残酷狂詩曲
これは残酷な描写がありますので、苦手な人は観覧を中止しましょう。
ふ、と目が覚めると、さっきいた場所とは違う。真っ暗闇でジメジメした陰湿な部屋に俺はいた。その内、俺の手が手錠にはめられていることに気づいた。首には、首輪がついていて、とても普通の状態ではないことだとは分かる。でも…なんで俺はこんなことに…?仕事が終わって家に帰る途中までは覚えてる。でもその後の記憶が曖昧で、よく思い出せない。
『目覚めはいいかい?』
突然、向こうから声がした。まだ暗闇に目が慣れていない所為で姿がよく見えない。
「っ…誰だ…お前」
『最近、色々な人が行方不明になるって事件しってる?』
「あ、あぁ…それが…?」
『その犯人、ボク達なんだよね』
「はっ…?」
そういえば最近、色んな人達が行方不明になっている事件がおきている。警察は被害者達に関係性が見当たらなく、手がかりもなくて、困惑している。――――その犯人がコイツ?――――
「てか…ボク“達”って…複数犯なのか…?犯人は…」
『うん。そう。今は奥のほうに皆いるんだけどね…』
そう言われて、暗闇に目が慣れてきた俺は、奥のほうに目をやった。その一拍後、
〈ぎゃあぁぁぁあああああああああ!!!あぁああああああああ!!!!!〉
「ひっ!!!」
この世のものでは無いような悲鳴が聞こえてきて俺は恐怖を覚え始めた。なんだよ。何やってんだよ…
「な、なに…やって…」
『実験』
その単語1つだけ言ったソイツの恐ろしい顔、声、瞳。それがどんなに恐ろしいか、とても表せることができない。
『ほら、コッチにおいで』
「ひっ、やっ!!やめろっっ!!」
本能的に恐怖を感じ取った俺は必死で抵抗したが、手錠の所為で上手く身動きができない。だけど必死で抵抗していた。
「やだっ!やだあぁ『うるせぇ』
「ぐっ?!が、あぁぁ…」
急に首が絞まってきて、息ができない。苦しい。苦しい。やめろ。やめてくれっ…!!!
『……もぅいいか。』
「っ…!!がっっ!はっ、はっ…!」
『ばかだなぁ、ボクらから逃げれると思ってるの?このスイッチでキミの首、絞めることできるんだよ?ま。まだ殺さないケド』
「はっ、はっ…く、そ…」
そのままソイツに連れられて奥の部屋へと連れて行かれた。
「なぁ…一体…俺になにするつもりなんだよ…」
『言っただろ?実験って。いいからここで待っててよ。ちょっと準備があるからさ。』
そう言って俺をベットの上に固定させておいて、奴はどこかへ行ってしまった
「俺…死ぬのか…」
もはやもう助かるなんて希望の言葉など俺の中には無かった。心の穴がぽっかりと開いてしまって、ただただ死が訪れることだけが頭にあった。そんなことを考えながらふ、と横に目をやった瞬間
「えっ……?はっ…うああぁぁあああああああ??!!!」
俺は悲鳴を上げてしまった。だってそこには、原型を留めていない人間の姿があったから…。顔の肉は引き剥がされ、腐敗してしまっているからなのか腕の肉は削げ落ち、骨が突き出ている。それに下半身は何者かに“食いちぎられた”ような姿をしているから…
「うっ…、ぐ、えぇ…!」
あまりにも気持ちが悪くなった俺は吐き出してしまった。だって、あんな人間の死体、見たことも聞いたこともなかったから。さらわれた人達は皆こんなことを…?そして俺、も…?
『おまたせ。あー、見ちゃった?そりゃ吐いちゃうね(笑』
「…!!お、まえ…何持って…」
『何って、ノコギリと鉈だよ?見たことないの?』
「違う…そういうことじゃないっ…」
―――何でそんなに血痕が、そして人の肉がついているんだよ―――
そんなこと言う気力も無くなってきた。俺もアイツみたいにされるんだ、って思ったら。
『んーとね、ボクがする実験は、“自分の肉を食べてみたら美味しいのか?”って実験だよ?』
「………うそ、だろ………」
美味しいわけない。しかもそんな考えを持つなんて、頭がおかしすぎる。…え、自分の肉を“食べる”…?
『よし、ん〜…じゃ、右手から行こうか』
「っ………!?」
ぐしゃ
「あっ…ぎっ、ゃああああぁぁああぁあああああああ!!!!!!!」
『おー、キレイな血の色。しかもしっかりとした腕してる。』
俺の右手を奴は容赦無く切り落とした。勢い良く切られた所為か、指がまだピクピク動いた状態になっていた。
「いたいっ!!いたいっっ!!!いたいぃぃいぃいいいいいいい!!???!!」
『はいはい、痛いですね〜、じゃあコレを食べましょうかね〜』
「やああああ!!うそっうそだああああああ!!!!!」
奴は一口サイズに切った俺の肉を、俺の口元に運んできた。勿論俺は、口を開けようとはしない。
「んっ!!んんぅんん〜〜〜!!!」
『…面倒臭いな、おい!!』
奴が首輪のスイッチを押してしまった。腕の痛みと、息の出来ない苦しさが襲ってくる。それに負けてしまい俺は口を開けてしまった。
「がっ…、あああ…!!ぃ、あ…」
『よーしよし、いい子。いい子。』
そして奴は肉を俺の口に放り投げた。そしてスイッチを切って、俺が口を開けれないように顎と頭を掴んできた。
「んんんんんんっっ!!!ぁっ…やぁっ…!!!」
『よ〜く噛むんでちゅよー?自分の血は、肉は美味しいでちゅよね〜〜〜?』
「っ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
頭を横にぶんぶんと振った。
『…いいから噛めよ。隣のソイツみたいになりたいのか?あぁ?』
「っ…!!…ぐっ、うっ…」
『……そう、それでいいんだよ?えらいでちゅね〜』
ゆっくりと噛み始めた俺の肉は、異臭と、血の味しかしなく、食感は、ものすごく硬いステーキを食べているかのようだ。
『吐き出したりしたら、お仕置きとして、首輪のスイッチ押すからね〜』
そんな言葉を必死に頭に叩き込んで、噛み続けて、飲んだ。まさか、自分の肉を食べたなんて…
『じゃあ、お注射ちまちゅよ〜。おとなちくちててくだちゃいね〜』
「っ…」
何か変な液体が入っている注射をさせられた。
『今のはねぇ、頭か、心臓の機能が停止しないかぎり、死なないクスリなの。だからゾンビみたいなかんじになるのかな?』
「嘘、だ…嘘…だ…」
『あ、舌噛まないようにタオル入れるから』
そう言って奴は俺の口の中にタオルの押し込ませた。
「ぅん!!んーーー…」
『明日は右足食べるからさ、それまで、他の人たちの死に際でも見ておけば?寝てもいいけど、寝れるのなら、ね』
そう言ってさって行った奴の後から俺みたいにここに連れてこられた奴がやってきた。
〈嫌だああああ!!!助けてくれええええええええ!!!!!!!〉
アイツとは別の犯人が、ソイツをアイアンメイデンの中に入れて、思い切り扉を開けたり閉めたりしてとても楽しそうな顔で遊んでいた。ソイツの断末魔が部屋中に、俺の耳に響いた。無理矢理寝ようと思っても、肉が飛び散る音と、拷問を受けている人々の悲鳴で寝ることができなかった。…奴の言う通りだった…
それからも俺は腕・足・体はヘソの辺りまで全て切り落とされ、それを食べさせられてる。
まだ死ぬこともできない俺は、一瞬で死ねるやつらを羨ましそうに眺めることしか出来なかった。




