第50話 お風呂乱入!?
「で、お前もここに泊まっていくつもりなのか?」
「当たり前じゃないですか! 菫だけ泊まって私は蚊帳の外なんて酷いじゃないですか」
「……俺的にはあんまり知らない奴が家に泊まることになるんだが?」
「そうかもしれませんが、わたくしからもお願いします。というか、ここでお嬢様を追い出したら何をしでかすかわからないので」
菫の言うことも一理あるのかもしれない。
そもそも、現時点でこうやって不法侵入をしてるんだ。
下手に追い出してやばい事をされるよりは、ある程度俺の目の届く範囲に居てくれた方が楽かもしれない。
「わかった、けど絶対に変な事はするなよ?」
「わかっていますとも! ありがとうございます宮野くん」
上機嫌に天城は鼻歌を歌い始めた。
どうやら、自分の望みにそう返答だったようではしゃぎまわっている。
まあ、こういうのもたまには良いか。
「言っとくが寝込みを襲おうとするなよ?」
「……自分で言うのもなんですけど、そう言うのって女性側がいう事では?」
「今の自分の行動を振り返ってみろ。いきなり婚姻届けを持ってきたり。正直身の危険しか感じない」
「ご安心を。寝る時はわたくしがお嬢様を見張っておきますので。陸斗様は安心しえお休みください」
菫は相変わらずすごく綺麗な動作でお辞儀をしてくる。
やっぱり動作が綺麗だ。
見惚れてしまいそうになる。
「助かる。菫がそう言ってくれると安心して眠れそうだ」
「私への信頼度が全くないというのは今の会話でわかりました。二人とも酷いです!」
「そう思うなら、もう少しは信頼されるような行動をしてくれ」
今の所俺が天城を信頼できる要素が全くない。
もう少しは信頼させて欲しい。
まあ、無理かもしれないけど。
「……善処します」
「それ、絶対にやらない奴だろ」
相変わらずの天城の態度に頭痛すらしてくる。
いや、相変わらずなのか?
「陸斗様、そろそろ夕飯の準備が整いますがお風呂と夕飯どちらを先になさいますか?」
「じゃあ、夕飯から先にお願いしても良いか? 風呂はまだお湯を張ってないし。掃除もしてないだろうから夕飯食べ終わったらしておくよ」
「いえ、そう言った身の回りのお世話はわたくしがいたしますのでお気になさらないでください。それと、夕飯からですね。畏まりました。準備いたします」
どうやら、夏休みの間は本当に俺の世話をしてくれる気でいるようでありがたい反面、なんだか申し訳ない気持ちになってくる。
日頃から自分の事は自分でやっていたからこうやって誰かに身の回りの世話を全部されると逆に居心地が悪くなってしまうのだ。
「落ち着きませんか?」
「まあな。こうやって誰かに世話をされるのは初めてだから。申し訳なくなる」
「菫はこういうの結構好きでやってるんですよね。私の時もそうでしたし」
どうやら、菫は人に尽くすのが好きなのかもしれない。
であるならば、メイドと言う職業は天職なのかもしれないな。
「そうなのか?」
「はい。私も最初の方は遠慮をしてたんですけど、あの子に遠慮をしないで欲しいって言われまして。それ以降は任せることにしたんですよ」
「なんだか、菫らしいと言えばらしいのかもな」
菫なら言いそうな事ではある。
そう言っている姿が容易に想像ができる。
「ですね。さて、そろそろ夕飯らしいですし移動しますかね」
「ああ」
そこから俺たちは夕飯を済ませた。
菫の作る夕飯は本当に美味しくて、夏休み中毎日食べれるんだと思うと嬉しくて仕方がなかった。
◇
「で、なんでこうなってるわけ?」
「えへへ~お背中お流ししますよ」
夕食後、一番風呂を進められた俺は湯船に浸かってまったりした後に体を洗っていると浴室の扉が突然開いた。
おそらくだが天城は絶対に服を着ていないし、何ならタオルを巻いているかすら怪しい。
「早く出ていけ」
「え? 嫌ですけど」
「はぁ」
何だろう。
もうなんだか、考えるの疲れた。




