教育実習
先生、僕はあなたのようになりたかった。
誰からも慕われて、
優しくて、強いあなたのように。
だから、同じ先生という
職を志すようになったんです。
僕は努力をしました。
血のにじむような努力を、独りで。
何もかもを捨てました。
用意されていた青春さえも。
今、大学生になった僕は教壇に立っています。
しかし、あなたのように笑顔が作れない。
明るい声が発せない。教え方も上手くない。
どんなに必死に頑張っても、駄目みたいです。
先生になりたかったのに。
あなたになりたかったのに。
ふと、思う事があるんです。
僕は、一体どこで間違えたのかなって。
30分ミニ小説チャレンジで書いた作品です。




