異世界と学習
とりあえず、それから一週間を過ごした。
その間にわかったことはたくさんある。
驚いたことにこの世界には魔法がない。知った時はどう生活しているのかと思ったが、代わりに化学というものがあった。
電気とか水力とか…まあ、色々あった。
で、現在俺は家庭教師による勉強中だ。
「…ですが、わかりますか?」
「余裕だ。」
足し引き算だけとか余裕すぎる。
いや、子供の脳で考えると難し…い、か?
…小さい時の記憶なんてねーわ。
「凄いですね。ここまで優秀な生徒はいませんでした。」
とか言われたりしてる。
最初のうちは口調、仕草、色々怪しまれていたが、何も言われなくなった。
マジで最高。
ドリルを家庭教師に出す。
笑顔で受け取ったが、プルプルと震えだす。
バシッ
「なんで中学生の問題が解けたのですかぁ!?」
「…ドリルは投げちゃダメだろう。」
机に叩きつけられたドリルを拾う。
「これって中学生の問題なのか?」
「えぇ、えぇ。どんな問題も解ける樹幸様に少し意地悪をしようとしたのですよ!年長の子供が解けるレベルじゃなかったんですよ!?なのに…なのにぃ!」
「なんというか…すまん。」
「年長に謝られたぁ〜」
私の威厳とは…と嘆いている家庭教師は疲れているんだろう。これぐらいは普通だ。
…中学生の問題が解ける子供なんていないわ。
「で、次は何だ?」
「泣いても良いですか!?スルーは酷いですよ!」
だって慰めるの面倒だし。
「で?」
「クッソォ…給料がいいから続けるけど…じゃなかったらこんなのすぐにやめてやるぅ!」
「…父上に報告しようか?」
「やめてくださいお願いします。」
なんなんだよ。さっきから態度がコロコロ変わって。
「早くしないのか?」
「スルーなんですね、分かります。」
「ちょっと違う教科を…」
「こんの常識のない子供がぁ…。わかりました、社会をしましょう!小学四年になるまでほぼ使いませんがやりましょう!」
「…これは何だ?」
「…?」
俺の目には一つの目次が目にとまる。
「漢字検定…?」
「うわぁぁぁぁぁ!?」
俺は即座に腕で隠した家庭教師を睨む。
「…見せろ。」
「嫌ですよ!?」
「何でだ。」
「なんだか嫌な予感がするんですよ!」
「…“身体強化”」
小声で呟き、漢字検定と書かれた書類を奪う。
「…あれ?」
目が点になっている家庭教師は放り、ペラペラと捲る。
書かれているのは…面白い。漢字の実力をランク付けしたのか。
…冒険者の頃を思い出すな。
「俺、これ受ける。」
「マ!?」
「よし、父様に相談してくる。今日はもう帰って良いぞ。」
「…左様でございますか。」
さーて、どんな手を使ってでも頷かせるぞ。




