異世界とクイズ
「えぇ!樹幸ってこんな強かった!?」
「これでも手を抜いているんだが。」
「えぇ…」
俺は呆然としている龍騎を不思議に思った。
何故スキルを使わないのだろうか?使って仕舞えば俺に勝つことなど簡単なのに。
一回戦目は龍騎が勝てる。だが、二回目以降は絶対俺が勝つ。
原因は、初見のうちはルールが分からないが、一回やって仕舞えば、“研究者によって、専用のスキルが手に入ってしまうからだ。
スキルさんは今日も頑張っております。
「龍騎、次は何する?」
「ボードゲーム以外で。」
即答だった。
だが、俺に言われても、前世の遊びになるのだが。
「…龍騎が決めろ。俺にはよく分からない。」
「…なんで?うーん…クイズの出し合い、とかどう?」
「じゃあ問題。ベーコーベンが作曲した…」
ベーコーベンとは、かの有名な作曲者だ。
龍騎は余裕という顔をしている。そりゃあ、今から出す問題は簡単だ。
「六十番目はなーんだ。」
「待って何でそうなるの?」
冷静にツッコミを入れた龍騎。
何故だ。
「なんでそんな難しいのになるかなあ?分かるわけないよ。」
「正解は校響曲第4番、変口長調でした。」
「六十番とか言われて分かるかあ!」
「次は龍騎だ。」
「…いや、やめておくよ。」
なんだか疲れた…と呟くと、龍騎はため息を吐いた。
「勉強しようよ。算数とか。」
「うん?さんすうって何だ?」
「……。」
ジト目で見られたかと思ったら、龍騎は説明を始めた。
「ほら、1+1=2でしょ?あれだよ。」
「ああ、足し引き算か。そういえばそんなのもあったな。」
「いや、そんなのじゃないよ。頭大丈夫?」
解せぬ。何故そんなことを言われなければいけないのだ。
「龍騎のほうがおかしいだろ。」
「本気で病院に連れて行って良い?」
「まあ、算数とかいうのは多分バッチリだ。」
「そうなの?じゃあ、10+28は?」
「38。龍騎に問題だ。524÷16は?」
「ねえ、なんでそうなるの?普通の問題は出せないの?」
「普通だろ?」
「………。」
大丈夫か?いきなり頭を抱え出したが、頭痛がするのか?
「頭がいたいのか?」
「そうだね、目の前にいる非常識な人のせいで、頭痛がするよ。」
「?俺以外にいないが。」
「…だーめだ。」
手で顔を覆うと、龍騎は悟りを開いたような表情になった。
凄いな。その年で開くなんて。
「うん、分かった。僕が悪かったよ。だから積み木でもして遊ぼう。」
「せっかくだから大作を作ろう。」
「……嫌な予感がする。」
果たしてその予感は当たるのか。
それは三十分後、龍騎の溜息によって証明された。




