始まりの街で武器探し
「………はぁ散々だった」
「自業自得デス」
カエデとハリスは船から降りる。カエデは何故か衣服が破れ疲れが見える。ハリスは何処か清々しくカエデの隣を浮遊する
「自業自得……だけどもさぁ手加減ってご存知ですか?ハリス君…」
一夜にして先程船が地獄へと変わった。地獄の次は地獄だと誰かが言っていた気もする
「さて最初の街へレッツゴー……の前にハリス小型形態」
「了…形態変更ヲ実行シマス」
カシャンカシャンと音を立て体を小さくしていく。不完全人形外伝からこの形態変更を知り船上で確かめ成功した。今の姿を現すと可愛い小型小動物と言おうそれでもう一つ形態があるがそれはクール計のお姉さんだ
「………需要ありそう」ハリスの小型形態を見て思わずそう呟いてしまう。それほど迄に可愛いと言う事だろう
「さて最初の街へ向けてレッツゴー!!」
二分程森を真っ直ぐ歩くと舗装された道と建物が見えてくる。その風景に思わず笑みが溢れてしまう。あれから一年半…長かったやっと
「着いたんだ!!」
一歩街へと足を踏み入れた。しかし其処にあったのはあの日一度見た風景とは違っていた。
「人が…少ない」
あの日は人がまるで歩く事が出来無い程の人の量だった、が今の街の人はまるで人がいなかった。何故だ?疑問符を一瞬頭に建てたが直ぐにそんな疑問符は消えていった。そんな事より
「モンスター、モンスター、楽しみだなー」
「ゴ機嫌デスネ……先ズハ何処ニ?」
「先ずは売りに行く鉱石を。結構いい鉱石が沢山掘れてて貯めてたんだよ」
俺はハリスに見せびらかす様に鉱石を手に出現させる。ハリスはどれどれと俺の出した鉱石達を見る。
「高純度ノ魔力ガ感ジラレマス。本当ニ売ラレルノデスカ?」
「勿論…だけど武器作って貰わないとだからな〜迷うな」
ハリスと他愛も無い話をしながら街の中を歩いて行く
そして、鍛冶屋ミルドと言う鍛冶屋の前に着く
「さぁ入るぞ」
意気込み鍛冶屋の中へと入る中は少し暗くゴツいおっさんが佇んでいた。
「いらっしゃい!どんな要件だい?」
「鉱石を売ろうかと」
「なる程……アンタこれ何処で手に入れたんだい?
緑宝に、岩露…青眼こっちは龍王の膜石やないか!……最低でも千万はするで!」
鍛冶屋のおっさんはその渡した鉱石を見て興奮している。まるで欲しい物を手に入れた少年のようだ。しかしこのおっさん何処かで見たような気がする
「で、いくら出すか?」
俺の問におっさんはまるで虚を突かれた様にキョトンとする。
「売るのか?まぁ全部で2千万だな…俺は進めんな。ちょっと待っとれ」
おっさんはそう言い残し奥の暖簾の向こうへといって行った。おっさんの影が見えなくなるとそれまで静かに俺の背中に隠れさしていたハリスが口を開けた
「私モアノ店主ト同ジク進メマセン」
「さっきも聞きました。…でもそこまで言われるとな…でも人間一度言った事は有言実行しなくちゃいけないんだよ」
ハリスは分から無いと思うが人には、と言っても男性と言う性には「二言無し」と言う大変面倒くさい言葉があるのだ
「おうあんちゃん戻ったぞ。…?あんちゃん今誰かと喋っとたか?」
おっさんは思ったよりも速く戻って来た。そしてその傍らにおっさんの腰程度の身長の少女が立っていた。頭のてっぺんだけがちょこんとと出る程度の身長だ。
「アンタがこの鉱石を持って来た奴か?」
椅子の上にでも立ったのか急に身長を伸ばし自身の姿をさらけ出した。見た目は顔だけ見れば三つ編みを前に垂らし後ろでも髪をくくった髪で可愛らしい少女だ。だが服は炭で汚れ少し汗ばんでいる。頭にはプレイヤーである事を証明するネームタグを下げていた。ドミリアと言うプレイヤーは高圧的にコチラを見下ろしてきた。
「そうだけど」
「…………お願いします!このワッチらクランブラックスミスにアンタの武器を作らせて欲しい!」
意外にも高圧的に見えた態度は気の所為だったらしい。なんなら高圧的にな態度とは違い下手に出てきた
「無料か?」
「勿論だ」
元より鉱石を売った金で武器突然装備を手に入れる算段ではあった。しかし武器の製作にはその鉱石の価値をも超える程の金がかかってしまう。だが無料となれば話は変わってくる
「じゃあ頼もうかな…でもこの鉱石達じゃ無くてこっちの鉱石で作って欲しいんだけど」
「……アンタ…これ何処で手に入れはったんや?」
二人の前に出したのは鉱石を掘り続けたったの二つしか手に入らなかったレア度がかなり高めの『龍王の命宝』だ
「アンタいいんか?二つとも使わせてもろて」
「売るつもりだったし無料なら作って貰ったほうが良いんで」
「分かった、コレはワッチらクラン・ブラックスミスが責任持って使わせて貰おう。受け渡しは――…」
「了解、三週間後にまた此処に来させて貰うわ、で後の鉱石はコレは売ってこっちは防具にしてくれ」
「分かった。ではまた来てくれ」
ドミリアの見送りの言葉を背に扉に手をかけた。此処でとある事に気付く
「武器買うの忘れてた」
別段他の店で買うと言う手も有るには有るのだろうが如何せん早くモンスターとやりあいたい気持ちがある
「………あんちゃんどうした?あぁ武器が無いんか?それなら此処で買ってき。ええ鉱石をくれはりましたからなお安くしますぜ」
「いいのか?なら――…ちょっと武器見さして貰ってもいいか?」
少女のご厚意に甘えさしてもらう。俺が鍛冶屋に置かれている武器達を拝見していると殆ど途中からドミリアと言う少女にカウンターの座を奪われたおっさんが少女に耳打ちをしていた
何だ?愛の告白か?俺が小声でボソッと呟くとハリスが「違ウト思イマス…」と小声で返してきた。
店にある武器を見ていく。普通の短剣、片手斧最初のゴブリンが持ってそうな見た目だ。弓、剣、斧…ムンチャク?杖…槍、大剣があった。
「なぁあんちゃんアンタ職業何や?武器作るにはきいとかなあきまへんからな」
「あっ……えーと」
「………?あーあんちゃんあれだろハズレ職業引いたけぇか?」
ハズレ職業…単語一つでイラッと来るのは重症だなと感じる。散々苦しめられた元凶それをハズレと括るのは些かどうなのかと思う。それで自身の武器を縛るのも良くない。俺の場合縛るとツルハシになるだろう
「まぁ別段職業で武器は決まらないからな。ああでも大剣とかはやめときなステータス足りなくて振れねえから」
「何かおすすめの武器あります?」
「あー…ワッチのおすすめは【 孤紅の短剣 】グレードは名武器補正で炎症状態を敵に付与させる」
短剣にしては少し長い気もする。が、炎症ダメージか…割と良いかもしれない
「ならコレをくれ」
「あいよ、百ヨールだ」
「……意外と安いんだな」
「……最初の街だからなあんま高うするとあきまへんでな…元々は…いえ何でもありゃへん」
他にも理由が有るのか口元を手で覆い隠す仕草を見せた。ドミリアは短刀をコチラに差し出し俺も金を差し出した
「……それじゃあ代金きっちりいただきやした。また三週間間後に系列の店に来てください。」
クラン ブラックスミス
職業「鍛冶師」が集まるクラン。基本活動は街にある鍛冶屋での接待やプレイヤーの武器を作ったりするクラン。元々はとある種族を探す為に作られた。現在はトップクランの一つ
ハリスの意思 又は不完全人形
自立型自動制御型不完全人形の一体で最初の個体である。基本的な見た目は仕えるプレイヤーの好みで変化する。最初の見た目は黒髪ロング、カエデに仕えた結果、黒と青が混ざったロングの髪と緑色の目、服は不完全人形の好みになる。ハリスの場合はカエデの布切れで体を覆っている。可愛いらしい見た目で誰しもが目を見張ってしまう
入手方法は現在確立されてはおらず存在自体が記録に残っていない。
NPCの一体と言う扱いでは無くアクセサリーの分類に分けられる。その為アクセサリースロット一杯に不完全人形をinする事が出来る
機械なのか人形なのかは誰も知らない




