第十三話 星空の下での家族の幸せと仲間の信頼
サイアマウラの群れに帰ろうと決めたサンヤは、緑色の子供が指し示す方向へ歩きます。
夕方まで歩き通しで、お腹の空いた子供たちが「ピチュ」と鳴き始めました。マインは「そろそろ日も落ちてきます。子供たちもお腹が空いたようですわ」と言いました。サンヤはなるべく安全な場所を見つけると、ここで一晩明かすことにしました。
イグアノドンが持たせてくれた葉を子供たちは美味しそうに食べると、兄妹は寄り添うように眠っています。空には数えきれないほどの星が出ています。サンヤは家族を抱き寄せるようにして「星空がきれいだ。明日も良い天気になりそうだな」と言うと、マインは「家族が揃って向かえる初めての夜、本当に幸せですわ」と微笑みました。
朝になると家族は出発しました。どれくらい歩いたでしょうか?すると突然「キュンピチュキュン」と子供たちがうれしそうにサンヤの背中の上で鳴きました。
ディプロドクスの森、つまりサイアマウラの群れのいる森がすぐそこに見えてきました。
サンヤの家族に気づいた群れの仲間が走り寄ってきました。「サンヤ!帰ってきたのか?黙っていなくなるから心配したんだぞ」とみんなが口々に言いました。「長老とみんなに話しがある」とサンヤが言いました。
長老がサンヤの前に進み出て「サンヤ、マインよく帰ってきてくれたな。おや?さらわれた桃色の子供がいるではないか」と驚いて言いました。
サンヤは群れを出てから桃色の子供が見つかるまでのことを話しました。長老は「みんな!サンヤを信じよう、そして色が違っても子供たちは私達の家族ではないか」と大きな声で叫ぶと、子供が光るために危険だと言っていた者たちの一人が「そうだ、サンヤを信じよう。彼は嘘をつくような男ではない。本当にすまなかった」と言うと、群れの仲間は涙をこらえきれずに泣きました。「ありがとう、みんな。本当にありがとう」と言うサンヤも泣いていました。
さて、長老はじめ群れの仲間たちに一緒にいる事を許されたサンヤの一家ですが、これから大変なことが起きるということは誰も知りませんでした。




