第八話 厳しい闘いと静かな夜
夜が明けると、緑色に光る我が子と共に群れから離れたサンヤとマイン。小さな子供を連れての移動は大変ですが、群れのために少しでも遠くへ行く必要があります。
「少し休もう、太陽が真上にきている。そろそろ何か食べないと」とサンヤが言いました。マインは、途中で森から持ってきた葉を細かく噛み砕き子供に与えました。見張りをしているサンヤが「離れろ!」とマインに言いました。ヴェロキラプトルです!サンヤは妻と子供を守るために、ヴェロキラプトルに向かって突進しました。
この恐竜は体が小さいですが、足が速くすばしっこいという特色があります。早く追い払わなければマインと子供の命がありません。サンヤは闘いました。マインと子供は大きめの石の陰に隠れます。「ウォーン」というヴェロキラプトルの鳴き声が聞こえました。
サンヤは傷をおった体で戻ってきました。「大丈夫ですか?」と聞くマインに「大丈夫だ、奴は子供だったから何とかなったが、夜までに安全な場所を探すことにしよう」とサンヤは言いました。サンヤは黙って従ってくれる妻のマインに「すまない、お前たちを危険な目にあわせて」と後ろを付いてくるマインに言いました。「いいえ、当たり前ですわ。私は貴方の妻なのですから。そしてこの子は私達の可愛い子供なのですから」と答えました。
そろそろ日が暮れようとしていました。仲の良い夫婦は岩が集まっている場所を見つけました。ここなら何とか身を隠せそうです。サンヤはここで一夜を過ごそうと決めました。やがて星が空に輝く夜になりました。一日歩いて疲れた体を緑色に輝く子供を真ん中にして、仲の良い夫婦は寄り添って星空を見上げます。「あの子は生きているだろうか」とテラノドンにさらわれた桃色の子供の事を思いながらサンヤが言いました。「あの子が元気でいると信じましょう」とマインは微笑みました。母親の強さを見たようで、サンヤは「そうだな、絶対生きている。ありがとうマイン」と言うと目を閉じました。
軽い眠りについた時、緑色の子供が体の光りを点滅させると「キュウーン」と鳴き出しました。サンヤが「どうしたことだ?なぜ鳴いているんだ」と目を覚ましました。「見てください、この子の体の光を!まるで何かを伝えようとしているようですわ」とマインが言いました。




