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天才ヤンデレお嬢様の好感度がなぜかカンストしてる件  作者: 夜空 叶ト


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第21話 昔の仲間

「今日はお嬢様、なんだかお元気がなかったですね」


「やっぱり辻から見てもそうなのか?」


「はい。普段のように振舞ってはおられましたが、雰囲気というか何か暗い物を感じましたね」


 どうやら俺の勘は間違っていなかったらしい。

 そもそもとして、わざわざ学校に残るような用事はなんだったのか。

 疑問は残るけど、無理に踏み込むべきでもない。

 難しいところだな。


「だよな」


「それに、今日は陸斗様がいらっしゃるのに夕食を食べてすぐにお部屋に戻られてしまいましたし」


 夕食後、普段なら天城は俺にべったりとくっついてくるのに今日はすぐに部屋に戻って行ってしまった。

 どう考えても何かあったことは明白なんだけど。

 無暗に聞くべきじゃないんだよなぁ。

 辻にも話せないことを俺に話してくれるとは到底思わないし。


「気にしても仕方ない……か。じゃあ、勉強の続きでもするか? まだ一時間くらい残ってただろ?」


「そうですね。じゃあ、お願いしてもいいですか?」


「もちろんだ。仕事だしな。もうそろそろテストも近いしみっちりやるか」


「お手柔らかにお願いしますね」


 俺たちは普段と様子が違う天城の事を頭から離すべく、勉強に没頭した。

 相変わらずの吸収力で少し前に教えた公式を全部暗記していた。

 正直言って、自信を無くしそうになるがそんなことを気にしていても仕方がない。

 俺は俺でちゃんと勉強をして、好成績を維持しないとな。


 ◇


「もしもし? 今大丈夫か?」


『陸さんっすか!? 懐かしいっすね。どうかしたんですか?」


「相変わらず、お前はテンション高いな。元気してたか?」


『はい! 陸さんがヤンキーやめてからも俺は元気にヤンキーしてましたんで! 他の奴らも元気してますよ!」


 家に帰ってから久しぶりに《《昔の仲間》》に電話をかけていた。

 中学二年を境に全く会わなくなってしまったけど、どうやら俺のことを覚えてくれていたらしい。


「良かったよ。一つ頼みがあるんだが、聞いてもらってもいいか?」


『もちろんっす! 陸さんの頼みなら俺らは全力で力になりますぜ!』


「ありがとう。今から話すことは他言無用で頼むぞ」


『わかりました!』


 その後、俺は昔の仲間に一つの頼みごとをした。

 何もないと思いたいが、何かあったときに備えることは大切だ。

 その保険を俺はかけておくことにした。


「さて、どうなるかな」


 面倒なことにならなければいいと思うが、近藤の性格上逆恨みで何かをしてくる危険性がある。

 それを予防するためにもあいつらの力を借りたい。

 快諾してくれて助かったな。

 本当に。


 ◇


「陸斗様はわたくしのことが好きなんですか?」


「なんだいきなり」


「いや、この前もわたくしと二人でどこかに行きたいなどとおっしゃっていたので」


「嫌いではないけど。好きというわけでもないと思うぞ?」


 翌日の家庭教師中に辻がいきなりそんなことを聞いてきた。

 天城がこんなことを言うのはまだしも、辻が聞いてくるのは驚きだった。

 何かあったのか?


「左様ですか」


「左様です。てか、いきなりどうした?」


「いえ、変な話なのですが。わたくしはよく殿方に告白をされます」


「まあ、だろうな。可愛いし」


 辻は正直言って美少女だ。

 綺麗な金髪もそうだし青色の瞳は神秘的にすら見える。

 告白されるのも頷ける。


「か、かわい。陸斗様は無自覚でやってるんですか?」


「ん? 何が?」


 変な事をした覚えはないんだが。

 でも、辻はムッとしているから何か不快にさせるようなことをしてしまったのだろう。

 心当たりはないが。


「もういいです。で、そんなわたくしと一緒に居るのだから好きになられたのかなと」


「変な事言うなよ。天城に何か吹き込まれでもしたのか?」


「……その通りです。お嬢様から陸斗様に質問をして欲しいと言われたので。ご不快になられましたか?」


「不快になったって程でもない。気にするなよ。辻は悪くないからさ」


 辻は不安になったのか借りてきた猫みたいに縮こまっていた。

 あまりにも不安そうにしてたから、頭を撫でてみたくなる。

 だが、セクハラになりそうだから自重しておくことにしようか。


「ありがとうございます」


「いいって、それよりもあの噂聞いたか?」


「噂……でございますか?」


 どうやら噂を知らないようで、首を傾げていた。

 相変わらず可愛い仕草をするな。

 この子は。


「近藤が退学になったらしい。退学と言っても自主退学らしいが」


「そうなんですか?」


「ああ。俺も噂でしか聞いたことは無いから真偽は不確かだけどな」


「何かあったんですかね?」


「わからんな」


 俺も気にはなるけど、面倒な奴がいなくなったのならそれはそれでいい。

 正直言って、気にするだけリソースの無駄遣いだ。


「ですよね。っと、この問題はどう解けばいいですか?」


「ああ、ここはこの式を使って。先にこっちを計算するんだ。で、出た数値をここに代入してから計算するんだよ」


「なるほど。ありがとうございます」


 辻はすぐに理解してくれたみたいでカリカリとシャーペンを動かす。

 見る見るうちに問題を解いてしまった。


「じゃあ、こっちの問題は解けるか?」


 さっき質問してきた問題と似たような問題を辻に出してみる。

 同じ解き方で解けるから、さっきの説明を理解してくれているのなら解けるはずだ。


「これであってますか?」


「正解だよ。これで似たような問題が出てきても大丈夫だな」


「はい。ありがとうございます」


 何はともあれ、厄介ごとを引き起こしそうなやつが学校からいなくなったのであれば喜ぶべきだろう。

 辻が変に襲われる心配も無くなったし、天城に迷惑がかかる可能性も無くなった。

 万事解決ってやつかな。

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