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イベント「破滅の世を願いし魔の王」をスタートします

何やかんやでウィリアンダーズの世界であれから三週間程時間が過ぎた。もう既にストーリー最後のボスを倒した人がいると噂になっている。まぁその話題もこの最果ての島で借金返済生活を強いられている俺には関係のない話だ。


「おし、石五百キロ大体二千五百円位かな?」


「先輩速いですね!」


この島に来て三週間だ。当然俺やコガネ、爺さんだけがこの島にいる訳ではない。他の罪人の職業になった不運なプレイヤーも時々来ている


「まぁなやってる時間が違うのだよ」


両手で握ったツルハシを眼前の岩に向かって振り下ろす。岩は砕ける事は無いが周りに岩の欠片石がドロップする。この石は個数と言う概念は無いがキロやトン、グラムといった単位で数えられる。この石の重さに応じてNPCが買い取ってくれると言うシステムだ。


「まぁこのお金も食料とかツール、借金返済で消えるんですけど」


俺カエデや、この隣で一緒にツルハシを振るう筋骨隆々の男性プレイヤーストッキーはこの職業罪人の行き着く島ヨノワーロと言う島で借金を返済している


「酷い話だよなーこれ、俺は早くて一年は拘束確定だからな。お前は友人のプレイヤーに借金変わりに払って貰えるんだっけ?」


「そうっすね友人が千万払ってくれて残りの千万は自分って形です」


その巨大から振り下ろされるツルハシの掘り動作は思ったよりも普通の音を奏でる。そして俺は最近知ったのだがこの借金システムは人によって額が違う事を、俺は四千万この隣のプレイヤーは二千万雲泥の差がある。これも理不尽ポイントの一つだ


「このゲームで千万貯めるの簡単じゃ無いもんな。よくその友人は払ってくれるよな」


この島の鉱石の買い取り価格もだいぶ可笑しいが本島の方は金策がまだ画策されていない。というのもプレイヤー間での取り合いが多く倒したモンスターからのドロップ品を強奪やそもそもプレイヤーをPKする方が特だからだ。序盤の大量にいるモンスターでも取り合いになる程らしい


「はい、友人が一緒にプレイしたいからとわざわざ徹夜して工面してくれるそうで」


巨体から涙が出てきて不覚にも少し笑いそうになった

本島のこの現状はいつかこの島にも来そうだ。三週間にしてこの島に来たプレイヤーは俺やコガネ、爺さんを除いて十人にも満たなかった。だがこのままプレイヤーの人口が増えれば必然的にこの島に辿り着くプレイヤーも増える訳だ。つまり借金の返済が難しくなる。


「やっば、スタミナ切れて来た」


「あっ…食料ありますけど要ります?一応バナナとかリンゴとかそこら辺に実ってたのあるんで」


インベントリを開けリンゴとバナナを両手に出現させる。そのリンゴとバナナを受け取り口に入れる。リンゴの咀嚼音が洞窟内で響く。


「いやー助かった。前見たいな事なったら危なかったわ」


「あれは凄かったですからね……」


あれ…そうあれは僕がこの島に連れてこられた日の事だ。あの日この島に着いた時目の前にこの人が石ころを運んでいる姿を最初に見た。そして運んでいる瞬間にスタミナが切れ体力にスリップダメージが発生、運んでいる途中で力の尽きる瞬間を


「あれはびっくりしました、まさか来た瞬間にプレイヤーが死ぬ瞬間を見せられるとは」


「いや、俺も最初はいけると思ったんだがこのゲームスタミナが切れたらダメージ受けるの知らなくてな。行けると思ったんだけどな〜」


「まぁそこら辺はレベルアップして行きましょう。

………あっ…ダイヤでた」


「なぁにーー!それは売ってもたった二十円のただのゴミ!!やけに確率低いクセして買い取り価格糞の炭の塊!!……要らねえ…!」


低確率でドロップしたダイヤに対して何か恨みがあるのか過剰に反応する。


「うーん……一応持ってあげます」


「えっ………ありが…とう」


さっきまでゴミだの糞の塊…炭の塊と言っていたせいで少しそんな事言ってた自分にあげる何て…という思いを胸にしまいありがたく戴く


「俺は千万!ですけど四千万!なんですよね?」

やけに借金額に関して強調する。


「まぁ…やけに強調するな…いいけど、二十円じゃそんな足しになんねぇよ」


「そうですかね?」


二人が洞窟の中で猥談しながら石を掘っていると外から聞き慣れない声が聴こえる。その声は何処かで聴いたような気もしなくは無いがその声の主を知るために二人は洞窟の外へと向かう


「一体何だ?」


『プロジェクト・ウィリアンダーズをプレイしている皆様へ、これより大型クエスト「破滅の世を願いし魔の王」を開始します』


『それに伴って「魔の王」の眷属四体がマップ内にて出現しました』


『繰り返します―――……』


突然の運営からの告知にプレイヤーは震撼する。ゲームがリリースされてまだ半月程での事だ。

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