。


「結界だと!?」


後ろに大きく飛びさると、油断せず剣を構え相手の動きを見た。


「クククッ、なかなかどうして。今ほどの注意深かさがあればもう少し善戦できただろうに。まぁいい。私はお前に良い話を持ってきたのだ」


「なに?」


黒いローブの男は懐から小さな【黒い玉】を取り出した。


「最近開発された【黒の宝珠】だ。体内に取り込めば、自身の力を数倍も高めてくれる優れものだぞ?」


手の中で転がしながら宝珠の説明をしていく。


「ふんっ!くだらん!そんな得体の知れないものを使う訳ないだろう。俺は自身の力で勝つ!」


そう言い放つボルドーに黒いローブの男は嘲笑った。


「クハハハッ!!!これは傑作だ!お前ごときが実力でシオンに勝てるわけなかろうに!お前、知らないだろう?シオン達がダンジョンを攻略した事を!」


!?


「な、なんだと!?」


「そう、それだ!戦いは武力だけではない。相手を調べる情報収集力も必要になるんだぞ?父親から習わなかったか?敵の戦力、実力、経歴、得意な戦術など調べ上げることで勝率が上がるんだ。お前には全てが足りない!今のままでは絶対にシオンには勝てないだろうよっ!」


ボルドーは何も言い返せなかった。

それは父親から口を酸っぱく言われ続けたことだったからだ。それでもボルドーは自身の実力だけを求めて訓練は欠かさなかった。しかし、相手を調べると言う情報収集の力を軽視していた。


「だからだよ。何もかも足りないお前が、この黒の宝珠を使えばシオンに勝ちが見えてくるだろう」


黒いローブの男は軽く黒の宝珠をボルドーに向けて投げた。


パシッとボルドーはそれを手でキャッチした。


「使うかどうかはお前に任せる。決闘に負けたお前は再度シオンと戦うには3ヶ月待たないといけないが、学校のテストである実技テストで当たれば、正々堂々と戦えるだろう。それまでせいぜい自身を鍛えるんだな。1が2になった所でシオンには勝てないのだから…………」



そういうと黒いローブ姿の男は闇に溶ける様に消えていった。


「…………黒の宝珠」


ボルドーは、手の中の黒い玉を見詰めながら呟くのだった。









『よろしければ感想、評価、ブックマークよろしくお願いします!』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ