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モラルの悲鳴(おめい) その5・・・海の叫び

作者: じゅラン椿

海水は静かに語り始めた。


 「俺、ホントはもっとキレイだった 光を映し、空気を映し、瞳に映し、子供たちが歓声をあげても、飛び込んでも、全部喜んで受け止められた

 確かに時には油がこぼれ、濁ったことも何度かある 

 台風や嵐で、荒れ狂い、土砂が一気に流れ込み、どうしようもできないこともあった

 それは故意じゃない 誰も望んだことじゃないはずだ」


♢♦♢♦♢♦


 海底が低く唸った。

 「だが今は違う 俺の上に積もるのは、ペットボトル・ビニール袋・タイヤ・紙コップ・弁当の容器・・・砂に埋もれていくのだ」


♢♦♢♦♢♦


海水は怒りをにじませる。


 「汚れた海は、やがて、空気まで汚れを生む 有害物質は気化し、大気をめぐり、雨になり、また強いパワーを吸収し、地上に降りてくる 名づけるとしたら、"クローン()"

その悪循環を構成したのは、俺じゃない おまえたち人間だ」


♢♦♢♦♢♦


深海は警鐘を叫ぶ。


 「このままじゃ、次に沈むのはゴミじゃない、未来そのものだ

キレイだった俺たちを取り戻す気はないのか?」


海だけの問題じゃなくなる・・・・・


一人の意識だけじゃ、何も変えられない。


住人ひとり、一人の意識が、この先の未来の分かれ道なのだ。







 


海水や海底・深海の叫びは、決して遠い世界の話ではない。


 彼らを汚せば、やがて空気や大地を汚し、それは人間自身の生活に跳ね返ってくる。

 自然ののごりと人間の恋による汚れの違いに気づき、悪循環を断ち切ること。


 それこそが「きれいだったのに」という後悔を繰り返さない唯一の道なのかもしれません。



最後まで拝読ありがとうございます。



  じゅラン椿

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