最終話(第十四話)恐竜たちはどこかの星で
群れの中に戻ったサンヤ一家は子供たちに名前を付けてほしいと長老のソンに言いました。長老は桃色のタマゴの子供にアナン、緑色のタマゴの子供にサウスと名付けました。そばにいた子供たちは「アナン」「サウス」とお互いの名前を呼び合いました。サンヤとマインは子供たちが名前を呼び合っているのを見て、うれしそうに微笑みました。恐竜の赤ちゃんの成長は本当に早いです。
数日が過ぎた頃です。ドカンとすごい音が聞こえ、地面が振動しました。サイアマウラの群れも、一緒にいるディプロドクスもパニック状態になりました。
地球は大きな転換期を迎えていました。火山があちらこちらで噴火し、海底の火山が爆発する海も真っ赤な火柱をあげました。サイアマウラの群れが森にいた時の火山の噴火はその始まりだったのです。何か大きなエネルギーにより、地球が変わろうとしていました。熱風が吹き荒れます。火山の噴火で、真っ赤に焼けた大きな石が空から降り注ぐように落ちてくるのが見えました。
その時です!桃色のタマゴから生まれたアナンと緑色のタマゴから生まれたサウスが「グァーン」と空に向って叫びました。二匹の子供たちの体はものすごい光を点滅させています。すると、空から降ってくる大きな石が上空百メートルで浮かんだように止まりました。もう一度アナンとサウスが「ウォーン」と叫ぶと、眩しい稲妻が光りました。まず一番初めにサイアマウラたちがスーっと勢いよく空に向って引き上げられました。そして地球上にいるすべての恐竜たちが、次々と空へ吸い込まれていきました。
サイアマウラの群れの者たちが気がつくと、火山が爆発して出発する前にいた深い森に囲まれた湖にいました。サンヤは「アナン!サウス!どこだ?」と叫びました。マインの側にいた子供たちから桃色と緑色の光りが少しずつ消えていきました。まるで役目を終えたかのように普通のサイアマウラと同じ色になりました。それを見ていたサンヤとマイン、そして群れの仲間たちから喜びの叫びがあがりました。
地球で生きている様々な種類の恐竜たちも、気がつくと元いた同じ所にいました。もしかすると、そこは広い宇宙のどこかにある恐竜たちの星だったのかもしれません。そして二億年たった今も、恐竜たちはその星で暮らしている事でしょう。夜空を見上げると、どこかの星から恐竜たちの元気な足音がズシンズシンと響いているのが聞こえてくるようです。
恐竜の図鑑を見ている男の子が「ねえママ、恐竜って本当に地球にいたのかな?」と聞きました。ママは「そうね、恐竜はいたと思うわよ」と微笑みました。男の子は図鑑を閉じると、窓から見える星を見て「うん!そうだよね、おやすみ」と言いました。
おやすみなさい…
恐竜たちは元気にしていますよ、きっとどこかの星で。




