始まりを告げる夜明け 其ノ弐
巨大なイノシシがコチラへと一直線に付き進んでくる。俺とイノシシの間にある木を薙ぎ払いコチラへと突き進む。ドシドシドシと地面が揺れ動く。
「ヤバ過ぎるだろ!」
思ったよりも殺意マシマシで突っ込んできたせいで思わず驚きの声を出してしまった。
「狂い大豚」
街へと向かうただ一つの森の出口を守る番人。その巨体は森の主である事を示す。傷はかつて起きた争いにより付けられた。防御力が非常に高い。
攻撃は噛みつき、体当たりが主な攻撃手段。その二つの中で最も恐れるべき攻撃は体当たりだ。
理由は何故かって見れば分かる。この大豚は俺の身長の五倍はある。そんな巨体にぶつかられりゃひとたまりもないだろう。最悪股の下を頑張って通れる
ならどうにかなっただろう。しかしこの大豚は体当たりの際に顔面を大きく歪ませ盾の様に変形させぶつかりに来ている。
「どう避けるかか…」
一直線に突き進むなら横に避ける! 勢い良く横へと体を投げ出す。体が地面に落ちた時丁度大豚が元々俺がいた場所で顔面を土に入れ込み無理矢理勢いを止めた。
「なっ…!器用だな!」
大豚はコチラを睨み込む。土の中へ深く突き刺さった顔を持ち上げる。そして、また大きく助走をつけコチラへと突っ走り始めた。
「怯み時間少なくねえか?」
突っ込んでくる大豚に今度は「孤紅の短剣」を装備する
「馬鹿みたいに突っ込んでくるだけなら横から殴れるだよな!」
大豚に一発のクリティカル表示がされた。しかし皮が硬いせいかダメージポリゴンが少ない。炎症の状態異常も余り効果が見られない。だが、若干の怯みモーションは見られたがまた同じ様に地面に顔を突き刺さし止まる。
あの行動気に入ってんのか? 大豚はまた顔を変形させ今度は通常のイカツイ顔つきへと戻す。そして今度は後ろへと下がり助走を長くしているようだ。
助走をつけた所で避けるのは簡単だ。しかし… 俺が考えを巡らせている間にまた大豚は勢い良く走り出す
「やる事はかわんな……―」
大豚が大きく口を開けた。横へと避けたはずの俺のアバターが大きく弾き飛ばされた。頭をぶつけたせいでアバターに気絶の判定が成された。これは不味いと打ち付けられた頭の中で思考を巡らせる。
気絶の時間は約五秒。その間にも大豚は不敵な笑みを浮かべゆっくりとコチラへと歩みを進める。俺の前に立つと顎を変形し大きく口を開ける。
残り…ゼロ!大豚の大きく開いた口を切り裂く様に剣で斬りつける。再度握りしめた短剣が大豚の口を斬る。大豚の左側を横に線が引かれれる様にポリゴンが大豚の顔面から流れる
「ブルガアアアアアアア!!」
大豚が吠える。森が揺れた。大豚の睨みつける目がより強くなった。肉が焼かれるような臭いが感じられる。大豚の死に怯える様子に肉を…体を焼かれるような臭いにプロジェクト・ウィリアンダーズの狂気を感じた
今ので分かった違和感が、何故避けたはずなのにアイツの体当たりを俺は受けたのか。
「俺を直ぐに食わなかった事、後悔しやがれブタ野郎」
「狂い大豚」
体当たりの際に顔面を盾の様に変形させる。その際顔がまるで笑っているようになっている為「狂い大豚」と命名された。他には争いが起きたとき同胞の死体を食い大きくなったとも言われている
プロジェクト・ウィリアンダーズのパーティー人数によるボス強化に付いて【運営からのお話】より抜粋
ボスは基本難易度がかなり高めに設定されており、一人で倒す事は中々難しい難易度になっています。しかし上手いプレイヤー又はレベルの高いプレイヤーが楽しめないのではと思い設定しました。
【狂い大豚】二人の場合
顔面の変形がより速く
四人の場合
速度の強化、怯み軽減、状態異常軽減、体力強化
十五人の場合
ステータス五倍強化、状態異常無効、魔法攻撃半減
耐久力のみ十倍強化
【狂い大豚】のみ十五人パーティーでの討伐が成功した




