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異世界とエリート

「樹幸くん!今日はわたくしと遊びましょう!」

「いいえ、樹幸様はわたしと遊びますのよ?」

「樹幸様、今日もお素敵でございますね。」


これが六歳の会話だ。

今ならおかしいと言える言葉遣いは、令嬢のものだ。

幼女に声をかけられても何も思えないので、俺は、笑顔をキープする。


「うーん、今日は龍騎と遊ぼうかな。折角だから将棋とか。どう?」

「ぼ、僕なんかでよければ…」


先生に頼み、将棋をセットさせてもらう。

前世に将棋などなかったが、異世界の遊びみたいだ。

将棋はできるようになれ、と父に言われ必死で覚えた。

というか複雑じゃね?将棋。五歳の子供に教えるとか鬼かよ。


「…ねえ、樹幸様。今日はなんだか口調が変ですね?」


いや、なんで同年代の子に敬語使われなければいけないんだ。

俺は記憶が戻る前の『僕』とは違うからな。


「いいや?いつも通りだ。ところで敬語はやめないか?普通に会話しようよ。」

「でも、僕なんかが樹幸様になんて、恐れ多い…!」

「ええ…」


卑屈しまくる龍騎に俺は溜息をついた。


「なあ、なんでダメなんだ?」

「僕みたいな底辺の奴と樹幸様のような国のトップの方が同等など…」

「国のトップ?俺は後継じゃないからその心配はいらない。」


前世では、貴族といっても、権力を振るうことを許されるのは、子息でも長男だけだ。

だから次男の俺は敬語の必要などいらないのだが…


「いいえ、貴方様のような方々は「様」え?」

「様はやめろ。同年代の奴に様呼びされるなど、鳥肌が立つ。」

「はあ…」


まだ分かっていない様子の龍騎に、イライラする。


「つまり、敬語をやめて、“樹幸”と呼べ。呼び捨てだ。」

「でも…」

「あぁ!もう、しゃーない。“催眠”」

「樹…ゆ、き……さ、…ま?」


段々と龍騎の目が虚ろとなる。

正直、この手は使いたくなかったのだが、いつまで経っても変わらなさそうだから仕方がない。


「『お前は俺を樹幸と呼べ。俺に対して敬語をやめろ』。」

「はい、分かり…分かったよ、樹幸。……はっ!僕は一体…!?」

「よし、今日から龍騎は俺の友人だな!」

「え、あの!?」

「それじゃあ将棋を始めるか。手加減は無しだな?」

「良いで「敬語は無しと言ったはずだ。」そうだったね。分かったよ。…え?」


呆然としている龍騎には申し訳ないとは思う。

だが、お前は信用できそうだと思ったんだ。だから…


「『ずっと友達』だ。」

「なんか怖いと感じるのは僕だけ!?」

「うん、良い感じに敬語が抜けてるな。ということでこれからよろしく。」

「………ハイ。」


笑顔で握手を求めたら、片言で返された。なぜだ。

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