洞窟で鉱石掘り
カツン…カツン…カツン…ツルハシを岩にぶつける音が暗闇の洞窟内に木霊する。音は時々止まりそのまたすぐにカツン…カツン…と岩を叩く音が聴こえる。そして…
「あっ…緑宝の欠片」とその一人洞窟にいる男の声が聴こえる。暗闇にドロップした石ころが明かりの様に地面を照らす、男はそれをすぐに拾い上げインベントリに入れる。その動作は既に洗練されインベントリは綺麗にレア度に分けられている。中でもインベントリの半分近くを埋め尽くすただの石が此処での時間を示している
時々別のプレイヤーが入り隣でツルハシを岩窟へ奮う、そのプレイヤーと男は少し会話をして隣のプレイヤーが退出するこの繰り返しがこの洞窟内では日常的に起こっている。何故この島にいるプレイヤーが一心不乱に岩を掘るのかただの趣味?いいや違うこれは趣味じゃ無いこの島から出るためだ。早く借金を返済するためだ
「あー…脳が痛くなってきた…流石にやり過ぎた、それにモーションが長く感じてきた。レベルもアップしなくなったし。一旦石売りに行くか…」
男性のプレイヤー「カエデ」は洞窟の外へと向かう暗闇の中を何の迷いも無く突き進むまるでその洞窟の構造を全て把握しているかの様に足を進める。
「はぁ…あの運営からのお知らせから一ヶ月か……まだクエストの終了はまだだし…まだ俺も本土へ…はほぼ無理か」
そう、それは一ヶ月程と少しばかり前プロジェクト・ウィリアンダーズのプレイヤー、その他まだ配信されていない外国の方々に衝撃を与えた運営からのお知らせ。このせいでより一層俺は運営に憎しみを抱いている。今なら外国人の気持ちが少し…いや結構分かる。これが俺が普段の生活を疎かにする理由だおかげで定期テストの点数が平均を下回った
悲嘆に暮れようがクエストは待ってはくれ無い。まだクエストが終了していないのが救いだ残りの借金
36.942.635……うん救いがあろうが無理だ。段々と出口に近付いているのか暗闇だった洞窟の内部がしっかりと確認できる
「……眩し!もう朝かよ!流石に今日学校はヤバ過ぎる!早く石売りに行ってログアウトしなきゃまずい!」
外に出て時間を確認する既に時間は朝の六時を長針が指し短針が二を指していた。焦りを感じ走る海岸にポツンと建てられたプレハブにいる鉱物商へと石を売りに走り出す
「うーんそこまでいい金額にはならないな…「緑宝の欠片」とか「青眼の龍石」とかは…出てからうりたいんだよなー…本土だとこれが八千万とかまじで凄いよなー」
「おう!あんちゃんその青眼の龍石うらへんか?」
「いえ!売りません!とりあえず大体の石は売って…よし、これ位でいいや…………ん?」
インベントリの半分を埋めていた石がなくなってもの悲しく感じた。暫くインベントリの空白を見つめる。するとある事に気が付いた、石に分類されず他の欠片や龍石、宝石でも無い別の物がインベントリの端に表示されている。取り出そうにも取り出せない。そんな意味不なアイテムがあった
「石……でも無いな少し黒ずんでるし…呼称無し
………バグか?…いやこのゲームに流石にバグは無いだろうし……何処と無く欠片っぽいんだよなー」
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少し過去のお話をしましょうか。聖母は自身の目の前に立つ少女…一人の少女のプレイヤーに言った。この世界の過去に何があったのかを……




