第十一話 心優しきイグアノドン
緑色の子供に導かれた所は、桃色の子供がいるイグアノドンの群れでした。子供達のもとへ飛び出したサンヤとイグアノドンは、衝突寸前です。気がついた子供達は「キューン」と叫びました。するとサンヤとイグアノドンはふわりと宙に浮き、ゆっくり降りてきました。桃色の子供はイグアノドンに、緑色の子供はサンヤに「キュンキュン」と言って可愛い目をクリクリさせて何かを訴えているようです。
その様子を見ていたイグアノドンの群れの長老が近づいてきました。「サイアマウラだな。色が違うが、この子はあなたの子供かね?」と聞きました。サンヤは火山の噴火によりディプロドクスの群れに助けられた事、そこで産まれた時のタマゴの事、テラノドンにさらわれた桃色のタマゴの事を話しました。その話しを聞いた長老は「よくわかりました、ディプロドクスの群れにいれば安全なのに何故ここまで来たのかね?桃色の子供を探しに来たのか?」と言いました。サンヤは緑色の子供の体が大きくなるにしたがって肉食獣に群れが狙われる危険があり、群れを離れた事や緑色の子供がここへ導いた事などを話しました。
長老はイグアノドンの群れでも、桃色の子供が大きくなったので子供を隠しきれずに困っていたと言いました。マインは二人の子供をしっかり抱きしめていましたが「長老、あなた達のおかげで私達の子供が無事でいられたのですね!ありがとうございます、ありがとうございます」と涙を流して言いました。長老は横にいるイグアノドンに「お前が育てた子供は、このサイアマウラの夫婦の子供に間違いないようだ。この子をお返ししようではないか。それでいいだろう?」と言いました。桃色の子供を群れに連れて行き、育てたのは年老いた長老の妻だったのです。子供を抱き寄せ涙を流す母親を見ながら、長老の妻も目に涙をためながら頷きました。
サンヤとマインはイグアノドンの親切で草もご馳走になりました。そして深々とお辞儀をすると二匹の子供を連れてイグアノドンの群れを出発しました。




