第29話 監禁の危機!?
「それで? 私に隠れて二人でデートをしてたってわけですね」
「最初に言っておくが、俺が辻を誘ったんだ。辻は悪くないから責めるなよ?」
「わかっています。そもそも私は菫を責める気が一切ありません」
へにゃへにゃになった辻を運んで今いるのは動物園内の休憩スペースだ。
天城に尋問みたいにつめられてるわけだが。
「でも、私とデートをするときは渋るのになんで菫のことは自分から誘っているのかは詳しく聞きたいですね」
ニッコリ笑ってるけど目が全く笑ってない。
返答を間違えたら殺される。
そう勘が言っていた。
「いや、辻ってずっと敬語だしどこかに遊びに行ったことが無さそうだったから誘ってみたんだよ。もっと仲良くなりたかったしな」
「あなたが菫と仲良くしようとしてくれるのはありがたいのですが、どうして私とは仲良くしようとしてくれないんですか?」
「別にそんなことは無いぞ? でも、天城は自分からガツガツ来てくれるけど辻はそうじゃないだろ?」
天城は俺が距離をつめようとしなくても自分からすごい速度で詰めてくる。
でも、辻はそうじゃない。
常に一歩引いたところで接してきている。
それがなんだか嫌なのだ。
「それはそうかもしれませんけど、不公平です!」
「そう言われてもなぁ」
「という事で、今度私とデートするときは宮野くんがプランを全て考えてエスコートしてください。そうしてくれたら許してあげます」
「えぇ、俺何も悪い事してないのに。というか、許されなかったらどうなるんだ?」
悪い事はしてないし、わざわざ許しを請う事もないのでは?
そう思って聞いてみたのだが……
「GPSは絶対につけますよね。場合によっては盗聴器も。それよりも私の家で監禁がお望みですか? 大丈夫です。ちゃんと私のことが大好きになったら解放してあげますので」
「……絶対に楽しいデートプランを考えるからどうか許してほしい」
「ふふ、良いですよ」
絶対に許してもらわないといけない。
監禁なんて溜まったもんじゃないし、GPSや盗聴器をつけられるのも勘弁願いたい。
「お、お嬢様? どうしてここに」
「やっと、目が覚めたのね」
俺達の話がまとまったくらいで辻が目を覚ました。
免疫のない辻にするにしては悪ふざけが過ぎたようだ。
今度からは気をつけないと。
「わたくしは、陸斗様と二人で動物園に来て、それで……」
独り言を呟き、何があったのかを頭の中で整理しているらしいが、どんどん顔が赤くなってリンゴのようになっていた。
「陸斗様、キスするならしても良いんですよ?」
何故か真っ赤な顔で恥ずかしそうにしながら、右手の人差し指を自分の唇に当ててそう言ってくる。
めちゃくちゃ可愛いし、その申し出は凄く魅力的なものだったけどそれをしてしまったら俺の監禁生活が確定してしまうので何とか踏みとどまった。
「いや、大丈夫だ。それよりも、悪ふざけが過ぎた。さっきはごめんな?」
「いえ、わたくしは別にあのままキスされても……」
とてもか細い声で何かを言っている。
が、その内容は全部聞こえているので少しだけ恥ずかしかった。
「あの、私の前でイチャイチャするのやめてもらってもいいですか?」
真顔で天城に抗議された。
イチャイチャしてるつもりはなかったのだが、天城にはそう見えたらしい。
「申し訳ございません。お嬢様」
「別に怒ってないから良いけどね。で、これからどうする? 二人で回るって言うなら私は帰るけど?」
「ん? なんでだ? せっかく来たんだから三人で回ればいいじゃないか。辻もそれでいいだろ?」
ここで天城だけ置いて行くって言うのも後味が悪いし。
天城ともこういう場所を回ってみるのも面白いかもしれない。
それに三人でこういう場所に来た経験は無いから楽しそうだ。
「そうですよお嬢様。一緒に回りましょう」
「いいの?」
「当たり前だ。ほら、行こうぜ」
こうして俺たちは三人で動物園を満喫した。
天城もこういう所には来たことが無いらしく、いつにも増してはしゃいでてなんだかこっちまで笑顔になる。
辻も天城と二人でいろんな動物を見てはしゃいでいて、そんな二人は凄く可愛かった。
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