第38話 天城に覚えた既視感
「んん?」
再び眠りについてからどれくらい経っただろうか。
俺はインターホンの音で目が覚めた。
「こんな時に一体誰だ?」
いや、そもそも俺の家に尋ねてくる奴なんて……
そこまで考えてとある二人の人物が頭に浮かび上がってきた。
一人は、俺に毎回プロポーズしてくる黒髪で紫紺の瞳をした美少女。
もう一人は、金髪で宝石みたいに綺麗な青色の瞳を持つ美少女。
このどちらかだろうと。
フラフラする体で玄関まで行って鍵を開ける。
するとそこには、俺が予想した二人が立っていた。
「大丈夫ですか? 宮野くん」
「お嬢様。こうして熱で休まれている以上絶対に大丈夫ではないと思うのですが。っと、無理をさせてはいけませんね。肩をお貸しするので捕まってください」
「……悪いな」
普段なら大丈夫と断りを入れるところだが、今はそんな余裕がなかった。
立っているのですらしんどい。
「いえ、わたくしは陸斗様を看病するために来たので」
そう言って俺に肩を貸してベッドまで連れて行ってくれる。
本当にありがたい。
そう言えば、二人が来ているという事はもう学校は終わったのか?
時計を見てみれば12時。完全にまだ学校がある時間帯だ。
「てか、見舞いに来てもらってなんだがどうしてここに?」
「お嬢様が心配で心配で仕方がないって言って早退してきたんです。お嬢様お一人で看病ができるとは到底思えませんでしたので」
「酷いですよ! 菫。私にだって看病くらい」
「お嬢様、虚偽はいけません。お一人で料理もできないのに」
菫は天城に向かってドストレートに真実を告げた。
最近思うんだけど、菫って結構ズバズバ言うよな。
まあ、そう言う主従の関係は見ていて微笑ましいんだけどさ。
「……キライ」
そっぽを向いて拗ねてしまった。
天城もこういう所は本当に子供っぽい。
こういう所も可愛いと最近では思えるようになってきた。
「……ん?」
拗ねている様子の天城に何故か強烈な既視感を覚えた。
何処かで見たことがある。
そう確信させるほどに強烈な既視感。
なんで俺はこんな既視感を抱いてるんだ?
「どうかしましたか? もしかして、ついに私の魅力に気が付いたのですか? いいですよ! 今すぐにでも婚姻届けを」
「お嬢様、自重してくださいませ。陸斗様は病人なのですよ?」
「でも、宮野くんが熱い視線を送ってきたんですよ!? これはきっとついに私と結婚する気になってくれたに違いありません」
変に暴走してしまった天城は置いておくとして、どこかであったことがある。
でも、どこであったことがあるかはわからない。
この不快感に似た何かを探るかのように思考を深いところに沈める。
だが、明確な答えは依然として出てこなかった。
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