異世界と家族
「すみませんでした…」
「もう!自室にいらっしゃらないと思ったら、真剣にこちらで何かを書いていらして…。心配して損しました…」
現在俺は、メイドに説教されている。
貴族クラスの金持ちなのか、この屋敷には沢山のメイドがいる。
俺が怒られている理由は、部屋にいなかったから誘拐されたと心配したかららしい。
二十八+六歳の俺が叱られるって…どうなんだ。
そんな精神的に結構きたので、泣き落としをしてみたのだが…さらに怒られた。
何でだ。大人は子供の涙に弱かったんじゃないのかよ。
朝食が運ばれるまで正座で説教を受けていたので、終わった時には足が痺れていた。
「うぅ…イタタ…」
どんな痛みにも耐えて来たのに、また違う痛みなのか、これはかなりキツイ。
よろよろと立ち上がると、テーブルへ向かう。
「俺、六歳なのに…(精神年齢は三十云々)」
テーブルには既に、兄が座っていた。
兄貴は聡といい、現在十歳の小学生だ。硬質の髪は、カッコよく整えられている。
そんな兄貴は俺に気付くと、傲慢そうな笑みを浮かべる。
「遅かったなぁ、樹幸。また寝坊かあ?」
「いえ、少し彼方で書き物をしていたら、時間が過ぎてしまっていて。」
「ギャハハ!ほんと、どんクセェ奴。俺様の弟だなんて信じらんねぇ。」
いや、お前の態度が信じらんないよ。俺、一応六歳だからな?お前は俺の兄で四歳も上だからな?
なんでそんな大人気ない態度なんだよ。
…十歳の子供に期待した俺が悪い?
「兄貴、そろそろ食べよう。」
「…お前なんか生意気だな?」
あっ…
「どっちがこの屋敷の中で立場が上か分かっているのか?」
「…いや、そんな事を気にするとか子供かよ。」
思わず突っ込んでしまったが、これ結構まずくないか?
俺の嫌な予感は当たった。
「ちゃんと身体に教えてやるよ!」
「…っ!」
少し煽りすぎたかもしれない。
食器を掴んだ兄貴が見える。
「オラッ!!」
大皿が飛ぶ。
メイドが悲鳴をあげたのが聞こえたが、俺は焦らない。
「“カウンター”」




