6、弱者に寄り添うもの
多くの要望・疑問があり、鳥モデルのバジリスクから、コカトリスに変更しました。
迷惑をおかけして、すみません。
【石の悪魔】
コカトリスの忌名の一つである。
コカトリスは肉の他に、好んで鉱物を食べる。
その食事により形成された羽には炭素と銀が含まれている。
この羽に包まれた体は剣を、矢を、魔法を、あらゆる衝撃を受け付けない。
この鉄壁により、コカトリスは強者とし、今まで生きてきた。
だが、目の前にいる“虫”の拳は自慢の装甲を貫いた。
コカトリスは虫に対して、怒りとは別の感情が現れたが、この感情が何か分からない。
分からぬまま、早く潰さなければと思い、本気を出した。
防護性は低くなるが、トドメを刺すために己の羽を放った。
誠一に降り注そいだ死の雨。
虫から外れた羽が至るところに着弾し土をえぐり、その威力を物語っている。
コカトリスは歓喜した。
己の心から怒りが消え、喜びの感情が現れた。
だが謎の感情は消えない、むしろ増える一方だ。
舞っていた徐々に土煙が晴れ、コカトリスは虫の有様を確認しようと紅の瞳を向ける。
そこには、削られボロボロになった大地に、
輝きを放つ一本の刀を片手にたずさえ、無傷でたたずむ誠一。
瞬間、コカトリスを名も知らぬ感情が支配する。
感情の正体は弱者ならばすぐに理解できていたであろう―――
その感情が『怖れ』であると。