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ERASE OR ERASE  《策略の園》  作者: 大道寺司
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ゲームスタート


 世界を消したいか?


 そう問われた。答えは勿論、いいえだ。

 しかし、その問いの主、破壊神を名乗る声は言う。


「お前には、世界を消す素質がある。」


 僕は聞き返す。


「素質?」


「お前は嫌な記憶を消したいと思っているだろう。対象は何でもいい。消したいという気持ちそのものが素質だ。」


「ふーん。それで、なんでそんなこと僕に言うわけ?」


「お前には、ゲームに参加してもらおうと思っている。」


「ゲーム?」


「この世界は腐っている。そう判断した破壊神は、世界を破壊し、創造神に世界を作り直して貰うのが役目だ。」


 破壊神は言葉を続ける。


「しかし、破壊神の役目は一度で交代。世界を破壊する前に新しい破壊神を選ばなくてはならない。」


「つまり、破壊神を決めるゲームに僕も出ろということ?」


「そうだ。」


「悪いけど、お断りするよ。僕には、戦う理由が無い。」


「気づかないか?破壊神の選抜は世界が破壊される直前。勝者には次の世界を破壊する役割がある。」


「つまり、この世界で生き残れるのはこのゲームの勝者だけっていうことか。」


「いや、この世界を統べる二人の神、すなわち破壊神と創造神はそれぞれの力を合わせればなんでもできる。前の世界の人間を次の世界に召喚することもね。」


「要するに、自分が生きたければ、誰かを助けたければ戦えってことか。」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ジリリリリリッ


 朝の目覚ましがなる。僕はそれを止めて起き上がる。


「変な夢だったな。」


 朝は嫌いだ。嫌なことを思い出すからーーー


「あれ?なんだっけ?」


 何も思い出せない。不思議に思っていると机の上に何か文字がビッシリ書かれている紙と右腕に刻まれた十画の刻印が目に入った。


「なんだこれ?」


 紙にはこう書かれていた。


 やあ、奥寺浩樹(おくでらこうき)君。おめでとう。君は十人の破壊神候補の内の一人に選ばれた。参加賞として君が消したがっていた嫌な記憶を消してあげたよ。頑張って破壊神を目指してね。


 さて、ゲームのルールは次の通りだ。


 《ゲーム概要》

 破壊神候補が《イレイズ》を駆使して他の九人を倒し、破壊神の座を勝ち取るゲーム


《勝利条件》

 他の九人を敗北させる


《敗北条件》

 命を落とす、《イレイズ》の残り画数が0になる、存在を消されるのいずれかに該当する


《イレイズに関するルール》

 破壊神候補には、特定のものを消すことができる刻印《イレイズ》が一人につき十支給される


 《イレイズ》は十回しか使えない。


 《イレイズ》については取扱説明書を参照


「で、この刻印が《イレイズ》か。」


 続いて、取扱説明書を見る。


 記憶を消す《イレイズ》


 この《イレイズ》を発動した時、接触した人間の接触する一日前までの記憶を消すことができる。 


 記憶は一日前までの範囲内では、自由に消すことができ、記憶の一部を消す場合、消す記憶を選択する際に対象の記憶を見ることができ、全て消す時、対象の記憶を見ることはできない。


 この《イレイズ》は、対象に触れた状態で刻印を消費するもしくは刻印を消費して効果を付与した物体を対象に接触させることで発動する。


「なんか、複雑だな・・・」


 俺はふと、時計を見た。幼馴染みとの勉強会の支度をしなければならない時間だった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 その後も、我は残りの九人をゲームに参加させた。

 皆、それぞれの思惑を持ってゲームに参加してくれた。


「こいつは面白いことになったな。」


「生きる為に頑張ろう。」


「僕が有能だと証明するいい機会だ。」


「次の世界でみんな生き返らせてあげるね。」


「こんな秩序を乱すようなゲームは私が止めなくちゃ。」


「僕の力、見せてあげるよ。」


「こんな世界あっても邪魔なだけだしな。破壊神ってのも悪くない。」


「こんな体験二度とない。最大限、役作りの糧にしよう。」


「彼が私に振り向いてくれない世界なんて要らない。彼が振り向いてくれるまで世界なんて何度でも壊してやる。」


 さぁ、ゲームスタート。

 こんにちは。大道寺司です。お読みいただき有難う御座います。

 私は、受験を控えているので、それがは終わるまでこの作品の投稿は奇数月の第一日曜日とさせていただきます。また、私の作品、学生警察の活動記録《バトルレコード》もそれまで基本的には休載させていただきます。御了承下さい。

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